うちのティナが死んだ。

自分のいまの気持ちをずっと残しておくために、書いておく。

12月の中旬だというのに土砂降りのきょう、うちで飼ってる3匹の猫のうちの1匹、ティナ(♂)が死んだ。

きのう家を出たときは、普段どおり元気だったのだが、深夜、ちらっと見たとき、ティナはぐったりしていた。以前、尿道結石を煩ったので、その再発だろうと思った。どちらにせよ、病院に連れて行かなければならない。心配で6時くらいまで眠れなかった。

今朝になって、近くの動物病院に連れて行った。診察を待っている間、か細い声で何度も鳴いてるので、「がんばれ」と励ましていると、かごの中で反対に向きを変えた。前の患者の犬が出てきて、いざ診察室に入ろうとして、声をかけたが反応がない。動いていない。腹部も動いておらず、呼吸していなかった。

お医者さんが急いで心臓に注射をして、長い間マッサージを施してくれたが、体温は下がり、ふたたび心臓が動くことはなかった。

ティナの心臓の周りには、ふつうは無い液体が溜まっていたようで、お医者さんによると、ティナは遺伝的に心臓が弱かったんだろう、とのことだった。そういう猫は急死してしまうことがよくあるそうだ。

家にティナを連れて帰ってきた。母猫のミヤがティナのからだの匂いを何度か嗅ぐと、理解したのだろう、そのまま2階に上がっていき、しばらく戻ってこなかった。弟のチビは、最初は理解しておらず普通にしていたが、のちほど動物霊園の人がティナの遺体を引き取りにきて、固くなったティナに鼻を近づけたとき、やっと状況がわかったようだ。

いつもは廊下を走り回って暴れている2匹が、きょうはとてもおとなしい。

ティナは、生まれたときは不細工だったが、成長するにつれ、かわいくなっていた。手前味噌ではなく、ほんとうにかわいかった。そして、生まれつきしっぽの先が折れ曲がっていて、ちょんまげみたいなしっぽで、それもまたかわいかった。

ほんとうに猫なのかと思うくらい、いつも、誰に対しても人懐っこい猫だった。僕が階段に腰をかければすぐにひざに乗っかってきて、なでろと頭をぐいぐい腕になすり付けてきた。ティナの近くを通れば「がー」というハスキーな鳴き声を上げ、ちょっと無視すると体をねじって、仰向けになって甘えた。

ほんとうに愛しい猫だった。ほんとうにいい猫だった。だからほんとうに、とても悲しいのだ。たしかに病弱なところはあって、うちの3匹の猫の中では最初に死んでしまうんじゃないかと予感はしていたんだけど、それでも、たった5年半の命だなんてあまりにかわいそうだ。

思えば、何度も落としたり、少々乱暴に扱っても無事だった僕のメガネがきのう、外出先のゴムの床に落ちただけで壊れてしまったことが、家で苦しんでいるティナからのメッセージだったのではないだろうか、何故そのとき何かを感じることができなかったのだろうかと思うと悔しい。だから、この壊れたメガネはずっと大切にとっておこうと決めた。

デジカメで猫の写真ばかり撮っていることを妹によくバカにされていたけど、いろんなティナをたくさん撮っておいてよかった。でも、きょうの土砂降りが、とても腹立たしい。