腐るなペピン!あれは充分耳の価値があった。

2004年4月19日セビージャ(第1級)闘牛場の結果。

 晴れだが、風が吹くセビージャ、レアル・マエストランサ闘牛場。牛、セバダ・ガゴ牧場。闘牛士、ドミンゴ・バルデラマ、ペピン・リリア、ルイス・ミゲル・エンカボ。観客は7,8割の入り。ソルのグラダ4にて観戦す。

 ドミンゴ・バルデラマは、去年のフェリアには出場できなかった。そういう悔しさを今年結果として出さなければいけないのに、何も出来なかった。始めの牛は今日1番良い牛だったにもかかわらず、誘うときの距離の取り方が同じでパセは繋いでいるだけ。Mさんが昔、ドミンゴ・まるで馬鹿と、言っていたけど、これじゃフィグラになれないのは当たり前だろうと思わずにはいられない。

 ペピン・リリアは、始めの牛で例によってポルタ・ガジョーラから始めた。突進しない牛で危ない場面もあったがそこは冷静に対処していた。動かない牛を近くでクルサードして誘っていた。彼はやることをやっている。2頭目の牛は、動かない牛。それを立ち位置を変えたり、誘う位置を微妙に変えて、牛の気持ちを飽きさせずにパセを繋いだ。非常に近いところでクルサードしてしてトレアールした。彼に気迫は観客に伝わりしだいに観客は興奮して、「オーレ」を叫んだ。

 悪い牛で見せるペピンの典型的なファエナだ。パセ・デ・ペチョの後に牛の前で動かずにポーズを決める。喝采が鳴る。闘牛場は次第に興奮に包まれていった。パセの時にムレタをはったりしていたが、牛が悪いのは観客にも判る。丁寧にクルサードを繰り返しパセを繋いだ。剣はスエルテ・ナトゥラルで良いところに決まった。観客は白いハンカチを振って耳を要求したが、プレシデンテは耳を認めなかった。全体的にハンカチが少し少なかった。耳を認めないことに拍手が起きたが、剣も良かったし充分耳に値するファエナだったと思う。場内1周。彼は過去にセビージャでも、マドリードでも観客の耳要求をプレシデンテに何度も拒否されている。可哀想な結果が続いている。今日も耳を拒否された。腐るなペピン!観客はちゃんと解っていると思うよ。

 ルイス・ミゲル・エンカボも悪い牛で何とかしようとしていた。最後の牛は、左右の角両方ともブスカンドしていたし、パセの返りが早く非常に危ない牛だった。それでもやれることはやっていた。それでもこんな牛を相手にまともなファエナをしろというのは無理な話だ。初めの牛の方が良い牛だった。足の長いパセを繋いでいたし手も低かった。とぅ林チャラやパセ・デ・ペチョのレマテも良かった。しかし、剣がテンディドのカイーダだった。エンカボは最後に何か足りなくなる。今日も剣がダメだった。


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