判 例(法人税)7

更新2001年11月15日 

2001年9月16日

[31]国内の代理人である会社の納税(最高裁の判決1015/仏暦2539西暦1996原告は法人、被告は国税局)

 タイクラボー株式会社は、原告が商品の布地の購入について連絡をする代理人になることを要望した。原告はテレタイプで日本の三菱株式会社に知らせた。そして日本の三菱株式会社が外国の法律に従って設立された会社である三菱コーポレーション香港に対して知らせた。知らせを受けた三菱コーポレーションは、原告に連絡し、商品の発送及び代金の決済においていろいろな条件をつけて商品である布地の販売が成立した。原告は、タイクラボー株式会社に三菱コーポレーションから商品である布地を購入することが成立し、直接販売者に対して信用状により代金の決済をすることを知らせた。。続いて原告は、タイクラボー株式会社から代理人費用を受けた。このように、たとえ原告の顧客である購入者のタイクラボーが、原告が売買及び代金の決済に関係する責任を取る部分がないことにより、製品代を精算するとしても、従わなければならない(代理人とみなされる)。外国の会社がタイ国内において顧客に対して製品の販売が可能であることは、原告が購入者と販売者を連絡する連絡者であることを理由として、原告は、外国の法律に従って設立された会社に対して、代理をするもの又は連絡をするものとみなすことができる。外国の会社は、商品の代価の精算を受けたとき、当然所得又は利益がある。原告は国税法76条の2に従って、申告書を提出し納税することについての義務及び責任がある。70条の2(利益送金税)に従って、タイ国外に利益を分配することによる納税をしなければならない義務はない。なぜなら、70条の2に従って、そのタイ国外に利益を分配することにおいて所得税を支払わなければならないものは、利益又は利益とみなされるものを分配するものでなければならない。原告はただ外国の会社に代わって製品を販売するとき、タイ国内の顧客と連絡をとっているものであり、外国の会社の支店や利益を分配するものであるということは明らかでない。 

解説
1.外国にいる販売者が、タイ国内にいる購入者に対して商品を販売することは、多くの方法ですることができる。購入者が出張して購入、もしくは注文、もしくは直接販売者の国で売買契約をすることによる販売、又は購入者が外国の販売者に電話、電報、ファックスで購入する方法を使う、又はインターネットを通して購入する。それは電気又はエレクトロニックの流れを通しての商いと呼ばれる新しい商いである、又は販売者、被雇用者、もしくは代理の者が来て直接タイで購入者と売買契約をする販売、又はタイに来ないがタイ国にいる代理人を通して販売することもできる。
 購入者が出張して購入、又は注文、又は直接販売者の国で売買契約をする方法により販売することもよい。購入者が外国の販売者に電話、電報、ファックスで購入を注文することもよい。又はインターネットを通して売買することもよい。販売者は、タイにおいて所得税を支払う必要がないとすべきである。なぜなら前述のいろいろな方法に従って販売することについては、売買契約はタイでしていない。そこで国税法66条及び76条の2に従って、販売者がタイ国内で事業を行っているとみなさない。そして、商品代が40条(8)に従って課税すべき所得であるとき、商品代を支払うものは70条(外国法人でタイ国内で事業を行っていないものが源泉徴収される所得。40条(8)は源泉徴収対象となっていない)に従って、支払の際所得税を控除する必要はない。これらは、販売者、被雇用者、又は代理の者が来て直接タイで購入者と売買契約をする、又はタイに来ないがタイ国にいる代理人を通して販売する方法により販売するのとは違う場合である。なぜならその前述の方法に従った販売は、「タイの法律に従って設立し、又は外国の法律に従って設立し、タイ国内で事業を行う法人又は法人格のある組合は、この節(65条〜76条の3法人税)における規定に従って納税しなければならない。」と66条(法人の納税義務)が規定していることを理由として、所得税を支払わなければならない。
 外国の法律に従って設立し、他の国、タイ国も含めて事業を行う会社又は法人格のある組合については、会計期間におけるタイ国内で行った事業及び65条、65条の2と同じように規定し所得の計算を行うことを理由として、事業からの所得のなかで納税させる。しかし、もし前述の所得を計算することができないならば、71条(1)(認定課税)に従って課税することについての規定を適用するし、76条の2は「外国の法律に従って設立した法人又は法人格のある組合が、タイ国内で事業を行うことにおいて、タイ国において所得又は利益を受ける理由となる被雇用者、代理をする人又は連絡者がいる。その会社又は法人格のある組合がタイ国で事業を行っているとみなし、被雇用者、代理の者、又は連絡者は、個人又は法人であることは言うまでもなく、外国の法律に従って設立された会社又は法人格のある組合の代理人であるとみなす。そして、その者に、特にすでに述べた所得又は利益に関係のあるこの節の規定に従って申告書を提出し納税することにおいて、義務及び責任を持たせる。
 最初の段落の中で述べた場合において、もし申告書を提出し納税するときにおいて義務及び責任のある者が、この節の規定に従って納税するため所得を計算することができないならば、、71条(1)に従って課税することについての規定を適用して使う。
 この条の意味に従って課税する場合、課税に対して控訴することができる。」
 前述の規定は、特に法人税の場合にのみ強制的に使う。それゆえ、もし販売者が個人の所得税を支払う義務のあるものであるならば、前述の規定を使い、調整して所得税を納付させる必要はない。個人の所得税に関係する節の中の規定である41条第一段落は、「タイ国内において行う仕事の職務又は事業を理由として、タイ国内における雇用者の事業を理由として、又はタイ国内にある資産を理由として、過ぎた課税年において、40条(課税所得)に従って課税すべき所得があるものは、所得が国内又は国外において支払われるかは言うまでもなく、この節の規定に従って納税しなければならない。」と規定している。外国において個人所得税を支払う義務のあるものである販売者が、自分、被雇用者、代理人がタイに来てタイの購入者と売買契約をすることにより、タイ国内の購入者に対し商品を販売することが可能である場合、当然その販売者は、タイ国内で行った事業を理由として、所得があるとみなすべきであり、タイ国内の個人所得税を支払わなければならない範囲にいる。なぜなら、その事業を行うことは、事務所、行為をする場所、又は事業を行う場所を持つ必要性がないからである(「タイ国内にある資産を理由として」という条件に該当しないが、「タイ国内において行う仕事の職務又は事業を理由として」という条件に該当することを言いたかったのではと思う)。
 76条の2規定は、ただ外国の会社又は法人格のある組合がタイで事業を行うとみなすだけでなく、被雇用者、代理の者、又は連絡者は、個人又は法人は言うまでもなく、その外国の会社又は法人格のある組合の代理人とみなす。特に受け取った所得又は利益に関係する税の申告書を提出し、納税することにおける義務と責任がある。外国の商品の販売者のために代理人として行為を行う場合、自身は、特に外国の販売者から受けた報酬にだけ、納税において義務と責任があるのではなく、その販売者の代わりに納税において義務と責任があるということも理解しなければならない。
 この裁判において、原告は、外国の販売者の代理人であって、タイ国内の販売者の代理人とすることはできない。原告が受け取った代理人費用については、タイ国内の購入者が支払者であり、外国の販売者が支払者ではない。しかし、最高裁は、原告は外国の販売者に代わって納税するときに義務と責任があると判決した。最高裁がこのように判決した理由は、最高裁は外国の販売者がタイ国内の顧客に商品を販売することが可能であることは、原告が購入者と販売者との連絡をする仲介者であることを理由として、原告は外国の販売者のため代理の者、又は連絡者であるとみなすことができると考えたからである。そのように、外国の販売者の代わりに納税において義務と責任がある代理人は、販売者の代理人である必要性はなく、タイ国内の購入者の代理人であることもありうる。国と国との間の代理人は、販売者の国がタイ国と結んだ二重課税の協定において規定されている条件に従って免除を受け、納税する必要がないだろうし、販売者の国がタイ国と結んだ二重課税の協定がない場合については、その代理人はもし2/2526の税務判決委員会の判決の中で規定されている条件に該当するならば、納税する必要はないだろう。

2.この最高裁の判決は、「利益を分配するとき納税しなければならないものは、その利益を分配する者」と判決した4/2521、358/2524、2956/2525及び700/2531の最高裁の判決に従って下された判決であろう。この前述の最高裁の判決は5766〜5767/2534の判決と矛盾しない。なぜなら事実関係が異なっている。即ち、前述の全5号の判決に従って、原告はただの代理人であるが、5766〜5767/2534の判決に従って、原告は外国の販売者の代理人であり支店であった。


コメント

@「販売者がタイ国内で事業を行っているとみなさない。」売買契約の場所の例示が出ている。


Aタイ税法上の「代理人」の意味。私がタイ人なら、そんなめんどうな代理人にはならず、売買契約で処理すると思う。ただし、「2/2526の税務判決委員会の判決の中で規定されている条件に該当するならば、納税する必要はないだろう」となっておりますので、2/2526を参照してください。私は、当初すべての代理人に76条の2規定が適用されると解釈しておりました。

B2については、「利益の分配」とみなすか、みなさないかという問題であると思われる。どのような場合、「利益の分配」とみなされるのか、「代理人であり支店」とみなされるのか、興味のあるところですが。

 

[32]販売の卸売業者はどのように納税しなければならないのか(1)(最高裁の判決1971/仏暦2537西暦1994原告は法人、被告は国税局)

 原告の商品の売買には、2つの方法がある。一番目の方法は、顧客に販売するため、原告は商品を購入し原告の在庫に入れる。二番目の方法は、簡単に価格が上がったり又は減価する商品の場合、原告は購入し在庫に入れず、文書で原告が商品の販売の代理をするものであることを定めた契約のある外国の販売会社から、前述の会社に顧客へ商品を送付させ、顧客が直接外国の販売者に対し商品代を精算することにより購入する。原告自身が顧客と商品価格を決める者である。原告は販売において自由がある。もし損失又は利益があるならば、原告のものとされる。これだけでなく、二番目の方法に従った売買においては、領収書は原告の名前で発行される。原告が、外国の販売会社のための被雇用者、代理をする人又は連絡者ではなく、自身でタイ国内において商品の売買を行う場合には、原告は76条の2に従って外国の会社に代わりに申告書を提出し法人税を支払う義務及び責任はない。

解説
 
外国の会社がタイ国内の顧客に商品を販売することについては、多くの形態で行うことができる。即ちタイ国内において登記して子会社又は関係会社として新たな会社を設立する。タイ国において支店、事業の代理人、又は卸売業者を置く。

1.登記して新たな会社を設立
 タイ国内において登記して子会社又は関係会社として新たな会社を設立することについては、新しい会社は、外国の親会社とは異なって別に法人としての資格がある。タイ国内及び国外の両方において発生した利益から法人税を納付しなければならない義務があるタイ法人とみなす(66条第一段落)。一方親会社について、子会社又は関係会社の株を所有する者であることを理由として、もし子会社又は関係会社が利益があり配当を支払うならば、親会社が自身所有している株の金額に従って配当金を受ける。この配当金について、親会社は、子会社又は関係会社である配当を支払う者が、支払の際支払う配当の10%以内で税を控除し、配当を支払う月の月末から数えて7日以内に、国税局長が定めた申告書を提出すると同時に管轄の郡又は区に納付しなければならない義務があることにより、法人税を支払わなければならない。(70条)。

2.支店の開設
 タイ国内において支店を開設することについて、本店とは分けて異なる法人であるとみなさず、同一の法人とみなす。タイ国内において事業を行うことから生じた利益から法人税を支払う義務があるだけである(66条第二段落)。そして利益又は利益から取っておいた、もしくは利益とみなされたものをタイ国外へ配当するときは、タイの支店は、配当日から数えて7日以内に国税局長が定めた様式に従って申告書を提出すると同時に管轄の郡又は区に納付する義務があることにより、配当した金額の10%以内で納税しなければならない(70条の2)。
 登記して新しい会社を設立又は支店を開設することであるのは言うまでもなく、付加価値税に関する部分においては、法律に従って免除を受ける場合を除き、登録し付加価値税を支払わなければならない。新しい会社の設立の場合には、会社の権限のある取締役は、会社に代わって登録の申請及び税を精算ると同時に申告書を提出する義務がある者である(83/3条)。一方、支店開設の場合には、タイ国内にいる直接又は間接に代わりに準備することについて権限のある被雇用者又は代理するものは、自身の会社と連帯して登録を申請し付加価値税を納付する義務がある(82/2条)。

3.事業について代理人を置くこと
 タイ国内に代理人を置くことは、外国の製造者又は商品の販売者が、個人又は法人であるタイ国の代理人を、自己の商品を購入する顧客を捜す連絡者とする委任契約をする場合である。自己に代わって顧客と契約をするまで、受け入れの交渉において権限をもたせるであろう。これとともに、代理人が行う仕事は販売者の名前で行い、利益のため販売者のものを支払う。利益及び損失に対するリスクは販売者に帰属する。これは、代理人は、販売者が決めた価格に従って商品を販売しなければならないし、売買商品の価格の何%と計算するであろう手数料の形で受け取り、代金の精算については、購入者は信用状による方法により、外国の販売者に直接精算する。この商売の代理人であることは、どのように同意するかにより、Sole Agency 又はExclusive Agencyになることもできる。もしSole Agencyであるならば、すなわち外国の会社が同一の国において他の代理人に委任しないという保証書を与えるが、自己で直接販売することを保留することを意味している。もしExclusive Agencyであるならば、会社が、国内での商品の販売は代理人にのみが販売しなければならないという保証書を与えることを意味している。前述の販売方法で代理人を通すことにより商品を販売することについて、外国の販売者とタイ国の購入者との関係は、売買契約に従った関係である。一方外国の販売者とタイ国の代理人との関係は、代理人と販売者との契約に従った関係である。このようであるとき、外国の販売者がタイで事業を行うということになる。販売者である会社は、法人税を支払わなければならない。タイ国の代理人は、外国の販売者である会社に代わって、特にタイ国において商品を販売したことから生じた利益又は所得に関係して、申告書を提出し納税することについて、義務と責任がある(76条の2)。もし2/2526の税務判決委員会の判決に従う条件に該当する場合であるならば、76条の2に従った会社又は法人格のある組合の法人税についての代理人は、76条の2に従って申告書を提出し納税する義務と責任はない。これだけでなく、外国の販売者である会社は、代理人が外国の販売者である会社の恒久的な場所とみなさないときにおいて、タイ国が販売者である会社の存在する国と締結した二重課税条約に従って、法人税の免除を受けて
いる。現在、タイ国と二重課税条約のある国は全部で26の国がある。ノルウェー、スウェーデン、デンマーク、ドイツ、日本、オランダ、フランス、韓国、イタリア、ベルギー、パキスタン、イギリス、インドネシア、マレーシア、フィリピン、ポーランド、カナダ、フィンランド、インド、オーストリア、中国、ハンガリー、オーストラリア、スリランカ、ベトナム。
 一方、付加価値税について、法律に従って免除を受けるときを除き、販売者である会社は、付加価値税を支払わなければならない。一方、付加価値税登録をしなければならない、又は必要がないか。当然その外国の販売者である会社が、通常もしくは臨時にタイの代理人を通して商品を販売するかどうかによる。もし臨時の販売であるならば、登録する必要がない(国税法85/3(1))。しかし、通常の販売であるならば、登録を申請し及び税の精算と共に申告書を提出するタイの代理人により、登録をしなければならない(国税法85/2、82/1、83/2)。
 外国の販売者である会社が、タイに来て臨時にタイ国で商品を販売する、付加価値税の登録をする必要のない場合において、もし臨時の登録を申請するならば、国税局長が定めた基準、方法、条件に従ってすることができる権利がある。タイでの商品販売の期間は、一年を超え三年を超えないとしければならない。それがタイに来て臨時に販売することであるとみなされる。(国税法85/3第二、第三、第四段落、2536年1月29日に記された第43号付加価値税に関する国税局長の公告)
 外国の販売者である会社が、付加価値税の登録をする必要のない場合において、商品代を精算するとき、購入者は、お金を支払った月の末日から数えて7日以内に郡又は区を管理する場所に納付様式に従って申告書(ポーポー36)を提出することにより、支払った金額の7%以内の付加価値税を納付しなければならない。(国税局が発行した領収書を税額票とみなし、前述の納付した付加価値税は購入者の仕入税額(86/14、77/1(18))とみなす国税法83/6(1))付加価値税の登録を行った者である購入者は、その領収書を発行した月の売上税額から控除計算する権利がある。

4.卸売業者を置くこと
 タイ国の卸売業者を置くことは、商品を購入し、決められた領域のなかで販売する権利を、卸売業者に与えるための契約をすることである。もし契約がsole distributorshipであるならば、製造者が、同一領域内に他の卸売業者を置かないことを保証することを意味する。しかし、まだ自分で、直接販売する権利を留保している。もし契約がexclusive distributorshipであるならば、製造者は、その領域で製品を販売することは、その卸売業者のみにより販売しなければならないということを保証することを意味する。
 卸売業者は、外国の製造者の代理人としての資格を持たないが、外国の製造者から製品の購入をし、タイ国の顧客に販売する者としての資格を持つ。外国の製造者と卸売業者との関係は、売買契約に従った関係である。外国の製造者と既に述べた代理人との場合のような代理人契約に従った関係ではない。卸売業者の場合、売買契約は二枚ある。一枚は、外国の製造者と卸売業者との売買契約であり、もう一枚は、卸売業者と国内の購入者との売買契約である。売買契約が一枚である代理人の場合と異なっている。すなわち、外国の製造者に代わって売買契約をする代理人がいることにより、外国の製造者と国内の購入者との売買契約である。

@代理人
 製造者と代理人       代理人契約

 製造者(代理人)と購入者  売買契約

A卸売業者
 製造者と卸売業者      卸売業者設定契約

 製造者と卸売業者      売買契約

 卸売業者と購入者      売買契約

 卸売業者に二枚の売買契約がある場合、外国の製造者がタイの購入者と関係ないときは、タイの購入者は外国の製造者の債務者ではなく、卸売業者の債務者である。タイの購入者が外国の製造者の債務者であるとみなす代理人の場合と異なっている。
 卸売業者が受ける利益すなわちタイの購入者に商品を販売したことからの利益、損失に対して危険を冒すことは、卸売業者自身に帰属する。損失に対して危険を冒すことが、外国の製造者に帰属する代理人と異なっている。代理人は、製造者が損失するか利益を出すか考えないで、製造者が受ける商品代に従って確実な金額の報酬を受ける。
 その税の部分において、外国の製造者がタイにおいて事業を行っているとみなされない場合、卸売業者が、外国の製造者の代理人でないとき、卸売業者は、76条の2に従って申告書の提出及び法人税の精算について義務及び責任がない。しかし、方針において、国税局は、タイ国の購入者が卸売業者に商品代を精算する場合において、もしタイ国の購入者が、外国の製造者に精算する場合であるならば、国税局は代理をする者又は連絡をする者として卸売業者がいることにより、外国の製造者がタイにおいて事業を行っているとみなす。そこで、卸売業者は、76条の2に従って申告書の提出及び法人税の精算について義務及び責任がある。しかし、最高裁は、国税局の行動方向に同意し支持しなかった。ここに解説している裁判のように、事実関係から審議する。最高裁が国税局の行動方向に同意する場合、しない場合がある。タイの卸売業者と外国の販売者である会社との間の商品の売買について、卸売業者が自分で行い、外国の販売者である会社の代理をする者又は連絡をする者でないという事実関係が認められるならば、最高裁は、卸売業者が76条の2に従って申告書の提出及び法人税の精算について義務及び責任がないと判決すると述べることができるであろう。
 筆者は、もし前述の製造者又は販売者である会社から商品を購入し、タイの顧客に販売することにより、タイの販売者が、外国の製造者又は販売者である会社の卸売業者であるという事実関係が認められるならば、販売において自由があり、例えば販売した商品の破損、欠損における責任のように、タイの顧客に売買契約に従って責任を負わなければならない。代理人報酬ではなく、タイの販売者が受ける利益が経理上の利益という形になり、この場合損失に対して危険を冒さなければならない。たとえ、代金を精算することについて、タイの顧客に外国の製造者又は販売者である会社に対して代金の精算をさせても、卸売業者が、76条の2に従って外国の販売者である会社の代理をする者又は連絡をする者とみなさないであろう。なぜなら、代金の精算又はその債務の精算について、契約では契約外の者に対して精算することもできると合意している。国税局の考えのように、売買契約を代理人契約として変更させることができないと考えている。
 この事案の場合、卸売業者が購入して販売したかどうかという事実関係を認めることについて、作成した契約の名前を審議することはできない。たとえ契約の名前が卸売業者設定契約(distributorship agreement)と明示していても、契約の重要な内容が、購入して販売する話でなく、もし代理人(commercial agency)の話であるならば、卸売業者は、76条の2に従って外国の製造者又は販売者である会社の代理をする者又は連絡をする者とみなさなければならない場合には、76条の2に従って外国の製造者又は販売者である会社に代わって、申告書の提出及び法人税の精算について義務及び責任を卸売業者に持たせる結果となる。これだけでなく、たとえ本当に卸売業者設定契約があっても、もし卸売業者の設定契約後に生じた外国の製造者又は販売者である会社から商品を購入することについて、卸売業者が直接の購入者でなく、購入して販売しない場合に顧客に購入させたならば、、顧客が外国の製造者又は販売者である会社から直接購入する話となる。もしタイ国の卸売業者が、紹介者又は代理者で、前述の売買をさせているものであるという事実関係があるならば、卸売業者は、76条の2に従って外国の製造者又は販売者である会社の代理をする者又は連絡をする者とみなす場合、3238/2532の最高裁の判決からの例から考えて、卸売業者は、当然外国の製造者又は販売者である会社に代わって、76条の2に従って申告書の提出及び法人税の精算について義務及び責任がある。
 3238/2532の最高裁の判決は「原告はアメリカのa会社のエアコン及び器具を販売する代理人である。a会社に代わって契約をする権限はない。大きい型のエアコンの連絡について取る方法は、原告のエンジニアが型を調査し、原告が販売者に対して注文書を作成することによりエアコンを注文し、国内に入れる。もし注文書がないならば、販売者である会社は誰にも販売することはできない。売買契約を作成及びタイ国内のb会社とエアコンを設置し調整する前に、原告のエンジニアに型を調査させ、原告はエアコン代と設置に係る労賃を分けて計算した。b会社は投資促進を受けているので、納税する必要がなく、外国から商品を購入し、タイに輸入した。原告は、b会社が直接a会社からエアコンを購入する者とした。前述の原告の行為は、以下のことを認めている。外国の法律に従って設立されたa会社がタイ国で事業を行うことにおいて連絡者であり、a会社にタイ国内で所得を得させる原因である原告がおり、a会社はタイ国で事業を行っているとみなす。そのような連絡をする原告は、76条の2に従って特にその所得又は利益に関係した申告書の提出及び納税について義務及び責任がある。」と判決した。 

 

コメント
@ここでは、外国の親会社と子会社又は関係会社だからこう取り扱われると言っているのではなく、一般に外国の親会社とタイ国内の子会社又は関係会社との間の配当について適用されるのであろう。70条を読むと親会社と子会社等に限定していない。

A「代理するものは、連帯して登録を申請し付加価値税を納付する義務がある」 簡単に代理人とならないであろう。

B税務判決委員会とそのまま訳したが、国税局が条文の解釈について、どういうときに開催され、どのような強制力があるかわかりません。

 

 

[33]販売の卸売業者はどのように納税しなければならないのか(2)(最高裁の判決1009/仏暦2539西暦1996 原告は法人、被告は国税局)

 原告は、外国の販売者である会社の卸売業者である。原告の商品の販売には、2つの方法がある。第一の方法は、原告は商品の購入者であり、自分で信用状によって代金を精算する。商品がタイにつき次第、顧客に販売する。第二の方法は、原告は商品の購入者であるが、顧客に自分で代金の精算をさせる。この方法は、顧客が、投資促進を受けている者である公的部門、国営企業、又は私的のものであることはいうまでもない。原告は、タイの顧客と売買契約をしなければならない。そして、原告は自分で顧客に対して商品の販売価格を決定する者として、外国の販売者に対して注文書を作成する。原告は、販売において自由がある。もし販売した商品が破損、欠損するならば、原告は顧客とした売買契約に従って、顧客に対し責任を負わなければならない。原告が受ける効果は、利益の形となる。代理人としての報酬ではない。たとえ顧客が外国の販売者である会社にお金の精算を行う者であっても、顧客が貸付者である金融機関と合意している条件に従って、又はこの方法により商品を販売する輸入税免除のため投資促進証に従って行うための顧客自身の意図である。従って、原告は、外国の販売者である会社の代理人としての資格があるとみなされない。前述の外国の販売者である会社は、タイで事業を行っていない。原告は、原告が購入して販売する者であるという資格の中で行っている。76条の2に従って、外国法人の代理人事業としての形態に該当しない。原告は、外国法人に代わって申告書の提出及び法人税の納付について義務と責任はない。

 

 解説
 
この最高裁の判決前、最高裁はボーニアオテック会社と国税局との間の1971/2537の最高裁の判決文の中で、判決したことがある。「原告の商品売買は2つの方法がある。第一の方法は原告が商品を購入し顧客に販売するため原告の在庫に入れる。第二の方法は、商品の価格が高い又は商品の状態が減価しやすい場合には、原告は購入して在庫に入れないが、顧客が購入するとき、顧客と売買契約をし、原告は文書によって購入を代理する者として原告を設定する契約(distributorship agreement)のある外国の販売者である会社から購入する。前述の会社が顧客に商品を送り、顧客は直接外国の販売者に対し代金を精算させることによる。しかし、原告は、自分で顧客に商品の販売価格を決定する者である。原告は、販売した商品が破損、欠損するならば、顧客に対し責任を負わなければならない。原告は自分の元手で売買をする事業を行っている。もし損失又は利益があるならば、原告のものとして帰属する。これだけでなく、この第二の方法に従って売買することにおいて、商品管理書は原告の名前で発行される。外国の販売者である会社のための被雇用者、代理をする者又は、連絡をする者ではなく、自分でタイで商品を売買する事業を行っている事案である場合、原告は、76条の2に従って外国の会社に代わって申告書の提出及び法人税の納付について義務と責任はない。」
 この最高裁の判決は、これらすべて前述の1971/2537の最高裁の判決と同じ筋で判決した。なぜなら異なる2つの裁判の原告は、外国から商品を購入し、タイの購入者に販売する者であり、購入して販売する場合、外国の販売者である会社の代理人ではない。従って、76条の2に従って外国の販売者である会社の代理をする者又は、連絡をする者ではない。2つの裁判の原告は、外国の販売者である会社に代わって申告書の提出及び法人税の納付について義務及び責任はない。顧客がその外国の販売者である会社に商品代の精算をする者であることは、2つの裁判の原告と外国の販売者である会社との間の契約が売買契約でないとき、2つの裁判の原告は外国の販売者である会社の代理人であるとみなされる。2つの裁判の原告が自分で顧客に商品の販売価格を決定する者であることは、販売において自由があり、もし販売した商品が破損、欠損するならば、2つの裁判の原告は顧客に対し責任を負わなければならないし、2つの裁判の原告が受けた効果は、利益又は損失という形になる。たとえ外国の販売者である会社が、商品の注文しない、送付をした商品が契約で決めたところと同じでない、又は、商品に破損、欠損があっても、受ける効果が代理人費用又は報酬という形でなく、2つの裁判の原告と外国の販売者である会社との間の契約は売買契約である。従って、2つの裁判の原告は、外国の販売者である会社の代理人ではない。76条の2に従って外国の会社に代わって申告書の提出及び法人税の納付について義務と責任はない。
 もし2つの裁判の原告が売買契約の形で外国の販売者である会社と契約をし、事実関係は原告が販売価格を決定する権利がないならば、販売において自由がない。顧客に販売した商品に対して責任を負う必要はない。原告が受けた効果が、代理人費用又は報酬という形であるということが明らかであるならば、原告が損失を出す機会はない。この場合、2つの裁判の原告は、購入して販売する者とするより多く、外国の販売者である会社の代理人であるとみなすべきである。そこで、この2つの裁判の原告は、76条の2に従って外国の会社に代わって申告書の提出及び法人税の納付について義務と責任があることになる。それゆえ、外国の販売者である会社の代理人であるとみなす場合、事案の事実関係から審議しなければならない。


コメント
@「利益の形となる」というのは、商品販売収入―商品仕入代金等=利益である。また、「代理人としての報酬」というのは、報酬としての収入があり、商品仕入代金はない。

A「顧客が、投資促進を受けている者である公的部門、国営企業、又は私的のものであることはいうまでもない。」ということは、どんな形の会社等であっても、輸入税免除を受けるため投資促進を受けている者でなければならないということであろう。

 

[34]外国の会社が5%の率の税を支払うこと(最高裁の判決2662/仏暦2539西暦1996原告は法人、被告は国税局)

 原告はパナマ共和国の法律に従って設立した株式会社である。統括事務所はスイスにある。タイには支店はない。タイにおいて、タイで事業を行っている会社のために、金銭出納部門、工場、製造、価格その他の管理に関して相談及び指導する事業を行うことについて、代理をする者又は連絡をする者であるaがいる。原告が所得を得る原因であり、原告がタイで事業を行っているとみなすことができ、国税法第3節(会社又は法人格のある組合からの税の徴収)の規定に従って、申告書を提出及び納税しなければならない義務がある。所得税率一覧表のなかに定めている率に従って利益から支払うことによる。もし66条第2段落が71条(1)を付随させていることに従って、5%以内で支払うならば、原告が利益を計算することが不可能である場合でなければならない。これと合わせて、76条の2が71条(1)を付随させていることに従って、原告に代わって代理人であるaが、支出を控除する前の収入の5%以内で申告書を提出し納税する権利があるか否かということは言うまでもなく権利がある。
 原告の貸借対照表、損益計算書及びいろいろな会計の証拠は、スイスの原告の統括事務所で整理作成しているという原告の参照項目については、被雇用者又はタイの原告の代理をする者は、原告の帳簿、貸借対照表、損益計算書に従ったいろいろな報告書を正しく知らないかもしれない。原告は、タイその他の多くの外国でいろいろな会社にサービスを提供している。それは、原告が利益を計算することができないと認めさせるのに充分ではない。それゆえ、原告の代理人であるaが支出を控除する前の収入の5%の以内で申告書を提出及び納税することについて、66条及び67条に従って、課税係官が原告に正しく納税させることができるように課税することについては、課税係官は法に適合している。 

解説
 
66条第2段落が67条を付随させていることに従って、外国の法律に従って設立され、タイを含めて他の場所で事業を行っている会社又は法人格のある組合は、会計期間においてタイで行った事業から又は事業に関連した所得の中で、納税しなければならない義務がある。30%(この裁判の判決時は35%)の率及び所得の計算については65条と65条の2と同じように行わせることによる。しかし、もしすでに述べた所得の計算が不可能であるならば、71条(1)に従って課税をすることについての規定を準用して使う。すなわち、支出を控除する前の収入の5%以内で納税することができる。
 67条を付随させている66条第2段落の規定に従って納税しなければならない所得は、タイで事業を行うことから生じた所得でなければならないということに注目してください。外国法人がタイに支店がある場合、当然その法人はタイで事業を行っているとみなされる。しかし、たとえその法人がタイに支店を持たないが、タイで所得又は利益を得る原因であるタイで事業を行う中での被雇用者、代理をする者、又は連絡をする者がいるだけであっても、76条の2は、その法人はタイで事業を行っているとみなし、そのような被雇用者、代理をする者、又は連絡をする者は、個人又は法人であることは言うまでもなく、その外国法人の代理人であるとみなし、その者に特に述べてきた所得又は利益に関する申告書の提出及び納税において義務及び責任をもたせる。もし申告書の提出及び法人税の納付について義務と責任のある者が、納税するため利益を計算することが不可能ならば、71条(1)に従って課税をすることについての規定を準用して使う。すなわち、支出を控除する前の収入の5%以内で納税することができる。
 たとえ76条の2が、「申告書の提出及び法人税の納付について義務と責任がある者が、納税するため利益を計算することが不可能である」という言い方を使っていても、最高裁は次のように考えている。たとえ前述の者が利益を計算することが不可能であり支出を控除する前の収入の5%以内で納税を申請する権利があっても、当事者である外国法人は、5%以内で納税を申請することはできない。その外国法人が利益を計算することが不可能であるという事実を確かめなくてはならない。
 納税者が5%以内で納税を申請することは、最初に国税局通達ポー13/2529の第4項のなかで明らかにされているところに従って国税局長の許可を得なければならないか否かという問題がある。筆者は次のように考えている。66条第2段落も、76条の2も、5%以内で納税を申請することは、最初に国税局長の許可を得なければならないということを規定していない。前述の通達は、納税者に5%以内で納税を申請することができるかどうかにより行わせなければならないことに執着していないし、又は当然納税者が利益を計算することが不可能であるかないかという事実関係次第ではない。もし利益を計算することができるならば、直接飛び越える場合において前述の率以内で納税を申請することはできない。もし利益を計算することができないならば、たとえ国税局長の許可を得ることがなくても、前述の率以内で納税を申請することはできる。


コメント
@タイ語の単語では、直訳すると「大きい事務所」となり、一般的には「本店」というように訳すが、パナマの法律で設立したということなので、「本店」という訳はおかしいので、「統括事務所はスイスにある。」と訳した。

A「特に所得又は利益に関する納税」とあるので、もし他に所得があっても、それについては自然に義務及び責任はないと考えられるが。

B最高裁はたとえ前述の者が利益を計算することが不可能であり支出を控除する前の収入の5%以内で納税を申請する権利があっても、当事者である外国法人は、5%以内で納税を申請することはできない。その外国法人が利益を計算することが不可能であるという事実を確かめなくてはならないと考えている。筆者は利益を計算することができないならば、前述の率以内で納税を申請することはできると考えている。

Cタイ語の「ナイ」という単語があるので5%「以内」と訳しているが、他の翻訳をみると単純に5%と訳してある。

D代理人は、利益を計算することが不可能であるという理由で71条(1)に従って5%以内で法人税の申告及び納付をした。原告は国税局長の許可なしに、収入の5%以内で税金を計算したので、原告は国税局長が決めた様式に従って申告書を提出し法人税を納付していないとみなした。調査の結果、増加税額、無申告加算税(当初の申告で納付した税を控除する前の税額の2倍)、延滞税及び70条の2(利益送金税)に従ってタイから外へ利益を分配することによる税(利益、税額が決まれば、自動的に計算される)の納付通知がきた。
 解説において、原告が上げた理由は、認めるには不充分であった。従って、収入はコンサルタント先を調査し、支出については事業税以外立証できなかったため、これにより法人税を計算した。無申告加算税は過少申告加算税となり、税の回避の意志はなかった及び調査に協力したことにより法律に従った金額の50%の過少申告加算税及び延滞税が課税されることになった。
 利益×法人税率(35%)>収入×5%となった場合、当然5%を選択して申告したほうが税負担が少なくなる。従って、原価率のかなり低い業種の場合有利になるが、この事例を考えると、5%による申告を認めさせるのは難しいのではないかと思う。

計算の一部(過少申告加算税の50%減額前)

a.収入              36,231,797

b.事業税(支出)           1,065,997

c.利益(a-b)          35,165,800

 

A法人税

d.法人税(c×35%)        12,308,030

e.納付済法人税           1,615,146

f.納付すべき法人税(d-e)    10,692,884

過少申告加算税(f×一倍)     10,692,884

延滞税                6,255,337

 

B利益送金税(ただ単にg×20%では計算が合わないので、恐らくg×0.2÷1.2で計算すると思う)

g.分配利益(c-d)          22,857,770

h. 利益送金税(g×0.2÷1.2)      3,809,628

i.納付済利益送金税             454,202

j.納付すべき利益送金税(h-i)     3,355,426

過少申告加算税(j×一倍)        3,355,426

延滞税                  1,912,593

 

 

[35]外国の会社の代理をする者から税を徴収することについては、最初に課税することを知らせなければならないのか否か(最高裁の判決2465/仏暦2537西暦1994 原告は国税局、被告は銀行)

 被雇用者、又は代理をする者、又は連絡をする者に、76条の2第一段落の規定に従って、責任を負わせて徴収することについては、最初に課税係官は、19条及び20条に従って行わなければならない。すなわち、その責任を負わなければならない者を呼び出し、審問し、そしてその者に課税する金額を知らせなければならない。最初に、76条の2第三段落の意味に従った課税に控訴する機会を与えるためである。そうでなければ、原告である国税局は、訴えてその者に76条の2の規定に従って責任を負わせる権限はないし、当然その者を保証する者であるという資格の被告を訴えて、同様に責任を負わせなければならないとする権限はない。

 

解説
 
外国の法律に従って設立された会社又は法人格のある組合(以下「外国の会社」という)の法人税の納付と関係している国税法の規定は、4つある。すなわち66条(法人の納税義務)、70条(外国の会社で国内で事業を行っていないものの納税義務)、70条の2(利益送金税)、76条の2(外国の会社の代理人とみなされた者の義務及び責任)である。70条の規定は、タイ国で事業を行っていない外国の会社に使う。残りの3つの規定は、タイ国で事業を行っている外国の会社に使う。
 66条の規定は、タイ国で事業を行っている外国の会社のため定められた基準規定である。タイ国で事業を行って、タイで行った事業から又は事業に関連して生じた利益の中で法人税を納付しなければならない。また、タイ国から外へ利益を分配することがあるならば、70条の2の規定に従って、利益金を分配することについての税を支払わなければならない。一方76条の2の規定は、どのような場合タイで事業を行っているとみなすか説明するため、66条に展開してくる規定とすべきである。すなわち、タイで事業を行っているという規格に合う場合、言いかえれば、外国の会社がタイに被雇用者、又は代理をする者、又は連絡をする者がいる場合、前述の者は、外国の会社にタイ国内で所得又は利益を得させることを行う部分がある。これだけでなく、76条の2は、まだ申告書を提出し納税することにおいて義務と責任がある納税者でない者にも納税者と連帯させることを定めた規定である。すなわち、被雇用者、又は代理をする者、又は連絡をする者に外国の会社の申告書の提出及び納税についての義務及び責任があることを規定している。このような義務及び責任を規定することは、原則規定の法律の話しであり、もし前述の者が申告書を提出し納税しない又は提出したが真実に従って正しくないもしくは完全でないならば、国税局は、国税法12条に従って前述の者の資産をすぐに占有しもしくは差し押さえする権限があり又は裁判所に訴えることができる権限がある。国税局は、方法規定の法律に従って課税係官が実行したとき前述の権利がある。すなわち、19条から27条までに従って、調査審問し課税する。前述の者が、30条(1)に従って控訴審議委員会に控訴しない又は控訴したが控訴の棄却判決がある。前述の者が、30条(2)に従って税務裁判所に控訴しない又は控訴したが控訴を棄却する。前述の者が、最高裁に控訴しない又は控訴したが堅持する判決をする。
 外国の会社の税を調査審問し課税することについて、12条(滞納税金の差押換価)に従って国税局にすぐに前述の者の資産を占有もしくは差押させる又は、裁判所に訴えることができる権限を持たせる理由はない。なぜなら、所得のある者である外国の会社と前述の者とは別々で異なっているからである。特に国税法は、最初に前述の者に課税する必要がないことにより、前述の者の資産をすぐに占有もしくは差押させる又は、裁判所に訴えることができるという例外を規定していない。ただし、法人格のある組合における持分者に責任の制限がない場合を除く。もう一点、もし国税局が前述の者の資産をすぐに占有もしくは差押させる又は、裁判所に訴えることができるならば、前述の者が30条に従って控訴する権利を断つことと同じである。法律はそのようなことを目的としていない。それゆえ最高裁において、課税係官が被告が保証した者に調査審問していないことを理由として、原告はこの裁判を訴える権限はまだないと判決した。正しいとすべきである。

コメント
@いつも国税局が被告であるが、今回は原告になっている。

A被告の銀行は、納税証明書の請求を提出するときの税の精算を保証するため等の理由で、a会社の代理人であるbと被雇用者であるタイ国内にいる外国人43人に係る税を、50万バーツを限度として保証契約をした。会社に調査が入り増加税額が生じた。代理人等にまだ調査審問していないので、保証人である銀行を訴える権限はまだないと判決した。

B滞納者に対しては12条(滞納税金の差押換価)に従って国税局はすぐに滞納者の資産を占有もしくは差押する又は、裁判所に訴えることができる権限を持たせている。
  

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