日タイ租税条約

2007年6月1日

更新2007年6月1日

 

目的 

 租税条約においてどのようなタイ語が使われているか確認したかった。原本である英語→タイ語→日本語の順になっておりますので、参考程度に考えてください。なお、訳すにあたり、租税条約の原本である英語の単語(英語の文章は読めないので)及び英語から訳された日本語(内容の突合せに使用。外務省からホームページで公開されている)を参照しました。簡潔な文章で書かれた民商法の難しさとは違って、長ったらしい修飾語で、どこできればよいのかわからない難しさ。両者はタイ語の単語も難しいです。
 タイ語の租税条約は、タイの国税局で作って公開している(責任の所在が明確になる)からだと思うが、タイの税法と関連性を感じる(原本である英語の意味とは細部では離れてしまうかもしれないが、タイ国らしい)。日本は全く感じない。また、関連させやすい用語になっているからか。例えば、
residentは、日本では、租税条約上「居住者」というが、税法上の「居住者」とは違う。タイ語では、タイの税法上使用する「居住地のある者」は、租税条約上の「居住地のある者」と同じになるようにして使っていると思う。
 もし日本の主税局が、主体となっていたら、もっと読みやすいもの(税法の中で出てくる言葉をなるべく使ってもっと理解しやすいもの、日本の税法と繋がりを考えたもの)を作っていると思う。しかし、日本の国民性を考えるとやはり同じか。それでも、タイ国のように、国税に関係することだから日本の主税局が主になって翻訳して公開していくべきであろう(日本においては、条約の一般的な解釈は主税局長、条約の執行は国税庁長官、さらに国税審議官(国際担当)に権限が委譲され、実務は、それぞれ主税局参事官室(旧国際租税課)、長官官房国際業務課相互協議室が行っている。)。  

 

租税条約

 

 所得から徴収する税と関係する部分において、タイ国と日本国との間の二重に税を徴収することを排除及び脱税の防止のための条約は、253347日に互いに署名して、並びに253381日に批准した文書を交換した。

 

 この条約の第26項に従って、このように、強制する効力がある。

1.支払の際控除する税に関係する部分において、253411日以後に支払う又は納付する額について。

2.その他の所得税に関係する部分において、253411日以後に開始する課税年又は会計期間について。

 

 

 

 所得から徴収する税と関係する部分において、タイ国と日本国との間の二重に税を徴収することを排除及び脱税の防止のための条約

 

タイ国政府及び日本国政府

 所得から徴収する税と関係する部分において、二重に税を徴収することを排除及び脱税の防止のため、新たな条約を作成する必要があった。
 このように合意した。

 

第1項
 この条約は、条約を作成する者である一の国家又は二つの国家に居住地のある者に対し、適用するものとする。

 

第2項
1.この条約の主題である税、すなわち、

 a.日本国において

  1. 所得税 及び
  2. 法人税(パーシー・バンサット)

(以下「日本の税」という)

 b.タイ国において

  1. 所得税 及び
  2. 石油からの所得税

(以下「タイの税」という)

2.これを除くほか、この条約において署名した日後に、同じ又は重要内容において似ている税で、第1段落で述べた税から補正して又はに代わって強制されたものに対し、適用するものとする。条約を作成する者である国家の権限のある担当者は、国ごとの税法において加えた重要内容における変更についてわかるようにするため、そのような変更後の適切な期間内にお互い通知するものとする。   

 

第3項
1.この条約の目的のため、ただし、文脈がその他として定めするときを除き、

a.地理学上の意味で使用するとき、「日本国」という言葉は、日本の税と関係する法律が適用される日本国の領海も含めてすべての領域、並び、海底及び土地の表面下の土地も含めてその領海を越えたすべての区域で、日本国に国際間の法律に従って権利のある及び日本の税と関係する法律が適用できるものを意味する。

 

b.「タイ国」という言葉は、タイ王国を意味し、及びタイ王国の領水域と接している区域で、タイの法律及び国際法に従ってタイ王国の権利下にあると合意しているものも含める。

 

c.「条約を作成する者である一の国家」及び「条約を作成する者であるもう一つの国家」という言葉は、文脈の定めにより、日本国又はタイ国を意味する。

 

d.「税」という言葉は、文脈の定めにより、日本の税又はタイの税を意味する。

 

e.「者」という言葉は、文脈の定めにより、個人、会社、及びその他の団体を含める、並びにタイ国の場合において、タイの税法下内で課税単位とみなすまだ分割していない遺産財団及び死亡者を含めるものとする。

 

f.「会社(ボリサット)」という言葉は、法人又は税務上の目的のため法人とみなす組織を意味する。

 

g.「条約を作成する者である一の国家の企業」及び「条約を作成する者であるもう一つの国家の企業」という言葉は、順番に、条約を作成する者である一の国家に居住地のある者により行う企業、及び条約を作成する者であるもう一つの国家に居住地のある者により行う企業を意味する。

 

h.「国民」という言葉は、次を意味する。

  1. 日本国と関係する部分において、日本の国籍のあるすべての個人、並びに日本国の法律下設立され又は組織されたすべての法人、及び日本の税務上の目的に従って、日本国の法律下設立され又は組織された法人とみなす、法人としての状態のないすべての機関。
  2. タイ国と関係する部分において、タイの国籍のあるすべての個人、並びにタイ国において適用される法律に従った、法人、組合、社団、及びそのような資格を受けたその他の組織。

 

i.「国際間の交通」という言葉は、条約を作成する者である一の国家の企業により行う船又は航空機上の運送を意味する。ただし、条約を作成する者であるもう一つの国家内にあるいろいろな場所間のみの船又は航空機の運送の場合を除く。

 

j.「権限のある者である担当者」という言葉は、次を意味する。

  1. 日本国の場合には、大蔵大臣又は委任を受けた代理人
  2. タイ国の場合には、大蔵大臣又は委任を受けた代理人

 

2.条約を作成する者である一の国家によりこの条約を適用することにおいて、条約において定義していない言葉は、この条約が適用される税と関係するその国家の法律に従ってその言葉に有する意味があるものとする。ただし、文脈がその他として定めるときを除く。

 

第4項
1.この条約の目的のため、「条約作成する者である一の国家に居住地がある者」とは、この国家の法律に従って重要な場所である居住地(プーミラムナウ)、居住地、管理場所、本店があることの理由により、又は同様な性質があるその他の基準により、その国家に対し納税義務がある者を意味するが、この言葉は、その一の国家のみにおける源泉からの所得があることのみの理由によって、その国家において納税義務があるどの者も含めない。

 

2.第1段落の規定の理由に従って、条約を作成する者である両方の国家に居住地がある者の場合には、条約を締結した国家の権限のある者である担当者は、その者がこの条約の目的のため条約を作成する者である国家に居住地があるとみなされる、共同合意する方法により決定する。

 

第5項
1.この条約の目的のため、「恒久的事業場
(施設)」とは、企業が、事業(トゥラキット)の全部又はいくらかの部分を行うことに使用する固定した事業(トゥラキット)場を意味する。

 

2.特に「恒久的事業場(施設)」という言葉は、次を含むものとする。

a.管理場所

b.支店

c.事務所

d.工場

e.作業場

f.鉱山、油井もしくはガス田、天然資源を掘出すことにおいて使用するその他の発生地もしくは場所

g.栽培のみ行う場所、又は畑、農園

h.その他の者のため商品を保管保存することにおいて便宜を与えるものを用意する者に関係する部分における商品倉庫

 

3.建物を建設する場所、建設計画、設置計画、もしくは組立計画、又はその行為と関係している検査監督活動は、もしそのような建設する場所、計画、又は活動が3月を超えるならば、恒久的施設である。

  

4.条約を作成する者である一の国家のその企業は、もしその企業が、雇用される者又はその他の従業員を通して助言を与えるサービスも含むサービスの提供をするならば、条約を作成する者であるもう一つの国家に、恒久的事業場(施設)があるとみなす。そのような活動が、いずれかの12月の期間内に6月を超える一つの期間又は合計した多くの期間、行われている(同一計画、又は2つの計画もしくはそれより多く関連する計画について)という条件があることによる。

 

5.たとえこの項の前段落の規定があっても、「恒久的事業場(施設)」という言葉は、次を含めないとみなす。

a.その企業の物もしくは商品を保管保存すること又は展示することにおける目的のためだけの便宜を与えるものに使用すること。

b.その企業の物もしくは商品を保管保存すること又は展示することにおける目的のためだけ、その企業の物もしくは商品の在庫を保管保存すること。

c.その他の企業が状態を変えることにおいて使用する目的のためだけ、その企業の物もしくは商品の在庫を保管保存すること。

d.その企業ののために物もしくは商品の購入における目的のため、又は情報を集めるためだけ、固定した事業場所があること。

e.その企業のため、準備として又は行うことに関連した性質のあるその他の活動を行うことにおける目的のためだけ、固定した事業場所があること。

 

6.たとえ1段落及び2段落の規定があっても、独立した身分のある代理人で7段落の強制下にあるものを除く者が、条約を作成する者であるもう一つの国家の企業の名前で、条約を作成する者である一の国家で行うとき、もしその者が次であるならば、その企業は、条約を作成する者である一の国家において恒久的事業場(施設)があるとみなす。

a.条約を作成する者である一の国家において、通常の範囲としてその企業の名前で契約を作成することにおける権限がある又は使用する。ただし、その者の活動が、5段落において述べている活動のみに制限を受けており、もし固定した事業場所を通して行っても、この固定した事業場所は、この段落の規定に従った恒久的施設としない。

b.そのような権限はないが、その企業のものである物もしくは商品の在庫を条約作成する者である一の国家において、通常の範囲として保管保存し、及び通常その企業の名前で、購入注文に従って行う又は引渡す。又は、

c.そのような権限はないが、その企業のため、又はその企業及びその企業により支配を受けるもしくはその企業に支配する利益があるその他の企業のため、全部もしくはほとんど全部、条約を作成する者である一の国家において、通常範囲として購入注文を取得する。

   

7.条約を作成する者である一の国家の企業は、もし一般的な商いの仲介人・代理人、又は独立した身分のあるその他の代理人が自己の事業の通常方法に従って行っているならば、そのような者を通すことにより、条約を作成する者であるもう一つの国家で事業を行っているので、条約を作成する者であるもう一つの国家に恒久的事業場(施設)があるとみなさない。

 

8.条約を作成する者である一の国家に所在地(ティン・ティ・ユー)のある者である会社が、支配する(クアプ・クム)、又は条約を作成する者であるもう一つの国家に所在地があるもしくはその条約を作成する者であるもう一つの国家で事業を行う者である会社により、支配を受ける(恒久的事業場(施設)を通しているか否かを問わない)という事実関係のみでは、いずれの会社も、もう一つのの会社の恒久的事業場(施設)であるとする原因とならない。

 

第6項

1.条約を作成する者である一の国家に居住地があり、条約を作成する者であるもう一つの国家に設置されている不動産から受ける所得は、その条約を作成する者である国家のもう一つの国家で税を徴収することができるであろう。

 

2.「不動産」という言葉は、その言葉はその資産が設置されている条約を作成する者である国家の法律に従う意味があるものとする。この言葉は、どの場合かは問わず、不動産の付属品、農業及び林業において使用する家畜及び道具、不動産に関係する一般の法律の規定の強制下にある権利、不動産における利息や地代で生活する権利、並びに鉱泉、鉱石場、及びその他の天然資源において仕事をすることにおける報酬として変更できる額もしくは不変の額に従って支払を受ける権利又は仕事を行う権利である資産を含む。一方、外航船又は航空機は、不動産とはみなさない。

 

3.1段落の規定は、直接使用すること、不動産を賃貸する又はその他の形で使用することから受取る所得に対し、適用する。

 

4.1段落及び3段落の規定は、企業の不動産からの所得に対し及び独立した個人的なサービスを行うため使用する不動産からの所得に対しても、適用する。

 

第7項
1.条約を作成する者である一の国家の企業の所得又は利益は、その国家においてのみ税を徴収することができるものとする。ただし、その企業は、条約を作成する者であるもう一つの国家に設置している恒久的施設を通すことにより、条約を作成する者であるもう一つの国家で事業を行うときを除く。もしその企業が、前述の事業を行うならば、その企業の所得又は利益は、もう一つの国家において税とすることができるあろう。しかし、その恒久的事業場
(施設)のものとみなすべき所得又は利益の同額だけから徴収しなければならない。

 

2.3段落の規定の強制下において、条約を作成する者である一の国家の企業が、条約を作成する者であるもう一つの国家に設置している恒久的事業場(施設)を通すことにより、条約を作成する者であるもう一つの国家で事業を行う場合において、もしその恒久的事業場(施設)が、別々に分かれた企業である、及び同様な又は類似する責務において同様な又は類似する事業を行っている、及び自己がその恒久的事業場(施設)である企業と実際独立して繋がっているならば、条約を作成する者である国家ごとに、所得又は利益は、その恒久的事業場(施設)が受取ると推測できるとすべき部分において、その恒久的事業場(施設)のものであるとみなすものとする。

 

3.恒久的事業場(施設)の利益を決定することにおいて、その恒久的事業場(施設)が設置されている条約を作成する者である国家又はその他の場所で生じたかは問わず、経営(ボリハーン)及び一般的な管理(ジャッカーン)における経費を含めて、その恒久的事業場(施設)の事業の目的のため生じた経費を控除するように認める。

 

4.もし条約を作成する者である国家の一の国家における慣習で、企業のいろいろな部分に対し、企業のすべての利益の分配の基本を根拠とすることにより、恒久的施設のものとみなす利益を決定することであるならば、2段落の事項については、そのような利益の分配は慣習に従って行っていることにより、税を納付するため、利益を決定することをからその条約を作成する者である国家の方向を、妨げないものとする。その利益の分配方法は、この項で規定しているいろいろな原則に従った効果のある方法としなければならない。

 

5.所得(income)又は利益(profits)は、恒久的事業場(施設)が企業のため物又は商品を購入するだけの理由により、その恒久的事業場(施設)のものであるとみなさない。

 

6.この項の前の規定の目的のため、恒久的事業場(施設)のものであるとみなすべき利益は、年ごとに同一方法により決定するものとする。ただし、その他の方法を使用することに適切な及び十分なだけの理由があるときを除く。

 

7.所得又は利益が、この条約のその他の項の強制下にある分けた所得項目を含めている場合において、その種のその他の項の規定は、この項の規定により影響を受けないものとする。

 

8.この項の目的のため、「所得又は利益」という言葉は、第12項の3段落で引用している権利費用の支払に関係する資産ではない不動産を除くほか、種類は問わず、使用すること又は資産を使用することにおける権利のための報酬として受取る、支払いを含めない。

 

第8項
1.条約を作成する者である一の国家の企業が、国際間の交通において、航空機の運行を行うことから受取る所得又は利益は、その条約を作成する者である国家においてのみ税を徴収することができるものとする。

 

2.条約を作成する者である一の国家の企業が、国際間の交通において、船の運行を行うことから受取る所得又は利益は、条約を作成する者であるもう一つの国家で、税を徴収することができるであろう。しかし、その条約を作成する者であるもう一つの国家で徴収する税を税の50%と同額に減額する。

 

3.国際間の行為のため、グループに共同加入すること、事業に共同加入すること、又は代理人に共同加入することからの所得又は利益に対し、第1段落及び第2段落の規定を適用する。

 

第9項

1.次の場合において、

a.条約を作成する者である一の国家の企業が、条約を作成する者であるもう一つの国家の企業を経営すること(ガーン・ジャッカーン)、支配すること(ガーン・クアプ・クム)、又は共同資本において、直接又は間接に、共同参加する。又は

 

b.同一の者のグループが、条約を作成する者である一の国家の企業及び条約を作成する者であるもう一つの国家の企業を経営すること、支配すること、又は共同資本において、直接又は間接に、参加する、

 

 並びに場合ごとに、商業及び財務上の関連部門における2つの企業間の条件で、独立した企業間にあるべき条件と異なっているものを、置いている又は強いている。もしその種の条件がないならば、一の企業があるとすべき、その種の条件の原因により生じていない所得又は利益は、その企業の利益として合わせて入れ、及びそれに従って税を徴収することができるであろう。

 

2.第1段落の規定に従って、条約を作成する者である一の国家の企業が、その国家に対し納税しなければならない所得又は利益は、条約を作成する者であるもう一つの国家の企業の所得又は利益総計に含まれている、及びその含まれている所得又は利益総計は、一の国家の企業に対しあるべき所得又は利益である場合において、もし2つの企業間で定めている条件が、独立した企業間にあるべき条件であるならば、条約を作成する者である一の国家は、その種の所得又は利益から徴収する税額を調整して適切にする。そのような調整を規定することにおいて、条約の両国家の権限のある担当者間で協議する及び同意することは、適切に、この条約のその他の規定について考えなければならないことによる。

 

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1.条約を作成する者である一の国家に所在地がある者である会社が、条約を作成する者であるもう一つの国家に所在地がある者に対し支払う利益の配当金は、そのもう一つの国家で税を徴収することができるであろう。

 

2.しかし、そのような利益の配当金は、利益の配当金を支払う会社が所在地のある条約を作成する者である国家で、及びその条約を作成する者である国家の法律に従って、税を徴収することができるであろう。しかし、もし受取人が、利益の配当金からの利益の受取人である所有者である、及び利益の分配に徴収された税がある会計期間の終了前に連続して6月の期間、少なくとも利益の配当金を支払う会社の議決権のある株の25%の所有者である会社であるならば、次を超えない。

a.産業の業務を行う会社より支払う利益の配当金の場合において、利益の配当金額の15%。又は

 

b.その他の場合において、利益の配当金額の20%。

 

 この段落の事項は、その利益の配当金を支払った利益に関係する部分において、会社から徴収することに影響しない。

 

3.

a.この項において使用する「利益の配当金」という言葉は、株又は債務請求権ではないその他の権利からの所得を意味し、それは、分配を行う会社が所在地があるとする条約を作成する者である国家の税法に従って株からの所得と同様な税の徴収を行うことにある会社のその他の権利からの所得も含める。

 

b.第2段落で使用した「産業の業務」という言葉は、次を意味する。

(1)次と関係する業務

 イ.製造、組立、及び加工

 ロ.建設、土木工学、及び造船

 ハ.発電、もしくはガス、もしくは水道、又は

 ニ.農業、林業、漁業、畑・農園を行うこと、及び

(2)業務が設置されている条約を作成する者である国家の権限のある担当者が、この項の目的のため「産業の業務」として公告するであろうその他の業務

 

4.もし利益の配当金からの利益の受取人である所有者が、条約を作成する者である一の国家に居住地がある者であり、そのもう一つの国家に設置した恒久的事業場(施設)を通すことにより、条約を作成する者であるもう一つの国家で、利益の配当金を支払う会社が所在地がある者であるもので、事業を行うならば、第1段落及び第2段落の規定は、適用しない。及びこのような場合において、恒久的事業場(施設)と重要項目において関係するその利益の配当金の支払があった部分における株を保有することは、第7項の規定を適用するものとする。

 

5.条約を作成する者である一の国家に所在地がある会社が、条約を作成する者であるもう一つの国家から利益金又は所得を受取った場合において、その条約を作成する者である国家のもう一つの国家は、会社が支払った利益の配当金から税の徴収を強制しないとしなければならない。ただし、その条約を作成する者であるもう一つの国家に居住地のある者に対しその利益の配当金を支払う限り、又はその支払った利益の配当金と関係する部分の株を保有することが、その条約を作成する者であるもう一つの国家で設置した恒久的事業場(施設)と重要項目において関係する限りを除く。並びにたとえその支払った利益の配当金又はまだ分配していない利益の全部又はいくらかの部分が、その条約を作成する者である国家のもう一つの国家で生じた利益又は所得から成っていても、会社のまだ分配していない利益は、まだ分配していない利益から税を納付しなければならないように規定しない。

 

11

1.条約を作成する者である一の国家で生じた及び条約を作成する者であるもう一つの国家に居住地のある者に対し支払う利息は、その条約を作成する者であるもう一つの国家で税を徴収することができるであろう。

 

2.しかし、そのような利息は、その利息が生じた条約を作成する者である国家で及びその国家の法律に従って、税を徴収することができるであろう。しかし、もしその受取人が利息からの利益の受取人である所有者である、及び条約を作成する者であるもう一つの国家に所在地のある会社であるならば、徴収する税は、次を超えないとしなければならない。

a.その利息が金融機関(危険保険会社を含める)により受取られるならば、利息額の全部の10%

b.その他の場合において、利息額の全部の25%

 

3.たとえ第2段落の規定があっても、条約を作成する者である一の国家で生じた及び条約を作成する者であるもう一つの国家の政府、その国家の地方の行政機関、その条約を作成する者であるもう一つの国家の中央銀行、又は条約を作成する者であるもう一つの国家の政府が全部の所有者である金融機関に対し、支払う利息は、条約を作成する者である一の国家で、税の免除を受ける。

 

4.この項で使用する「利息」という言葉は、保証・抵当があるか否かは問わず、及び債務者の利益の共同権があるか否かは問わず、すべての種類の債務請求権からの所得、並びに特に、結びついたプレミアム及び賞金を含む、政府証券からの所得及び公債もしくは債券からの所得を意味する。並びにそのような証券、公債もしくは債券は、その所得が生ずる条約を作成する者である一の国家の税法に従った貸付からの所得と同一種類の性質のある所得も含める。

 

5.もし利息からの利益の受取人である所有者が、条約を作成する者である一の国家に居住地のある者であり、条約を作成する者であるもう一つの国家で事業を行う、それは、その利息は、その国家に設置されている恒久的事業場(施設)を通すことにより生じた、及び支払う利息と関係する部分における債務請求権が、その恒久的事業場(施設)と重要項目において関係する部分があるならば、第1段落及び第2段落の規定は、適用しない。そのような場合において、第7項の規定を適用する。

 

6.支払者、すなわち、条約を作成する者である一の国家自身、その条約を作成する者である国家の地方の行政機関又は居住地のある者であるとき、利息は、条約を作成する者である一の国家で生じたとみなす。利息を支払う者が条約を作成する者である一の国家に居住地のある者であるか否かは問わない場合においても、条約を作成する者である一の国家に恒久的事業場(施設)があり、それは、利息を支払わなければならない債務を生じさせた、及びその利息は恒久的施設に対する負担として合意したとき、そのような利息は、その恒久的事業場(施設)が設置されている条約を作成する者である国家で生じたとみなす。

 

7.支払者と利息の受取人である所有者との間又はその2人の者とその他の者との間に特別な結びつきの理由により、利息の支払の原因となった債務請求権について考慮するとき、その支払う利息額が、もしそのような結びつきがないならば、支払者と利息の受取人である所有者との間の合意しているべき金額より超える額がある場合において、この項の規定は、後の金額のみ適用する。このような場合において、その支払う金銭のこえる部分は、国家ごとに条約を作成する者である国家の法律に従って、確かに税を徴収することができるものとする。このことは、この条約のその他の規定を考慮することによる。

 

12

1.条約を作成する者である一の国家で生じた及び条約を作成する者であるもう一つの国家に居住地のある者に対し支払う権利費用は、その条約を作成する者であるもう一つの国家で税を徴収することができるであろう。

 

2.しかし、そのような権利費用は、その権利費用が生じた条約を作成する者である国家で及びその条約を作成する者である国家の法律に従って、税を徴収することができるであろう。しかし、もし受取人が、権利費用からの利益の受取人である所有者であるならば、徴収する税は、権利費用の額の全部の15%を超えないとしなければならない。

 

3.この項において使用する「権利費用」という言葉は、映画フィルム及びラジオもしくはテレビ上の放送するためのフィルムもしくはテープ、特許権、商標、デザインもしくは模型、設計図、秘密の方式もしくは工程も含めて、文学・芸術作品もしくは科学作品の著作権を使用することもしくは使用することにおける権利のため、又は産業・商業上もしくは科学上の経験に関係する情報のため、どのような種類かは問わず、対価として受取る支払いを意味する。

 

4.支払者、すなわち、条約を作成する者である一の国家自身、その条約を作成する者である国家の地方の行政機関又は居住地のある者であるとき、権利費用は、条約を作成する者である一の国家で生じたとみなす。その権利費用を支払う者が条約を作成する者である国家の一の国家に居住地のある者であるか否かは問わない場合においても、条約を作成する者である国家の一の国家に恒久的事業場(施設)があり、それは、生じた権利費用を支払わなければならない場合の義務を生じさせた、及びその権利費用は恒久的事業場(施設)に対する負担として合意したとき、そのような権利費用は、その恒久的事業場(施設)が設置されている条約を作成する者である国家で生じたとみなすものとする。

 

5.この項の第1段落、第2段落、及び第4段落の規定は、映画フィルム及びラジオもしくはテレビ上の放送するためのフィルムもしくはテープ、特許権、商標、デザインもしくは模型、設計図、秘密の定理もしくは工程も含めて、文学・芸術作品もしくは科学作品の著作権を販売することから生じた所得に対し、同一の方法において適用する。ただし、第13項の第2段落の規定が、そのような所得から受取った成果に対し適用できるときを除く。

 

6.もし権利費用又は受取った金銭からの利益の受取人である所有者が、条約を作成する者である国家の一の国家に居住地のある者であり、条約を作成する者であるのもう一つの国家で事業を行う、それは、その権利費用又は受取った金銭は、そのもう一つの国家に設置されている恒久的事業場(施設)を通すことにより生じた、及びその支払った権利費用又は受取った金銭と関係する部分の権利又は資産に、恒久的事業場(施設)と重要項目において関係する部分があるならば、第1段落、又は第2段落、及び第5段落の規定は、適用しない。そのような場合において、第7項の規定を適用する。

 

7.支払人と利益の受取人である所有者との間、又はその2人の者とその他の者との間に特別な結びつきの理由により、支払ったことの理由である権利又は情報を使用することを考慮するとき、その互いに支払った権利費用又は受取った金銭の額が、もしそのような結びつきがないならば、支払人及び利益の受取人である所有者との間の合意しているべき金額より超える額がある場合において、この項の規定は、後の額の金銭にのみ適用する。このような場合において、その支払う金銭の超える部分は、条約を作成する者である国家ごとの法律に従って、確かに税を徴収することができるものとする。このことは、この条約のその他の規定も考慮することによる。

 

13

1.条約を作成する者である一の国家に居住地のある者が、第6項に明示している及び条約を作成する者であるもう一つの国家に設置しているところに従った不動産を売却することから受取った利益は、その条約を作成する者であるもう一つの国家で税を徴収することができるであろう。

 

2.不動産を除く資産で、条約を作成する者である一の国家の企業が条約を作成する者である国家のもう一つの国家にある恒久的事業場(施設)の事業資産の一部であるものを売却することからの利益は、その条約を作成する者であるもう一つの国家で税を徴収することができるであろう。(単独で又は全部の企業と合わせることにより)そのような恒久的事業場(施設)を売却することからの利益も含む。

 

3.条約を作成する者である一の国家に居住地のある者が、国際間の交通において交通を行う船又は航空機及びそのような船又は航空機と関係して交通を行うことと関係する不動産を除くほかの資産を売却することから受取った利益は、、条約を作成する者であるその国家でのみ、税を徴収することができる。

 

4.条約を作成する者である国家の一の国家に居住地のある者が、この項の第1段落から第3段落まで及び第12項の第5段落に明示している資産を除く資産の売却から受取った並びに条約を作成する者であるもう一つの国家で生じた利益は、その条約を作成する者であるもう一つの国家で税を徴収することができるであろう。

 

14

1.第15項から第19項までの規定下において、年金又は類似する報酬を除き、条約を作成する者である一の国家に居住地のある者が、条約を作成する者であるもう一つの国家で個人的なサービス(専門のサービスを含める)の提供をすることと関係する部分において受取った報酬又は所得は、その条約を作成する者であるもう一つの国家で税を徴収することができるであろう。しかし、そのような報酬又は所得は、もし次であるならば、条約を作成する者であるもう一つの国家で税の免除を受ける。

a.関係する暦年において一の期間又は合計した多くの期間が180日を超えない期間、条約を作成する者であるもう一つの国家にいる。

b.条約を作成する者である一の国家に居住地のある者である者により又はの名前で、その報酬又は所得が支払われる。及び

c.その報酬又は所得は、その条約を作成する者であるもう一つの国家で、納税しなければならない企業に対する負担とならない。

 

2.たとえ第1段落の規定があっても、条約を作成する者である一の国家に居住地のある者による、国際間の交通において交通を行う船又は航空機上で生じる仕事を雇うことに関係する部分における報酬又は所得は、その条約を作成する者である国家の一の国家で税を徴収することができるであろう。

 

15

 条約を作成する者である一の国家に居住地のある者が、条約を作成する者であるもう一つの国家に所在地のある会社の役員会の役員としての資格で受取った役員報酬及び類似するその他の支払は、その条約を作成する者であるもう一つの国家で税を徴収することができるであろう。

 

16
1.条約を作成する者である一の国家に居住地のある個人が、条約を作成する者であるもう一つの国家で行う自己の個人的な活動から芸人、演劇・映画・ラジオもしくはテレビの上演者、及び音楽家の資格で、又はスポーツ選手の資格で受取った所得は、その条約を作成する者であるもう一つの国家で税を徴収することができるであろう。しかし、もしそのような活動が、両方の条約を作成する者である国家の政府間の合意している文化交流のための特別な催しにおいて、条約を作成する者である一の国家に居住地のある個人により行われたならば、そのような所得は、その条約を作成する者であるもう一つの国家で税の免除を受ける。

 

2.その自己の能力に従った上演者又はスポーツ選手により、条約を作成する者である一の国家で行った個人的な活動に関係する部分の所得は、上演者又はスポーツ選手自身から生じていないが、条約を作成する者であるもう一つの国家に居住地のある者であるその他の者から生じている場合において、その所得は、第7項の規定を考慮しないことにより、条約を作成する者である一の国家で、税を徴収することができるであろう。しかし、もしそのような活動が、両方の条約を作成する者である国家の政府間の合意している文化交流のための特別な催しにおいて、条約を作成する者である一の国家に居住地のある個人により行われたならば、そのような所得は、その条約を作成する者である一の国家で税の免除を受ける。

 

17

a.政府の仕事としての性質のある職務を行うことにおける条約を作成する者である一の国家又はその国家の地方の行政機関において提供するサービスに関係する部分において、個人に対し、その条約を作成する者である国家又はその国家の地方の行政機関により支払う年金を除く報酬は、その条約を作成する者である国家でのみ税を徴収することができる。

b.しかし、もしそのサービスが条約を作成する者である一の国家において提供された、及びその個人が次の者である条約を作成する者であるもう一つの国家に居住地のある者であるならば、そのような報酬は、条約を作成する者であるもう一つの国家でのみ税を徴収することができる。

(1)その条約を作成する者であるもう一つの国家の国籍の者である。又は

(2)そのサービスの提供目的のためだけ、その条約を作成する者であるもう一つの国家に居住地のある者ではない。

 

2.

a.その条約を作成する者である一の国家又はその国家の地方の行政機関に対し提供したサービスに関係する部分において、個人に対し、その条約を作成する者である国家又はその国家の地方の行政機関により、支払う又は設立された基金から支払う年金は、その条約を作成する者である国家でのみ税を徴収することができる。

b.しかし、もしその個人が、その条約を作成する者であるもう一つの国家に、居住地のある者であり及び国籍のある者であるならば、そのような年金は、条約を作成する者であるもう一つの国家でのみ税を徴収する。

 

3.この項の規定は、一の国家又はその国家の地方の行政機関により業務を行う事業に関係する部分において提供されるサービスに関係するする部分における報酬又は年金に対し、適用しない。

 

18

1.条約を作成する者であるもう一つの国家に入国して滞在し始めた時期に、条約を作成する者である一の国家に居住地のある者である、並びに条約を作成する者であるもう一つの国家の政府の招へい状に従って、又は大学、専門学校、学校、もしくはその他の教育機関の招へい状で、その条約を作成する者であるもう一つの国家の前述の教育機関で教えるもしくは研究を行う目的のためその条約を作成する者であるもう一つの国家で証明したものであるものに従って、2年を超えない期間のみ、条約を作成する者であるもう一つの国家に入国して滞在する個人は、その教えること又は研究を行うことにおける報酬と関係するする部分において、その条約を作成する者であるもう一つの国家の税の免除を受ける。

 

2.もし教えること又は調査研究が、特定の1人又は多くの人の個人的な利益のため起因していることにより行われたならば、第1段落の規定は、前述の教えること又は調査研究からの所得に対し適用しない。

 

19

 条約を作成する者である一の国家を訪問するすぐ前に、条約を作成する者であるもう一つの国家に居住地のある者である個人、及び次の目的のためだけ、その条約を作成する者である一の国家を訪問すること

a.大学又は認められたその他の教育機関で、入国して勉学する、又は

b.職業又は商い部門の仕事を行うことができるように、入国して訓練を受ける、又は

c.政府、宗教、慈善、科学、文学、又は教育機関から資金、助成金、又は賞金を受取る者であることにより、入国して勉学する又は研究開発を行う

 

 条約を作成する者である一の国家で、次から徴収する税の免除を受ける。

(1)その者自身の生計を維持すること、勉学、学習、研究開発、又は訓練における目的のため外国から送金される金銭

(2)資金、助成金、又は賞金、並びに

(3)もし次の所得が、その者の生計を維持すること及び勉学に対し必要性のあるものであるならば、5年を超えない期間について、その条約を作成する者である一の国家で行う個人的なサービスからの所得

 

20
1.この条約の前各項と関係していないことにより、条約を作成する者である一の国家に居住地のある者の所得項目が生じた場合において、その条約を作成する者である国家でのみ税を徴収することができる。

 

2.もしそのような所得の受取人が、条約を作成する者である一の国家に居住地のある者であり、条約を作成する者であるもう一つの国家に設置されている恒久的事業場(施設)を通すことにより、その国家で事業を行う、及びその支払う所得と関係する部分における権利又は資産は、その恒久的事業場(施設)と関係するならば、第1段落の規定は、第6項の第2段落において定義した不動産からの所得を除く所得に対し適用しない。並びにそのような場合においては、第7項の規定を適用する。

 

3.たとえ第1段落及び第2段落の規定があっても、条約を作成する者である一の国家に居住地のある者の所得項目で、この条約の前各項と関係していない及び条約を作成する者であるもう一つの国家で生じたものは、条約を作成する者であるもう一つの国家で税を徴収することができるであろう。

 

21

1.タイ国を除くその他の国で支払うべき税をタイの税に対する税額控除額とみなすように認めることに関係する部分におけるタイ国の法律の強制下において、タイ国に居住地のある者が、日本国からの所得でこの条約の規定に従って日本国において税を徴収することができるであろうものを受取った場合において、その所得と関係する部分において支払うべき日本の税額は、タイ国に居住地のある者から徴収を強制するタイの税に対する税額控除額とみなすように認める。しかし、その税額控除額は、その所得と適合するタイの税の部分を超えないとしなければならない。

 

2.日本国を除くその他の国で支払うべき税の日本の税に対する税額控除額とみなすように認めることに関係する部分における日本国の法律の強制下において、

a.日本国に居住地のある者が、この条約の規定に従って、タイ国で税を徴収することができるであろうタイ国からの所得を受取った場合において、その所得と関係する部分において支払うべきタイの税額は、日本国に居住地のある者から徴収を強制する日本の税に対する税額控除額とみなすように認める。しかし、その税額控除額は、その所得と適合する日本の税の部分を超えないとしなければならない

b.タイ国から受ける所得が、日本国に所在地のある及び利益の配当金を支払う会社の議決権のある株又は会社により発行された全部の株の25%より少なくない所有者である会社に対し、タイ国に所在地のある会社により、支払う利益の配当金である場合において、その税額控除をすることは、その利益の配当金を支払う所得と関係する部分において、利益の配当金を支払う会社自身により支払うべきタイの税について考慮しなければならない。

 

3.第4段落の規定の強制下において、最初の第2段落aで明示している税額控除をすることの目的のため、「支払うべきタイの税」という言葉は、もしそのタイの税が、第10項の第2段落又は第12項の第2段落及び第5段落の規定に従って軽減を受けていないならば、支払っているべきタイの税額を含めるとみなすものとする。

 

4.

a.最初の第2段落で明示している税額控除をすることの目的のため、「支払うべきタイの税」という言葉は、もしそのタイの税が、次に従って軽減又は免除を受けていないならば、タイ国の法律下において支払っているべきタイの税額を含めるとみなすものとする。

 (1)この条約に署名をした日に適用する効力のある2520(1977)の投資促進の勅命の31条、33条、34条、35(2)35(3)35(4)、もしくは36(4)の規定、又は

 

 (2)もし下記の変更した規定に従って又は措置(マートラガーン)に従って、納税者の利益権の範囲と関係する部分において2つの政府間で合意があったならば、この条約に署名をした日後に変更した最初の(1)の中で明示した規定、又は最初の(1)にある措置からの変更又は補足おいてタイの税法の将来に使用するであろうタイ国で経済開発促進を意図するその他の特別な誘致措置。

 

b.2520(1977)の投資促進の勅命の35(3)又は36(4)と関係する題目において、最初の付帯段落a(1)の規定は、いずれがより遅いかにより、前述の措置の規定に従って最初に認めたタイの税の免除もしくは軽減から数えて、又はこの条約が適用される効力があってから数えて、13年目の課税年後生じた項目ごとの所得と関係する部分において適用しない。

 

5.最初の第3段落及び第4段落の目的のため、受取った利益の配当金、権利費用、又は収入で、第10項の第2段落又は第12項の第2段落もしくは第5段落の規定が適用できるものは、しかし、最初の第2段落a及び第3段落又は第4段落aの規定に従って認める日本の税に対し税額控除をする場合には、受取った利益の配当金、権利費用、又は収入の額の全部の25%を超えない。

 

22

1.条約を作成した者である一の国家の国籍の者は、条約を作成する者であるもう一つの国家で、税を納付する又は項に従って行うことと関係してその項に従って行うことによって、その条約を作成する者であるもう一つの国家の国籍の者が、同一状況の中で納付するようにもしくは行うように強制を受けた又は受けるであろうことに関係する納税及び規定項から例外となる又はより重い負担となるように、強制されない。

 

2.条約を作成した者である一の国家の企業が、条約を作成する者であるもう一つの国家に有している恒久的事業場(施設)から徴収する税は、同様な活動を行うその条約を作成する者であるもう一つの国家の企業から徴収する税より少ない支援により、条約を作成する者であるもう一つの国家で徴収しない。この規定は、国民としての身分がある又は家族の責任を負う負担があることで、その条約を作成した者である一の国家が自己の国家に居住地がある者に対し認めることを理由として、税の徴収における目的のため、個人的な軽減費用、条件の緩和、及び控除を、条約を作成する者であるもう一つの国家に居住地がある者に対し認めることにおいて、条約を作成した者である一の国家の義務を生じさせることとして解釈しない。

 

3.第9項、第11項の第7段落、又は第12項の第7段落の規定が適用される場合を除き、企業が税を納付すべき利益を決定する目的のため、条約を作成する者であるもう一つの国家に居住地のある者に対し、その条約を作成した者である一の国家の企業が支払う利息、権利費用、及びその他の経費は、条約を作成する者である一の国家に居住地がある者に対し、支払われたその種の所得と類似する同様な条件下において控除できるものとする。

 

4.条約を作成した者である一の国家の企業で、条約を作成する者であるもう一つの国家に居住地のある1人もしくは多くの者が、直接間接を問わず、全部もしくはいくらかの部分の資本の所有者である、又は全部もしくはいくらかの部分を支配するものは、税を納付する又は規定した項に従って行うことと関係してその項に従って行うことによって、条約を作成する者である一の国家の類似する企業が、納付するようにもしくは行うように強制を受けたもしくは受けるであろうことに関係する納税及び規定した項から例外となる又はより重い負担となるように、条約を作成する者である一の国家において強制されない。

 

5.この項において「税」という言葉は、この条約の主題である税を意味する。

 

23

1.居住地のある者が、一又は両方の条約を作成する者である国家の行為に、この条約の規定に従って行っていないことにより、自己が税を納付しなければならないようにする結果があった又は結果があると審議して考える場合において、その者は、前述の条約を作成する者である国家の国内法により規定している修正方法を考慮しないことにより、自己が居住地のある条約を作成する者である国家の権限のある者である担当者に対し、自己の事情を提出できるであろう。前述の申請書は、納税がこの条約の規定に従って行っていないようにする結果のある行為について、最初に通知を受けたところから数えて3年以内に提出しなければならない。

 

2.もしその抗議項目が、適切な理由があるということが権限のある者である担当者に対し明らかであるならば、及びもし自己が、自分で満足すべき解決方法を求めることができないならば、権限のある者である担当者は、この条約に従って行っていない税の徴収を排除するため、条約を作成する者であるもう一つの国家の権限のある者である担当者と共同の合意により、その場合を解決することを試みなければならない。

 

3.条約を作成する者である国家の権限のある者である担当者は、共同の合意により、条約の項目の解釈又は適用と関係して生じた複雑な項目又は疑問項目を解決するように試みる。前述の担当者は、この条約に規定していない場合において、二重に税を徴収することを排除するため、協議するであろう。

 

4.条約を作成する者である国家の権限のある者である担当者は、この項の前各段落の定義に従って合意があるように、目的のため直接互いに連絡をするであろう。

 

24

1.両方の条約を作成する者である国家の権限のある者である担当者は、欺くことを防ぐこと、又は規定している規定でその種の税と関係する部分において税を回避することに対し否認するものの管理のため、通常の行政の経路の中で、関係する税法下において求めることができる範囲内で、そのような情報項目を交換するであろう。それは、この条約の規定に従って行うことに対し必要性のあるものである。課税すること及び税を徴収することと関係する部分におけるその課税すること及び税を徴収すること又は異議申立て対する判定をすることと関係する裁判所も含めて、権限のある者である担当者を除き、その交換した情報項目は、秘密として保持し及びどの者に対しても公開しない。

 

2.いずれの場合かは問わず、第1段落の規定は、条約を作成する者である一の国家に対する強制的な義務項目の設定であると解釈されない。

a.その条約を作成する者である国家又は条約を作成する者であるもう一つ国家の法律又は行政上の行為方法と矛盾することにより、行政上の措置を行うものとする。

b.その条約を作成する者である国家又は条約を作成する者であるもう一つ国家の法律に従って又は通常の行政の経路に従って、調達できないであろう情報項目を与える。

c.商売、事業、産業、商業上の秘密、もしくは専門上の秘密、もしくは商売の過程を公開する情報項目、又はその公開は平和もしくは道徳に対し矛盾することである情報項目を与える。

 

25

 この条約におけるいかなる意味も、国際法の一般原則に従って又は特別な合意規定の全部に従って、外交又は領事上の担当者の国税上の特権に対し影響を与える効力があることはない。

 

26

1.この条約は、批准するように受け、及び行うことができる限りもっとも早く、バンコクで批准した文書の交換を行う。

 

2.この条約は、批准した文書の交換があった後、30日目に適用を開始し及び適用する効力がある。

a.日本国において、

 この条約が適用を開始される年の翌暦年の1月の最初の日以後に開始する課税年についての所得の部分において、及び

b.タイ国において、

  1. この条約が適用を開始される年の翌暦年の1月の最初の日以後に、居住地のない者に対し支払う又は送付する額から支払の際控除する税と関係する部分において。
  2. この条約が適用を開始される年の翌暦年の1月の最初の日以後に開始する課税年又は会計期間について、その他の所得から徴収する税と関係する部分において。

 

3.250631日にバンコクで署名された所得から徴収する税に関係する部分において、二重に税を徴収することを排除すること及び国税の回避を防止することのための日本国とタイ国との条約は、終了し及びこの条約が2段落の規定内で適用される所得と関係する部分において強制する効力があることを終了する。

 

27

 この条約は、制限項目がないことにより、今後強制する効力がある。しかし、いずれの条約を作成する者である一の国家も、この条約が適用を開始された日から5年の期間を過ぎた後に開始する暦年の6月30日以前に外交上の経路を通すことにより、条約を作成する者であるもう一つの国家に対し、書面で終了の通知書を与えるであろう。そのような場合において、この条約は、強制する効力があることを終了する。

a.日本国において

 終了の通知書を与えた年の翌暦年の1月の最初の日以後に開始する課税年についての所得の部分において、及び

b.タイ国において、

  1. 終了の通知書を与えた年の翌暦年の1月の最初の日以後に、居住地のない者に対し支払った又は送付した額から支払の際控除する税と関係する部分において。
  2. 終了の通知書を与えた年の翌暦年の1月の最初の日以後に開始する課税年又は会計期間について、その他の所得から徴収する税と関係する部分において。

 

 この行為に対する証拠とするため、この最後に署名する者が、2つの政府の権限によって、この行為のため正しく権限の委任を受けた。

 仏暦253347日に、東京で、英語で2通の一対のものを作成した。

 

タイ国政府側 ポンアーカートエーク・シッティ・サウェートシラー 外務大臣

日本国政府側 タロウ・ナカヤマ 外務大臣

 

外交議定書

 所得から徴収する税と関係する部分おいて、二重に税を徴収することを排除すること及び国税の脱税を防ぐことのため、タイ国と日本国との間の条約(今後「条約」という)の署名において、この最後に署名する者は、この条約の一部分であるこの次のような規定に従って合意した。

1.この条約の第5項の第7段落に従って「一般の代理人・仲介人、又は独立した身分のあるその他の代理人」という言葉は、前述の第6段落の付帯段落ab又はcで規定しているところに従った者で、条約を作成する者であるもう一つの国家の企業のためもしくは名前で、又はそのような企業及びそのような企業における利益を支配することによりもしくは支配することがある支配を受けるその他の企業のためもしくは名前で、条約を作成する者である一の国家でのそのような活動の全部又はほぼ全部と関係するものを含まないということを理解するところである。

 

2.この条約の第7項の第3段落に従って、次の形で、企業の本店又はその企業のその他の事務所に対し、一の企業の恒久的事業場(施設)により支払った又は徴収された額と関係する部分において、控除があるように認めない(実際の経費の払戻しを除く)。

a.特許権又はその他の権利の使用についての対価において、権利費用、手数料、又は類似するその他の支払

b.行った特定のサービス行為について又は管理のための仲介人費用

c.恒久的施設に対する借入金からの利息。ただし、その企業が銀行業務機関である場合を除く。

 

3.この条約の第7項の第2段落、第3段落、及び第4段落に従って、タイ国の恒久的事業場(施設)の実際の純利益からタイ国で税を納付する基準を引用していない者である日本国に居住地のある者の場合において、すでに述べている項にある基準に従った結果があるという条件があることにより、恒久的事業場(施設)の収入総計全部の適切で確実な百分率の基礎から恒久的事業場(施設)のものとみなすべき利益を決定することにおいて、すでに述べている段落のどの場合にもタイ国の道を妨げることはない。

 

4.この条約の第10項の第3段落bに従って、「産業の業務」という言葉は、すべての産業上の投資促進事案で、タイ国の法律に従って権利を受ける業務を意味する。

 

5.この条約において、タイ国が2481(1938)の国税法70条の2に従った恒久的施設により、タイ国から利益金の処分をすることから税の徴収を強制させないように道を妨げることとして解釈するいずれの場合もない。

 

6.この条約の第10項に従って、条約を作成する者であるもう一つの国家の企業により、前述の項の第1段落で述べた活動の規定から条約を作成する者である一の国家で受取った所得は、前述の項の第2段落により規定しているところに従った同一の方法で、条約を作成する者である一の国家で、税を徴収することができるであろうということを理解するところである。

 

7.この条約の第21項の第4段落aに従って、この条約の署名をした日後に修正して変更した前述の段落の付帯段落(1)で明示しているどの条も、前述の付帯段落の規定の規定下にあり、及び前述の付帯段落(2)は、前述の修正して変更することが、この条約に署名をした日に強制する効力がある前述の条に従った利益権の範囲場所の大きさのみ行い、修正して変更されていない程度に限り、そのような修正して変更した条に対し適用しないということを理解するところである。

 

8.たとえこの条約の第26項の第2段落の規定があっても、第21項の第4段落a(1)の規定は、253111日以後に終了する課税年についての所得と関係する部分において適用する。
 この行為に対する証拠とするため、この最後に署名する者が、2つの政府の権限によって、この行為のため正しく権限の委任を受けた。

 仏暦253347日に、東京で、英語で2通の一対のものを作成した。

 

タイ国政府側 ポンアーカートエーク・シッティ・サウェートシラー 外務大臣

日本国政府側 タロウ・ナカヤマ 外務大臣

 

コメント

表題

 二重に税を徴収することを排除(ウエン、avoidance)及び脱税(リアング・ガーン・ラッサダーコーンfiscal evasion)の防止。タイ語の「ウエン」には、「回避」という意味よりも「排除」という意味であると思う。また、「排除」という言葉は、日本でも見かけるので、「排除」とした。(24項第1段落 「リアングパーシーtax avoidance」は、「租税回避」ですね)

 

第1項
 「居住地(ティン・ティ・ユー)のある者」は、日本では通常「居住者」と訳されている。また、「居住地」は、個人は「居住地」、法人等は「所在地」として読み替える必要がある。

 

第2項
 日本の法人税は、「パーシー・バンサット(法人税)」という。バンサットについては、法律上は「有限責任会社と同様な資格のある法人で法律により特別に設立されたもの」という意味がある。「ニティブックコン(法人)」があるのに、バンサットを使うのは、外国の法律により設立された会社であるからか。

タイタイ辞典でバンサットの中で「コーポレーション(法人)」が出ていたので、原文と合っている。ただし、法律用語として上記のような意味がある。タイの法令の中で出てくる場合には、「コーポレーション(法人)」ではなく、法律用語としての意味があると思う。(2008/5/20)

 タイ国の「所得税」は、個人所得税と法人所得税を含む。

 

10項第2段落

 「フン」は、「株」と訳していますが、「出資持分」も含む。

 「Beneficial owner」については、日本では「受益者」(形式的な所得の受領者ではなく、所得が実質的に帰属する者)と訳される。しかし、わかりにくい。タイでは「ジャオ・コング・プー・ラップ・プラヨート(利益の受取人である所有者)例えば、ジャーク・ドークビア(利息からの)がくっ付く」と訳される。両方とも難しいが。

 

租税条約の和訳では、「条、項」で訳されるが、タイ語の「コー、ワク」は、国税法との対応関係から、それぞれ「項、段落」と訳している

 

「恒久的施設」は、「恒久的事業場(施設)」と直しました(2008/5/20) 

 

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