[US Open 2005] 準々決勝、アガシvsブレイク

ていうか、これだけの好試合なのに、まだ準々決勝だなんて。

ブレイクが6-3/6-3でセットを連取。アガシがどれだけ厳しいところにショットを打ち込んでもブレイクが拾い続け、また、強烈なショットを繰り出す。あのエラーの少ないアガシが、勢いに押されて、エラーを積み上げてしまう。

試合はたいへん締まったもので、テンポよく進む。決して一方的な展開ではないが、1時間もかからずに、6-3、6-3でブレイクが2つのセットを奪う。このままアメリカのヒーローの新旧世代交代がなされるだろうかと思った。このまま淡々と最後のアガシの勇姿を見ることになるのだろうか。

第3セット。ブレイクのブレイクアップを凌ぎ、アガシが奪取。第4セット。アガシが第3ゲームをラブゲームでブレイクするが、第6ゲームをブレイクがブレイクバック。だが、次のゲームでアガシが再びブレイク。そのまま第4セットも手にして、勝負はファイナルセットへ。

ファイナルセット。先にブレイクがブレイクし、お互いキープして5-4。ブレイクのサーヴィング・フォー・ザ・マッチ、これをキープすればブレイクの勝利。だが、アガシがこのゲームをブレイクバック。そのままキープしあって6-6に。

このまま2ゲーム差がつくまで、長い戦いが続くのか、と思ったら、US Openはファイナルセットもタイブレークをやるのを思い出した。

タイブレーク。観客は総立ち。現地時間は午前1時。

アガシはミニブレイクを許し、3-0。だが、3-3に追いつき、さらに6-5に持ち込んで、まず最初のマッチポイント。これは、ブレイクが凌ぐ。次のポイント、アガシがドロップショットでブレイクを前に呼び込んで、ストレートにパス、アガシの7-6。アガシ、2度目のマッチポイント。今度は、ブレイクのサービスをフォアに回り込んで、ダウン・ザ・ライン。

アガシが勝利。ベスト4へ進出。

すばらしい試合だった。ブレイクが勝っても良かったと言える。目頭が熱くなった。アガシとブレイクがお互いを讃えあう。同時通訳がなかったのでインタビューの内容はよくわからなかったが、アガシが「僕の勝利ではない。テニスの勝利だ」と語ったらしい。

アガシのUS Openがまだまだ続くぞ。このまま勝ち続けてフェデラーを決勝で破るのをぜひとも見たい。サフィンがいない以上、フェデラーを倒せるのはアガシしかいないだろう、もう。ナルバンディアン、ヒューイット、ニーミネン、ジネプリでは力不足だ。

もし、この大会で敗れたとしても、まだまだアガシに引退してもらいたくないと強く思った。まだまだ行けるよ。