初めての挑戦 −まさかの敗北−
2000年8月2日〜3日
遂に来た,初チャレンジの日。
記念すべき初登山の同行者は,息子(小4)。
この小さな同行者と無事に登頂を果たすため,各種HomePageを参考にして
自分なりに準備を行なった。
・
特に,富士山では必須とも言える道具(杖,雨具)など,少々値が張る
ものも,二人分買い揃えた。(今まで持ってなかった...反省)
・
コースシミュレートを重ね,途中挫折(もちろん息子。もしかしたら自分も..)
の際の対処方法も色々検討し,途中下山の容易さ/車でのアプローチの簡単さ
を考慮し,「富士宮口・新五合目」から昼間トライすることとした。
・
未知の高山病対策として,前日夜から5合目にて車中泊して体を慣らすこととし,
特に息子には予備知識の投入(高山病とは?,症状?,深呼吸の大切さ,など)を
十分に行い予防に努めた。(思えば,これが...)
登山前夜・・・(8/2)
自宅(東京都内東部)を,夕方5:00頃に出発し,途中海老名SAのCASAにて
肉ものの夕食をとり,21:00頃富士吉田口・新五合目に到着した。
途中,東名・裾野ICから富士スバルラインへ向かう。
初めてのルートだったが看板の「富士」の方向にひたすら進んでいけば勝手に
向かうことになるので,夜間ながらそれほどの不自由もなかった。また,日本道路公団のHomePageにあった裾野ICからのルート説明も,IC近くのTOYOTA工場脇での道順に
ついて非常に参考になった。
「南富士エバーグリーンライン」に入った頃から非常な濃霧に包まれ,最悪時には
ライトをビームにした状態では走行不可能になり,Lowビーム状態で徐行気味に
走らざるを得ない状況にまでなったが,これもスバルライン登山口に入った以降の
約1000mの登坂途中に,スカンと晴れてしまい,五合目あたりは満天の星空を満喫できた。
(息子の夏休みの宿題・星の観望も無事終えることが出来た)
下界は一面の雲海に覆われ,途中の濃霧突破は雲を突き抜けて来たんだとびっくり。
何はともあれ,高度2400mの威力をまざまざと見せ付けられた気がした。
二人とも,頭痛/気分の悪さ等もなく,「これはしめしめ」と思いながら,
売店での土産物の下見を終えた後は,車中の寝袋にてオートキャンプと
洒落こんだのであった。 Zzzzz........
登山当日・・・(8/3)
予定通り,午前4:00に目覚めた私は,準備でもするかとゴソゴソ起きだした。
息子もその気配に目覚めたようで,二人しておにぎりと味噌汁の簡単な朝食を
摂った。
よく,高山病は睡眠時になってしまうとの情報を思い出し,息子の調子を確認
するが,問題ないとのこと。そうこうするうちに空も明るくなってきて,雲一つない
快晴の空が,われわれの初登山を祝福してくれているようで,俄然やる気が
出てきた。
着替え/装備確認も終了し,かなりの息子の荷物まで背負い込んだザックが
持った感じでずっしり来たので,ちょっとビビリながらも背負ってみたところ,
「ん?.軽い..」
そう,私の一番のお気に入りの山行専用のザックが,私の背中に吸い付くように
フィットしているため,ほとんど重みを感じない気がするのだ。
この違和感のなさが,今回の登山の成功を暗示しているようで,胸の高ぶりは
頂点に達しようとしていた。 (この感覚,解っていただけるでしょうか?)
↑ 写真1 朝の五合目から撮影。空中に浮かぶ影富士...見えますか?
↑ 写真2 出発寸前の息子。顔色がやや優れないのは,寝起きと朝の寒さのせいかと思われたが..
さあ,それではいざ出発...の前に,忘れちゃいけないのはトイレ。I
富士宮口側は小屋が少ないのでトイレは大事...と,本にも書いてあった。
そこで,売店のトイレを探して地下?に降りていくと,昨晩使ったややきれいな
トイレが閉まっているではないか....
「あれれ..困ったなぁ」と思っていると,トイレはもう一段下の看板が...
その看板にしたがって降りていくと,上のとはうってかわって汚いトイレが。
まあ,別に驚くことでもないかと,用を済まそうとしたところ,息子が突然
「トイレが臭い」の一言を残して,ゲロ...
「おいおい,ほんまかいや...」と思いながらも,さほど問題に見えなかった
私は,「とりあえず登り始めるか?」と,息子の同意を得て歩き出した。
ところが,最初の階段を過ぎた時点で,すでに後ろについてきていない。
と,突如目の前に現れたハイテクトイレ(よく本に載っている,2億円トイレ)で
息子に再度用足しを促す。でも,えらく長いこと出てこない(小なのに..)
お金(100円)を入れ終わった私がしばし待つと,息子が青い顔で出てきた。
まだ気分が悪いと言い,唇の色はほっぺたと同化しかかっているではないか..
さすがに「やばい」と感じた私は,とりあえず車に戻ろうと下山しかかったところ
更なる嘔吐で胃袋空っぽ状態。
なんとか車まで下山できたからよかったものの(と言っても,数十mしか登って
いないが),この状態に7〜8合目あたりだったらと思うと,正直ぞっとした。
とにかく,車で装備を解いているうちに,状態は回復してきたようだが,これ以上の
好転も望めそうもないため,今回のチャレンジは断念することとした。
↑ 写真3 出発断念後の朝日に輝く富士山。頂上には測候所のドームが見えています。
この後,土産物屋が開くのを待って,昨晩下見しておいたお土産を
買いこみとりあえず高度を下げるべく五合目を後にしたが,途中に寄ろうと
考えた「富士山資料館」さえまだ開館していない時間なので,今後の登山の
下見も兼ねてスバルラインを東へ少し進んで,太郎坊の「御殿場口新五合目」に
行ってみた。
こちらはまた,富士宮口の喧騒とはうって変わって静かで荒涼とした雰囲気で,
不人気の登山道とは聞いていたが,これほどまでに寂しいものかと驚いた。
入り口から10分ほどの「大石小屋」で一本200円のコーラを飲み(よく冷えては
いたが..),砂走りに続く下山ト道の様子を確認して,富士山を後にした。
↑ 写真4 御殿場口登山道入り口の鳥居にて。
↑ 写真5 大石小屋から,双子山方面を望む。
↑ 写真6 大石小屋と駐車場間のミニ砂走りを走る息子。この頃には体調も完全復活。
反省点
今回の敗退については,一応高山病が主原因であると思うのではあるが,
それ以上に影響を及ぼしたのが,登山前の高山病についての恐怖心を
吹き込みすぎた点にあると考えている。
(この点に関しては,後日,息子に確認してみたところ,本人も認めている)
本人なりに高山病について色々と考えていたようで,その緊張がトイレの
悪臭を引き金に嘔吐に変わり,登山自体への恐怖に結びついたと思われる。
(事実,登山中止を決めた後の五合目では,比較的ピンピンしていたのだから)
こういう,感受性の強いお子さんを伴っての登山を計画されている方は,
いっそのこと 予備知識なしで連れて行ってしまうのもよいかもしれない。
今回,履きなれたくるぶしまでの軽トレッキングシューズを履いていたのだが,
このタイプの靴では絶対に厳しいことが,今回の数十mの登山ででも実感できた。
よく,諸先輩方のHomePageに,足首をしっかり覆うタイプの靴が推奨されている
のを見かけるが,これは正しい。
くるぶしくらいまでの靴だと,富士山のような急勾配では,かかとがすっぽ抜ける/
砂塵が靴に入るなど,足首まで覆うタイプの靴に対して,
圧倒的に不利,いや足首への負担を考えると危険でさえあると言える。
私も,この時点で,新しい登山靴の購入を心に決めたのであった。
それにしても,上記 写真3にもあるように,少々晴れすぎてはいたが,
絶好の登山日和にその機会を逃した無念さは,私にとっては計り知れない
ものがあった。
そして,この2000年夏中での再トライを,深く心に誓うのであった。