判 例(付加価値税)2
2002年6月15日
更新2002年7月27日
[6]付加価値税の加算税の猶予
(最高裁の判決2518/仏暦2540西暦1997原告は法人、被告は国税局) 原告が、2535年の1月及び2月の付加価値税の還付請求をするための仕入税額票は、一部分については、原告の事務所として使う原告の建物の建設のための仕入税額票である。建物の賃貸事業は、付加価値税の免除を受けることを理由として、残りの部分は、仕入税額の還付請求のできない事務所として賃貸する。原告の事務所として使う部分は、仕入税額の還付請求ができるが、付加価値税に関する国税局長の第29号の公告により、仕入税額を均等化しなければならない。この第29号は、2535年3月9日に記され、国税法82/6に従って均等化する基準、方法、条件を規定している。すなわち、被告がわかるように事務所として使う床面積を知らせる。しかし、原告は被告に知らせていない。従って、原告は、前述の仕入税額票に係る仕入税額の還付を受ける権利はない。原告が提出した付加価値税の申告書は、多すぎる仕入税額を示している。課税係官は、国税法の89(4)に従って、原告から加算税を課税して徴収する権限がある。しかし、原告が還付請求した仕入税額は、付加価値税の施行を公告した最初の月及び2月目の仕入税額であること、前述の国税局長の公告に従った仕入税額の均等化の基準は、2535年3月9日の公告によっていること、及び原告が仕入税額の還付請求をし還付を受けた後、原告が前述の税の還付を請求する権利がないと異議申立てを受けたとき、嫌がらず、争わないで、原告は還付を受けた部分の税を返却したことを理由として、原告から徴収する付加価値税の加算税の全部を猶予することが適切である。
裁判所は、加算税の猶予又は、減額する権限がある。なぜなら、国税法30(2)の規定によって原告は控訴審議委員会の判決に控訴するため、裁判所に訴える権利がある。裁判所は、当然、原告に加算税を支払わせる控訴審議委員会の判決が、適切でなく法に適合していないという審議において権限がある。もし原告が裁判所に訴える権利があると意味しているならば、適切でなく法に適合していないという控訴審議委員会の判決を裁判所が審議判定に使うことを禁ずる。原告の裁判への訴えは、当然原告にどんな利益も生じさせない。
解説
(1)国税局長が規定した基準及び条件に従って、適切な理由がある場合を除き、仕入税額を支払ったという税額票がない又は見せることができない場合
(2)国税局長が規定した基準及び条件に従って、税額票に正しくない項目がある又は重要な内容である部分において完全でない場合
(3)国税局長が規定した基準及び条件に従って、付加価値税の登録を行った者の事業と直接関係のない仕入税額
(4)国税局長が規定した基準及び条件に従って、接待のため又は接待と同一の種類の性質を行うための支出から生じた仕入税額
(5)10節に従って、税額票を発行する権利のない者により発行された税額票による仕入税額
(6)大臣の承認による国税局長の規定に従った仕入税額
仕入税額は、国税局長が基準及び条件を規定する権限を与えた(1)(2)(3)及び(4)の場合において、禁止されなければならない。国税局長は、付加価値税に関する国税局長の公告(第17号。題名は、国税法82/5(1)(2)(3)及び(4)に従って税を計算するとき、控除させない仕入税額に関する基準及び条件の規定)で基準及び条件を規定した。一方、仕入税額は、(6)の場合において、禁止されなければならない。国税局長は、付加価値税に関する国税局長の公告(第42号。題名は、国税法82/5(6)に従って税を計算するとき、控除させない仕入税額に関する基準及び条件の規定)で基準及び条件を規定した。第2項(8)により、国税法82/6の意味するところに従った権限により発せられた国税局長の公告に従った基準、方法及び条件に従って計算した、均等化した部分の仕入税額は、付加価値税を納付する必要がない事業のものであり、税を計算するとき控除させないとしなければならない仕入税額であると規定した。そのように、第2項(8)に従って禁止されなければならない仕入税額は、どのように意味しているのであろうか。82/6を研究し、この条の意味するところに従って国税局長の公告を行わなければならない。
82/6は、「登録を行った者が付加価値税を納付しなければならない及び付加価値税を納付する必要がない両方の事業を行い、登録を行った者が自己の事業を行うとき得た又は受けた商品又はサービスを2つの種類の事業に使った又は使う場合において、登録を行った者に国税局長の規定した基準、方法及び条件に従って、82/3により付加価値税を計算するとき、売上税から控除する仕入税を均等化させる。」ことを規定している。この規定に従って、次のことを意味している。もし登録を行った者が付加価値税を納付しなければならない及び付加価値税を納付する必要がない両方の事業を行い、その登録を行った者が得た又は受けた商品又はサービスを2つの種類の事業に使った又は使うならば、その登録を行った者は、商品又はサービスの仕入税額の全部を売上税から控除して計算することはできない。国税局長の規定した基準、方法及び条件に従って、仕入税額を均等化しなければならない(付加価値税に関する国税局長の公告第29号。題名は、国税法82/6に従って、仕入税額を均等化する基準、方法及び条件の規定)。付加価値税を納付しなければならない事業のものとして、均等化した部分の仕入税額だけを売上税額から控除計算する。付加価値税を納付する必要がない事業のものとして、均等化した部分の仕入税額は、82/6(6)及び付加価値税に関する国税局長の公告第42号第2項(8)に従って、付加価値税を計算するとき、禁止しなければならない仕入税額である。
この裁判の原告は、、商品を輸出する事業を行っている。一部分は原告の事務所、もう一部分は他の者への賃貸として使うため、建物の建設をする他の者に請負わせた。商品を輸出する事業は、付加価値税を納付しなければならない事業(0%の率)であり、一方、不動産を賃貸する事業は、81(1)(3)に従って、付加価値税の免除を受ける事業であるとき、前述の建物は、付加価値税を納付しなければならない及び付加価値税を納付する必要がない両方の事業に使う建物である。前述の建物の建設を請負わせることから生じる仕入税額は、全部売上税から控除して計算することはできない。課税係官は、付加価値税に関する国税局長の公告(第29号)に規定した基準、方法及び条件に従って、仕入税額を均等化しなければならないと考え、もしこの公告に規定した基準、方法及び条件に従って、仕入税額を均等化しないならば、その仕入税額は、全部売上税から控除できない。原告は、計算において全部控除し、申告書を提出した。原告の申告書は、多すぎる仕入税額を示している。課税係官は、89(4)に従って、多すぎる仕入税額の一倍の加算税を支払うように課税した。控訴審議委員会は、法律の加算税の40%だけを徴収するように減額した。
筆者は、次のように考えている。たとえ公告の中で2535年1月1日以後も強制して使うことを明示していても、付加価値税に関する国税局長の公告(2535年3月9日の第29号)は、2535年1月1日から遡って使うべきではない。なぜなら、納税者に恩恵のない方向で遡ることであるからである。すなわち、2535年1月1日から強制するため、前述の公告に従って、登録を行った者は、規定した基準、方法及び条件に従って行わなければならなく、仕入税額の均等化を請求することができる。前述の公告を発する前に、規定した基準、方法及び条件に従って行う機会のない登録を行った者に、遡って使わせることである。それは、恩恵のない方向で遡ることである。もう1点、前述の公告のない前に、登録を行った者に、当然、規定した基準、方法及び条件がどのようであるかをわからせることはできなかった。前述の公告を発する前に、登録を行った者は、規定した基準、方法及び条件に従って行うことは不可能であった。それゆえ、たとえこの裁判の原告が、前述の公告で規定した基準、方法及び条件に従って行うことにより、仕入税額を均等化しなかったとしても、前述の仕入税額は、付加価値税の計算において、売上税から控除させないとしなければならない仕入税額とみなさないとすべきである。原告は、2535年1月及び2月の付加価値税の申告書において、多すぎる仕入税額を示していない。課税係官は、89(4)に従って、原告に加算税を支払うように課税する権限はないとすべきである。筆者は、法律が行政にどのような事案においても基準、方法又は条件を規定する公告を発する権限を与えるとき、行政は急いで実行すべきことを提案し望む。前述の公告を発するように、遅れて行い、遡る方法を使うべきではない。なぜなら、国民が実行しなければならないことがどのようであるか知らないことにおいて、国民に実行させることであるからである。
コメント
[7]不動産事業の税の計画
(最高裁の判決5598/仏暦2536西暦1993原告は個人、被告は国税局)原告は、16ライ余りの面積の土地を購入し小さい区画に分割し、売買で他の者に販売した。土地だけ販売し、建物については、購入者は自分で建設者となるという法律行為を登録した。土地の購入販売契約において、原告は販売者として署名し、原告が取締役マネージャーであるa会社の名前を押印した。土地の売買契約と同じように、建物の建設を請負を受ける者として署名し、A会社の名前を押印することにより、同日に建物の建設を請負う契約をした。。どの土地及び建物の購入者も、課税係官に対し、原告から土地及び建物を購入したということを同様に供述したこと、審問の段階において、原告は、課税係官に対し、土地を購入した者が、購入した土地において、原告が建物を建設することを雇ったということを供述したこと、A会社は、建物の建設の請負を受けることからの収入に関する税を支払ったことがないこと、という事実関係が明らかになったとき、原告の収入は、土地の販売だけからの収入だけでない。建物の建設の請負からの収入も含める。原告は、前述の収入のため、事業税を支払わなければならない。
解説
1.1契約、1会社の場合
a会社自身が家屋の建設をすることより、a会社は2百万バーツの価格で、顧客に土地と同時に家屋を販売する。50万バーツの建設材料費の購入金と7%の付加価値税3.5千バーツを支払う。会社は特別事業税の登録をし、次のように税を支払わなければならない。
@2百万バーツの価格で土地と同時に家屋を販売することは、3.3%の特別事業税を支払わなければならない。 66,000バーツ
A50万バーツの建設材料費は、7%の付加価値税を納付しなければならない。 35,000バーツ
B2百万バーツの販売価格の2%の譲渡手数料 40,000バーツ
合計税額 141,000バーツ
2. 2契約、2会社の場合
a会社は、百万バーツで、顧客に土地を販売する。一方、b会社は、百万バーツで、顧客に対し家屋の建設請負をし、50万バーツの建設材料費の購入金とさらに7%の付加価値税3.5千バーツを支払う。a会社は、特別事業税の登録をしなければならない。一方、b会社は、付加価値税の登録をしなければならない。会社ごとに次のような税を支払わなければならない。
a会社
@百万バーツの価格で土地販売については、3.3%の特別事業税を支払わなければならない。
33,000バーツ
A百万バーツの販売価格の2%の譲渡手数料 20,000バーツ
合計税額 53,000バーツ
b会社
@百万バーツの家屋の建設請負代については、7%の付加価値税を納付しなければならない。
70,000バーツ
A50万バーツの建設材料費は、7%の付加価値税を納付しなければならない。 35,000バーツ
B百万バーツの0.1%の家屋の建設請負契約のための印紙税 1,000バーツ
検討
1.もし会社が顧客のために税の負担を考えないならば、1契約1会社の場合、会社は、合計141,000バーツの税を納付しなければならない。しかし、もし2契約2会社に分けるならば、会社は54,000(53,000+1,000)バーツだけ税を支払い、87,000(141,000-54,000)バーツの税を節約できる。
さらに、70,000バーツとして計算される家屋の建設請負のための7%の売上税については、顧客は支払う者でなければならない。一方、b会社の50万バーツとして計算される建設材料費の7%の仕入税は、販売者に支払わなければならない。b会社は、売上税―仕入税という形で還付を受ける(同時ではなく、先に売上税を納付し、後から仕入税の還付を受けるからであろう)。それゆえ、b会社の前述の付加価値税は、負担を受ける必要がない。
2.もし会社が顧客のために税の負担を考えないならば、1契約1会社の場合、顧客は、141,000バーツを支払わなければならない。しかし、もし2契約2会社に分けるならば、顧客は、確かに124,000(53,000+70,000+1,000)バーツだけ負担を受ける。顧客は、17,000(141,000-124,000)バーツの税を節約できる。
さらに、会社が顧客のために税の負担を考えなかった税は、会社の所得とみなされる。1契約1会社の場合、141,000バーツの所得がある。2契約2会社に分ける場合、a会社は53,000バーツの所得、b会社は1,000バーツの所得がある。2契約2会社の場合、税を節約することを助けることができる。
さらに、7%の税率は、現在10%に変更した。
コメント
A会社の税の負担が少なくなれば、計算上は、顧客のトータルの支払い額を少なくすることができる。
B「1契約1会社の場合、141,000バーツの所得がある。2契約2会社に分ける場合、a会社は53,000バーツの所得、b会社は1,000バーツの所得がある。」このように所得はあるが、同額の経費が生じるので、特別事業税についてはその分多く課税されてしまうということを言っているのではないかと思う。
C譲渡手数料は、会社が払うものなのか。登記料とは違うのか。
D以前タイ人のスタッフに「税を節約する」という言葉を使ったら怪訝な顔(発音が悪かったのか、使わないのか)をされた記憶があるので、ここで「税を節約する」という言葉を使っているので、使っていい言葉なんだと思った。
[8]印紙税代の還付請求は、どれくらいの期間内に行わなければならないか
(最高裁の判決4687/仏暦2540西暦1997原告は法人、被告は国税局)印紙税費用又は印紙税の延滞費用を支払った日から数えて6ヶ月以内に、印紙税費用又は印紙税の延滞費用の還付請求を提出させることを規定した国税法122条の規定は、法律が規定したところより多く支払過ぎた印紙税費用又は印紙税の延滞費用を支払わなければならない義務のない又は免除を受ける者にまで広げ含めると解釈させる意図はない。税費用を支払う必要がないということでもない。そのように、原告は、法律に従って支払わなければならない義務のないことにより、原告が、被告に代わって請求した地区の課税係官に対して税の還付請求を訴えることは、国税法19条(過少申告に係るものだが、還付についても書かれている。気にしないでよいと思う)に従った期間について、強制下にないし、27条の3の強制下にない。原告は、被告から還付請求できる権利がある。
解説
コメント
A27条の3は、特に申告書を提出しなければならない税の還付請求の場合にだけ強制して使う。納付しなければならない義務のない税費用の還付請求は、27条の3に従って、3年以内に還付請求書を提出する必要はない。
Bこの場合は、国税法は還付において時効を規定していない場合であり、民商法193/30条の内容の一般的な10年の時効を使わなければならないので、大部分は10年の時効以内に還付請求しなければならないと考えている。しかし、1336条で規定した意味の財産権であると考えるならば、時効はない。
ホームへ