ウセダ・レアルの剣刺し、ファンディのバンデリージャ、セラフィン・マリンのガオネラ。

2004年5月15日マドリード、ラス・ベンタス(第1級)闘牛場の結果。

 久しぶりに晴れたが風があるマドリード、ラス・ベンタス闘牛場。牛、カリキリ牧場。ソブレロ2頭、ラモン・フロレス牧場。闘牛士、ウセダ・レアル、エル・ファンディ、セラフィン・マリン。マドリードの守護聖人、サン・イシドロのの日で観客は満員の入り。ソルのテンディド5アルトにて写真撮影をしながらTさんと一緒に観戦す。

 ウセダ・レアルは、1頭目の牛の時に少し良かった。牛は力が弱くパセが繋がらない。少しパセが繋がると牛は止まってしまった。「オーレ」が折角なっても続かない。丁寧にクルサードを繰り返していたが、牛はばてて動かなかった。剣は少し前だったが良いところに決まった。直ぐに牛が倒れ喝采なった。挨拶。見事な剣刺しだった。4頭目はもっと動かない牛でパセをすると直ぐに膝を着く牛だった。これじゃなおさら何も出来ない。

 エル・ファンディは、2頭目の牛が2回交換になった。2頭目のバンデリージャは、右後ろに下がりながら角の間で打って喝采。次が右に廻りながらトロ・パサードで口笛。右に回りながら角の間で打った。喝采が鳴り挨拶。抗議の手拍子もなった。トロ・パサードがあったからだろう。ファエナは頭の高いやりにくい牛でムレタを角にはらわれていた。5頭目のバンデリージャは、左に廻り角の間で打った後、牛の周りを廻って牛が膝を着いて喝采。次が左後ろに下がりながら角の間で打ち喝采。右手に2本のバンデリージャを持ちビオリンで喝采。牛の前を廻り喝采で挨拶。いつもながら最高の技を披露した。ファエナは、左右の角ともブスカンドしパセの後の返りも早く非常に難しい牛だったので、早い内に剣刺しをした。ピンチャソが2回、凄いバホナッソで剣を抜きも1度ピンチャソの後諦めてデスカベジョを持ったが牛が座った。

 セラフィン・マリンは、3頭目の牛を友人か誰かに捧げた。しかし牛が悪く、パセの後何度も膝を着く牛だった。牛はやがて動かなくなり、クルサードを繰り返して誘ったが無駄だった。6頭目最後の牛で今日1番緊張感があった。この牛の最後のキーテで、牛が体を擦っていくガオネラを繋ぎ、「オーレ」がなった。セビージャで見せたガオネラよりずっと良かった。レマテのラルガが決まると喝采が鳴った。セラフィンは、勇者の様にアレナを歩き喝采を浴びた。

 闘牛場がシーンとなってファエナが始まった。牛は観客に捧げられた。アレナ中央で牛を呼ぶ。来ないので距離が縮まりデレチャソの手に引く長いパセが2回繋がって、「オーレ」がなったが牛が膝を着くとガッカリした観客の溜息のような声が漏れた。ファエナはこんな感じで進み牛が途中で動かなくなった。いくら闘牛士にやる気があっても今日のように牛が悪ければ闘牛にならない。

 今日は牛が悪かった。カリキリは2年連続でダメ牛を出した。2002年のグラン・タルデの再現は今年もならなかった。


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