牛が悪かったが、ヒステリックな観客の牛交換要求で良い牛まで代えていた。

2004年5月18日マドリード、ラス・ベンタス(第1級)闘牛場の結果。

 晴れ風が吹くマドリード、ラス・ベンタス闘牛場。牛、1頭目、3頭目、エル・トレオン(セサル・リンコン)牧場、2頭目、4頭目、5頭目、6頭目、モイセス・フライレ牧場。ソブレロ、1頭目、ロス・レシタレス牧場、2頭目、コンデ・デ・ラ・マサ牧場、3頭目、ラモン・フロレス牧場。闘牛士、モランテ・デ・ラ・プエブラに代わりウセダ・レアル、サルバドール・ベガに代わりアントン・コルテス、レアンドロ・マルコス=コンフィルマシオン・デ・アルテルナティーバ。観客は9割以上の入り。ソルのテンディド5アルトにてTさんとYさんと一緒に観戦す。

 レアンドロ・マルコスのコンフィルマシオン・デ・アルテルナティーバの為に、レアンドロ・マルコスが1頭目と6頭目。ウセダ・レアルが、2頭目と4頭目。アントン・コルテスが3頭目と5頭目。セサル・リンコンは来ていなかった。兄のルイス・カルロス・リンコンがカジェホンの中でフェルナンド・ロサノの隣りにいたが・・・。

 レアンドロ・マルコスは、セビージャの時のように観客を沸かせることは出来なかった。牛も悪かった。6頭目の牛は2回代えた。始めに交換になった牛も悪かったが、その後に出てきた牛は左後ろ脚が明らかに判る牛。インバリド。こんなので闘牛出来るか。

 ウセダ・レアルは、やろうとしていたが牛が悪くできなかった。

 3頭目のアントン・コルテスの牛は良い牛だった。ベロニカを繋ぐと長いパセが繋がり、「オーレ」が続いた。ゆっくりしたメディア・ベロニカで喝采が鳴った。ピカは左後ろに入り離れるとガックッとした。口笛が鳴る。2度目のピカが入って離れると膝を着いて座った。口笛が鳴りプレシデンテは緑のハンカチを出し牛の交換を指示した。が、膝を着いたが動きの良い牛で、良いベロニカも繋げる牛だった。1度膝を着いただけで交換を指示したプレシデンテの見識を疑わざるを得ない。これは2頭目の悪い牛を交換しなかった観客の不満がここで爆発した格好になった。闘牛場のオピニオン・リーダーのテンディド7の観客もまた、見識を疑われても仕方がないだろう。

 交換した牛は予想したとおり悪い牛だった。足を止めたベロニカもできない牛だった。ファエナはムレタでパセをすれば直ぐに膝を着く牛だった。こう言うのはインバリドという。それで同士路というのだろう。パセをすれば膝を着く。口笛が吹かれる。それの繰り返し。剣刺しの後、コヒーダされてエンフェルメリアへ。5頭目の直前にアレナに戻って喝采が鳴る。しかし、牛が悪かった。牛に対して抗議の口笛や手拍子が鳴った。

 今日は6頭がエル・トレオン牧場の予定だったが、実際に出てきたのは、2頭だけ。ソルテオ前の獣医検査に4頭が不合格になったからだろう。他4頭はモイセス・フライレ牧場の牛。しかし、観客の中に、「NO AL FRAUDE」と書いた布きれを持っている人がいた。検査に不正があったということなのだろうか。


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