金の斧 第二話 ある日北村は、水を飲ませるためにロバ゙を泉に連れて行きました。 ところが、少し目を離したスキに、ロバは泉にダイブしてしまったのです。 北村が苦笑いして口笛を吹いていると、泉の中から山田 勇 泉精(センセイ)が現れて言いました。 「お前が落としたのは、このサイクロンジェーンですか、それともボーイフレンドですか、それともこっちのバイオレットカラーですか、ひょっとしてマツノカラー・・・」 センセイが続けようとするのを北村は遮りました。 「一頭しか落としてませんよ。」 それを聞いたセンセイが、 「とりあえず、全部連れて帰りなさい。」 と言い、馬を残して泉に消えてゆこうとしたので、 北村は、 「大事なロバを落としたんですけど。」 と、引き止めました。 するとセンセイは、 「おやおや、ロバもでしたか。」 と、馬もロバも皆そこに残して泉に消えてゆきました。
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