判 例(個人所得税)1

2000年2月10日

更新2003年4月1日

 

[1]手付金は所得とみなされるか(最高裁の判決1195/仏暦2539西暦1996原告は個人、被告は国税局)

 売り主が没収した土地の売買契約に基づく手付金は、国税法40条(8)に従ってその他の所得の収入であり、39条(課税されるべき所得の定義)により個人所得税を支払わなければならない所得とみなされる。たとえ買い主が手付金を返還するよう訴え、裁判所の審査中であっても従わなければならない。

解説
 最高裁の見解に対する反論としては、買い主が書類を作成し所有権の譲渡の登記をしないという契約違反をした場合には、売り主が手付金を没収する権利があるが、もし契約違反がなければ、売り主は手付金を没収する権利はない。買い主が原告となって、売り主が完全な所有権を譲渡する証拠となるものを準備できず、約束の日に所有権を譲渡できないことを理由として、手付金を返すよう訴訟し審査中であるとき、手付金を没収できるか。まだ問題がある。手付金はまだ売り主の所得とみなすべきではない。もし最高裁の判決のように売り主の所得とみなされた場合において、もしその後買い主が契約違反していないので売り主が手付金を没収する権利がないという理由から、売り主に手付金を返還させる判決があっても、売り主は支払う必要がないにもかかわらず税金を支払わなければならない。ともかく、もし審査中であるならば、もし一審の判決を出した裁判所が、買い主の契約違反のため手付金を没収する権利があるという理由により棄却するならば、上告することにより最終の判決があるまで長い年月がかかる。それゆえ、手付金は没収された年の所得で最終の判決のあった年の所得でないにもかかわらず、国が税金を精算するのが遅れる。これは、必然的に官吏の管理や国の経済に突き当たる結果となる。一方売り主が手付金を買い主に返還させる判決がある場合において、もし売り主が手付金に係る税金を払っていたならば、国税局から返還してもらう申請書を提出する権利がある。支払う必要がないにもかかわらず支払ったというのではない。ただ先に税金を納めなければならない義務があるのなら、あとで返してもらうようにするだけである。国と個人それぞれの受けてしまった損失を考えるとき、個人の方が国より少ない損失を受けているようにみえる。
 それゆえ、手付金を没収する権利があるかないかの判決の結果を待つ必要がなく手付金が所得であるとみなすことをより多く支持すべきである。さらに、アメリカの最高裁は、所得のある人が所得を得てしまったとき、たとえそれを得た権利について係争中であっても税金を納めなければならないと判決を下している。訴訟の中で裁判所は、次のようなことを決定した。雇用者が受けるボーナスは税金を支払わなければならない所得とみなす。なぜなら、受ける権利が確定してしまっている。たとえ、その後雇い主に返還しなければならなくても、税金を支払う必要がないということにならない。雇用者は返還した金額を経費として控除する権利があるだけである。

コメント

 最終的には、アメリカの例も出しながらこの判決を支持している。
 日本の所得税の場合は、収入は権利確定主義、費用は債務確定主義で計上することを原則とするので、訴訟中であれば権利が確定していないので収入に計上する必要がないのでは。欧米は契約社会と聞く。タイも影響を受けているので外形的に契約に沿ったものであるかが、まず判断の基準になるのではと思う。契約どおりであれば支払いを受けたものは所得とみなされる。 

 

[2]前受金は所得とみなされるか(最高裁の判決1444/仏暦2539西暦1996原告は個人、被告は国税局)

 原告であるすず鉱石販売者は、2524年12月24日及び26日に、買い主である会社にすず鉱石を納入した。納入した日に代金の80%を受け、残額を2525年1月14日に受けた。すず鉱石の価格の80%の金額が、買い主が売り主に支払った価格の一部分であるときは、この金額は、2524年の所得として個人所得税を計算しなければならない。

解説
 この訴訟の問題点は、原告が買い主である会社から受けた前受金が、原告がすず鉱石を担保として会社から借りたお金であるとみなされるか又は原告が売ったすず鉱石の代金の一部であるとみなされるかである。もし前者であれば、前受金は個人所得税を支払うため課税所得に合算して計算すべきものでないとみなされ、もし後者であれば、2524年の課税所得に算入すべき所得とみなされる。原告と会社との売買契約は、すず鉱石の引き渡しから最終的に決済の終了までという事実関係が明確になる段階で、会社も支払った前払金は、鉱石の代金の一部であると主張した。それゆえ、前払金は2524年の原告の所得となる。原告は、現金主義の原則に従い2524年の個人所得税を支払うため前払金を課税所得に合算して計算する義務がある。これは、法に合っている。

コメント
 日本であれば2524年に商品の引き渡しが済んでおり、収入金額も確定していることから100%の金額を2524年に売上として計上しなければならない。しかし、80%の金額を課税所得に合算して個人所得税を計算しなければならないとなっている。解説の中で現金主義という言葉が出て来たが、納税者の担税力(実際お金を受け取っていなければ、お金で税金を払えないので、受け取った80%の金額に係る税金を納めれば良い)を考えているためであろう。(判例の法人税[3]を参照)

 

[3]増加する経済的利益及び損金とされない支出(最高裁の判決123/仏暦2540西暦1997原告は会社、被告は国税局)

 原告は、原告の従業員に対し海洋鉱物掘削船での食事提供サービスを無料にした。前述の従業員は、財産を増加する方法において経済的利益を受けた。月給の他、仕事をしていることを理由として、前述の従業員を養っている食事を購入する経費も、国税法40条(1)に従って労力を雇うことから得る原告の従業員の所得とみなし、国税法39条に従って課税すべき所得とみなす。原告は、前述の経費の支払のとき、控除する個人所得税を控除計算に入れ、被告に納付しなければならない義務がある。

解説
(1)「課税すべき所得」という言葉については、39条は金銭で計算できるであろう受けたその他の経済的利益まで含めることを意味する。原告の従業員が無料の食事を受けたことは、1つの経済的利益とみなす。この経済的利益が金銭で計算できるとき、この経済的利益は39条に従って課税すべき所得である。なぜなら、もし原告の従業員が自分で食事を購入するならば、金銭を支払わなければならない。この経済的利益は労力を雇うことから得る国税法40条(1)に従って課税すべき所得である性質に入る。原告は、前述の経済的利益を支払う者であり、所得を支払う者であり、50条(1)の中で規定している方法に従って、支払の際所得税を控除し、金銭の支払を受けた日から数えて7日以内に郡の管轄場所又は地区に納付しなければならない義務がある。さもないと、控除納付しない税の金額に従って原告の従業員と連帯して責任を負わなければならない(国税法54条)。
 前述の増加する経済的利益は所得税の免除を受けるか否かについては、裁判では問題がない。もしこの問題があるならば、前述の増加する経済的利益は、食事手当であるか否かという審議をすべきである。もし食事手当であるならば、国税法42条(1)に従って所得税の免除を受けるかもしれない。その「食事手当」という言葉は、国税法は定義していない。辞書に従って一般的な意味を審議しなければならない。2525年の王立学士院の辞書は、「常勤を定めた場所以外において仕事に出る場合の日々の宿泊及び食事代として支払う金銭」という意味を与えている。もし海洋鉱物掘削船の中に働きに行く原告の従業員が、通常、原告の本店又はその他の事務所にある日々の仕事に行く従業員で、前述の海洋鉱物掘削船の中に仕事に行かされるならば、従業員に食べさせるように用意した食事は、原告の従業員の食事手当であるとみなし免除を受け、42条(1)に従って所得税を納付する必要がないとすべきである。原告は、支払の際所得税を控除し、納付する義務はない。しかし、もし前述の従業員が海洋鉱物掘削船の中で常勤で働かせるために新たに雇い入れた従業員であるならば、原告が食べさせるように用意した食事は、40条(1)に従って所得税の免除を受ける食事手当とみなさないとすべきであり、原告に、支払の際所得税を控除し納付しなければならない義務をもたせる。いずれにせよ、この問題について、最高裁判決はない。今後の最高裁判決に追随する。
 

(2)通常を超える高い価格で資産を購入する事例問題において、販売者であるc会社と原告は次のような株主面の関係があるという事実関係が明らかである。

  a会社 → b会社  →  c会社    a会社  →  原告 
     100%    91.99%            99.93%(持株割合)

 c会社と原告は深く株主面の関係があるとみなすことができる。ほぼ一つの会社である。c会社と原告は、特にc会社は後の事業を行っておらず多大な累積損失があることにより税務上の利益を受けさせるため、どのような性質、方法及び条件にでも契約をすることを合意できる。たとえ原告に対する資産の販売から利益があり累積損失を控除計算できて、精算しなければならない所得税がないとし、それゆえc会社は販売できるとすべき価格より高い価格で資産を販売することから効果を受けないとしても、原告側については、高い価格で購入することは、利益を少なくし、支払わなければならない所得税を少なくする原因となる多くの減価償却費を控除することにより経済的利益を受ける。又は、もし損失により税を支払う必要がなく、損失をまださらに5会計期間を超えない範囲で、後の会計期間の利益を計算するとき支出として控除するならば、この裁判で売買した資産価格を高く設定することは、c会社と原告両方に利益となる。そこで、帳簿による価格221,934,959.44バーツだけである資産を全部で332,800,000バーツの高い金額で価格を設定し売買した。前述の売買価格は、売買があったときの市場価格ではなく、前述の売買価格は通常より高い価格であるという事実関係が明らかになったとき、前述の価格で売買する適切な理由がないときは、通常を超える部分の資産の購入費は、65条の3(15)に従って禁止される(損金とされない)。

(3)c会社と原告の間の売買は、c会社の資産を購入することだけではない。債務の購入でもある。又は、言い換えると、原告はc会社が持っている債務の責務を負わなければならない。資産及び債務の両方購入することにより、c会社の事業を購入する場合である。いずれにしても、c会社と原告の間の売買契約は、長期債務の売買もあったということは明らかになっていない。長期債務は、原告がc会社に代わって支払わなければならないと原告を縛っていない。原告がc会社に代わって長期債務のため利息を支払うとき、原告が支払った利息は、利益を求めるため、又は原告の専ら事業のための支出ではない。65条の3(15)に従って利益を計算するとき、禁止される支出とみなす(損金とされない)。

コメント
@控除納付しない税の金額に従って、所得の支払者は、原告の従業員と連帯して責任を負わなければならない。日本の場合、源泉徴収義務者の所得の支払者が不納付の責任を負い、従業員は不納付の責任は負わない。ただし、所得の支払者から従業員に対して税相当額の請求権が生じる。

Aあるタイの日系企業の就業規則をみると、「食事手当」は食事が用意されていたり、食事の接待費用を受けているときは、支給しないということになっている。また、辞書の解釈からすると宿泊費も含まれることになるが、宿泊費(出張場所により上限を定めた実費精算)、交通費(実費精算)は、「出張の経費」となっている。

B(3)の問題については、「資産、債務の売買契約及び資産、債務の売買のための修正契約に従って、原告のc会社から購入した資産及び債務項目の詳細が明らかであるが、問題となっている支払った利息の債権者の長期債権の売買があったということは明らかでないと考えている。」という理由による。長期債務の売買の契約書への記載が洩れていたのか。

 

[4]雇用者が使用人のため支出した税はどのように計算しなければならないか(最高裁の判決1675/仏暦2518西暦1975原告は会社、被告は国税局)

 雇用者が支出した金銭は、使用人の所得税費用である。どれくらいの所得金額であるか知る前に、使用人は自分の課税すべき所得から所得税をどれくらいの金額を支払わなければならないかという前に、支払うことを知らなければならない。使用人が支払わなければならないこの金額の所得税について、もし雇用者が使用人のため支出するならば、国税法40条(1)の中で規定しているところに従って、全部使用人の課税すべき所得とみなされるため、使用人の元の課税すべき所得と合算しなければならない。しかし、この方法で計算し、次に終わりのない十進法を繰り返すことはない。なぜなら、国税法の所得税率表に規定している所得税率より高い率で所得税を計算することであるからである。

解説
1.雇用者が使用人のため雇用費用を支払うとき、使用人はその受けた雇用費用のため、税を支払わなければならない。雇用者が支払の際税を控除し、地区、郡に納付させる方法により、税を支払う。そのとき、毎年の3月中に毎年の税を支払うため、申告書様式を提出しなければならない。使用人は、ポー・ンゴー・ドーの様式を提出しなければならない義務がある。1年の間受けた雇用費用で税を計算し、どのくらいの税金か算出し、雇用者が月ごとに控除税を控除して、確かにまだ不足する金額だけ税を支払う。もし月ごとに控除した税が、支払わなければならない税を超える金額があるならば、その超える金額を還付請求できる。
 前述の使用人が支払わなければならない税は、もし雇用費用を支払う月ごとに支出する、又は暦年の税を支払うとき支出することは言うまでもなく、雇用者が使用人のため支出するならば、使用人の課税すべき所得とみなし、さらに納税しなければならないか否かの問題がある。
 この問題に関して最高裁が決定した裁判がある。すなわち、最高裁判決1007/2507及び1008/2507がある。この2つの判決によると、最高裁は、「使用人に代わって雇用者が支出した所得税額は、課税すべき所得とみなし、納税しなければならないとはしない」と判決している。
 最高裁がこのように判決するとき、結果、すなわち、国税局は敗訴側である。雇用者が使用人のため支出した税費用から税を徴収できないであろう。国税局は、法律を修正提案することについて発令方法を求め、最後に「所得税費用又はその他の税費用として雇用者が支出した金銭は、使用人の課税すべき所得とみなす。」と発令された法律がある(国税法を補正する勅命2508年の第19号第3条)。この発令された法律があるとき、個人の側は法に従って行う。しかし、終わりのない十進法方式で重ねて再度重ねて計算しなければならなく、一度だけ計算することはできないと考える国税局の方針とは反対に、使用人のため支出した税金を一度だけ税の支払を計算することにより行っていた。
 このように異なる行為があるとき、結果、すなわち再度、裁判所が判決者となるに至った裁判があった。裁判所に至った裁判、すなわち、このように解説している最高裁判決1675/2518に従った裁判である。この裁判により、最高裁は、雇用者が支出した税費用の金銭は、終わりのない十進法方式で重ねて再度重ねて計算することはできず、一度だけ計算することはできると判決した。それは、すなわち、国税局は敗訴側である。続いて従う最高裁判決982/2419があった。最高裁は、国税局の終わりのない十進法方式で計算する方法は正しくないと考えることにより、国税局は裁判に負け、2つの裁判にはつながりがある。

2、使用人のために雇用者が支出した税の話は終わりにすべきである。しかし、決して終わりにならない。なぜなら、国税局は、その裁判に負けることは、その裁判における判決だけ負けて、その裁判の事実関係にのみ効果があるとみなしている。国税局は、次に、まだ確かに、終わりのない十進法方式で計算して税を徴収している。続いて国税局は「使用人のために雇用者が支出した税費用額は、どの範囲及びどの税年度か言うまでもなく、使用人に代わって税を支出した所得と同じ税における使用人の課税すべき所得とみなす。」とする法律の修正提案をした。これは、最後に2528年1月1日以後適用効果のある国税法を補正する2527年の勅命第13号7条、8条及び9条の形で発令された。法律を補正する効果、すなわち使用人の2528年の給料について、雇用者が使用人のために税を支出すると仮定する。雇用者は、この支出した税をどの課税年において郡に納付したか言うまでもない。例えば、2529年に納付しても、使用人の2528年の課税すべき所得とみなさなければならない。どれだけの範囲支出するか言うまでもなく、使用人の2528年の課税すべき所得とみなさなければならない。すなわち、終わりのない十進法方式で計算しなければならない。
 前述の原則において法律を修正する他、前述の勅命はまだ「雇用者又は金銭の支払者又はその他の者が、2528年以後、2528年前の課税年の所得のため代わりに支出した税費用額は、2528年の課税年の所得とみなす。」と30条において述べている臨時の規定があった。

 例  2526年及び2527年の月給について、雇用者は使用人のため税を支出した。しかし、前述の年に郡に納付する代わりに、2528年に納付する。使用人の2528年の課税すべき所得とみなさなければならない。又は、2528年に郡に納付する代わりに、2529年もしくは2530年に納付する。使用人の2528年の課税すべき所得とみなさなければならない。
 前述の原則の例外とみなす臨時の規定である。なぜなら、もし前述の原則に従っていると考えるならば、雇用者が使用人のために支出した税金は、順番に2526年及び2527年の使用人の課税すべき所得とみなさなければならない。前述の原則の例外の臨時規定がなければならない理由は、遡って法律問題とさせないためである。

3.個人所得税は、納税するため計算において現金基準(Cash Basis)を使わなければならない。すなわち、税を計算する所得は、受けてしまったものでなければならない。例えば、2528年1月1日に受けた2527年の12月の給料は、2528年の所得とみなさなければならない。2527年の税を計算することはできない。2528年の税を計算しなければならない。国税法を補正する2527年の勅命第13号は、雇用者が使用人のために支出した税金は、雇用者が使用人の代わりに支出した所得と同じ年の課税すべき所得であり、同額であるとき、現金基準の例外となる。

 例  2528年の月給について、雇用者が2529年に税を支出した。もし現金基準に従うと考えるならば、雇用者が支出した税費用額は、2529年における使用人の課税すべき所得とみなさなければならない。しかし、前述の勅命に従ってこのようにみなさない。雇用者が代わりに税を支出した月給と同一の2528年の使用人の課税すべき所得とみなす。それゆえ、現金基準の例外である。

4.最初から述べているところに従って法律を修正することは、当然、使用人が増加税額を納付しなければならないようにさせる。雇用者は、多くの範囲使用人のため税を支出すればするほど、使用人は多くの税を納付しなければならない。いずれにしても従う。もし人を管理する立場でみるならば、同じ月給をもつ2人がいる。1人は納税しなければならない。なぜなら、税を支出する者は誰もいない。しかし、もう1人は納税する必要がない。なぜなら、雇用者が税を支出する。月給を受けるとき、後者は、当然、最初の者より多く受ける。このように、当然、最初の者に対して公平ではない。後者である使用人に増加税額を支払わせることは、公平でないことを排除できることに値している。納税することにおける公平さは、どれぐらい重要なことかと思う。なぜなら、もし国民が納税において公平さを受けていないと感じるならば、国民は納税したくない。より多く脱税又は税の回避をしたい。重要な項目、雇用者が大部分の税を支出した使用人は、異邦人である。もし前述の法律を修正し明らかにすることがないならば、結果、異邦人がタイ人より多くの特権をもつというように変わる。すなわち、タイ人と同じ月給を受けるが、タイ人と同じように納税する必要がない。なぜなら、雇用者が、確かにどの範囲か言うまでもなく、使用人のため終始税を支出する。実際のところ、納税する責務を受けるもの、すなわち、国民と同等である。なぜなら、雇用者は、確かにこの税の責務を押しやり、国民に販売する商品又はサービスの原価の中に入れるからである。
 税の話は、多くの立場、多くの角度を見なければならない。どの角度、一つの角度だけで見ることはできない。

コメント
@個人所得税は、納税するため計算において現金基準(Cash Basis)を使わなければならない。 

A
a.雇用者の計算方法
 765,000(給与収入)-20,000(概算経費)-6,000(自己及び妻の軽減)=739,000(課税所得)
従って、使用人の年税額は、281,200(課税所得40万まで111,700、40万を超える部分169,500)となった。(自己及び妻の軽減とは、日本の基礎控除及び配偶者控除にあたる。)
 雇用者が2512年の使用人のため支出した税費用281,200は、使用人の所得となる。雇用者は、281,200に対する所得税140,600のため、2513年2月に提出した使用人のポー・ンゴー・ドー9の中で納税書を提出した。雇用者が2512年の所得に対し使用人のため支払った税費用として合算して421,800(281,200+140,600)となる。なお、2513年2月に雇用者が使用人のため支払った税費用は、納税するため使用人の2513年における所得として計算する。2514年も同じ。

b.国税局の計算方法
 次のような方程式で所得税を計算する。

所得の合計-196,600-軽減=所得税 すなわち、765,000-196,600-6,000=562,400
(196,600については、どのようにして出された金額かわからない)

 課税所得40万までについては、所得税111,700と計算される。課税所得40万から所得税111,700を控除した金額288,300が、使用人が実際受取って家にもって帰った金額とみなす。なぜなら、税費用111,700控除を受けた。288,300を超える450,700部分の使用人の所得を税費用450,700として計算する。受取って家にもって帰った金額と同額になる。税費用は全部加えて562,400となる。

 原告の計算方法について、最初の段階において原告はどれだけの金額の所得税額かを知るため、使用人の2512年の課税所得を法律の規定している基準に従って計算し、月割りを出すため割った。どれぐらいになるかの計算結果を得て、50条(1)に従って税金として控除する。そして、使用人に代わって支出した所得税額を40条(1)に従って使用人の課税すべき所得として含める。さらにもう一回、所得税率表に規定しているところに従って課税すべき所得から所得税額をいくら支払わなければならないか計算するとき、これが、原告が使用人に代わって支払わなければならない及び原告が支払ってしまった所得税額となる。一方、被告の計算方法は、被告は最初の40万の課税所得に対する所得税111,700を40万の課税所得から控除支払する。残額288,300(400,000-111,700)について被告が「受取って家にもって帰った金銭」と呼んでいる金銭であるとき、被告はこの受取って家にもって帰った金額を、使用人の全部の課税所得すなわち739,000から控除し、450,700(739,000-288,300)が残る。この超えるすなわち450,700の部分は、所得税額とみなして計算しなければならない。これは、課税所得の100%で所得税を計算することと同じである(所得税率表上、40万を超える税率は50%である)。全部所得税額を合わせると562,400となる。

c.aの計算方法はわかりやすいが、bの計算方法はわけがわからない。

B「雇用者は、確かにこの税の責務を押しやり、国民に販売する商品又はサービスの原価の中に入れるからである。」は、雇用者は支払った雇用費用から税を控除して国に納めるべきであるが、そのようにしなくとも、雇用者は使用人の税を負担して、これを使用人に対する雇用費用として原価算入できることを表しているのではないかと思う。

 

[5]年の中途に仕事に就く場合、支払の際の控除する税額を計算する方法(最高裁の判決3206/仏暦2525西暦1982原告は個人、被告は国税局)

 支払の際の控除所得税額を計算することについて、法律は課税すべき所得の支払者に、所得のある者が支払わなければならない金額と同額の税を控除させることを意図しているだけである。すなわち、所得のある者が受取ってしまった所得又は年の最後の月までに今後受取るべきことが明らかである所得から計算しなければならないだけである。そこで、年の中途に仕事につき又は年の中途に月給を受ける所得のある者のため、正しい支払の際の控除所得税額を計算する方法、すなわち、法律が規定した規則に従って税を計算するための課税すべき所得として、月給を支払う月から始めて年末まで前もって計算する。もしボーナスを支払うことがあるならば、税を計算するためボーナスを課税すべき所得として支払う月給と合算する。そして、支払った月数で割って、月ごとの税として控除する。

解説
 
従業員又は仕事をする人のため、支払の際の控除所得税額を計算することについては、国税局は従業員又は仕事をする人が一年中月給を受け、言い換えると支払う月給に12を乗じなければならないと考えている。このことは、たとえその者が仕事につき始めて1ヶ月だけその年において月給を受けても、従わなければならない。しかし、原告は次のように考えている。どの従業員又は仕事をする人も仕事に就きどの月においても月給を受ける。その月以後から年末まで数え計算する。どのくらいの数になるか。なぜなら、乗ずる数としてほしいからである。例えば、8月に仕事に就き月給を受ける年末まで数え、5月を得る。最初に支払う月給に5を乗じる。もしこの方法に従って計算するならば、雇用者である原告が支払いの際控除しなければならない税は、当然国税局の方法より少ない。
 最後にこの裁判が最高裁に至ったとき、最高裁は原告の考えに同意した。なぜなら、税を計算することができる所得は、受取ったものでなければならない。もし国税局の方法に従って計算するならば、所得のある者が受取っていない所得を合算して税の計算をすることと同じである。税金を所得のある者が支払わなければならないとすべき金額より高くさせ、納税者に税の還付請求において資格を持たなければならないようにさせる。
 その後2530年7月8日に、国税局長はポー16/2530の国税局通達を発令し、国税局の係官が前述の最高裁の判決方針に従って遵守して行うように通達した。 

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