計画/準備

(1) 経緯

昨年,初挑戦で,兄が途中下山した際と同じ8合目(3250m)までの
日帰り登山を成功させた娘が「今年こそは山頂に行きたい」ということで,
登頂を目指した再挑戦と相成った。
ただし,昨年の日帰り登山での体力消耗度合いを考えると,ヘトヘトで
山頂についてもつらいだけの思い出しか残らないだろうし,別に登山が
好きでたまらない訳ではない娘のよい思い出にしてあげたいとの親心から
父親にとっても初めての,『山小屋予約・一泊二日富士登山』を行なって
みることにした。

このあたりの気遣い方が息子の場合と違うと,息子(と母親)からやや顰蹙(ヒンシュク)を
買っているという事実もあるのだが,父親としては「つらい目を経験しておくと,
その後の人生が楽になる」という哲学があるので,息子には色々と経験をさせている。
(父親が出来ることは,息子なら出来ないわけがないだろうと...)

だが,華奢な娘となるとそういうわけにも行かないので,
『安全第一・楽しさ一杯・おいしいご飯』をモットーに,一生に一度
だろうから,最高の富士登山をプレゼントしてあげたいという前提で,
今回の予定を計画したのだ。(父親の体力にも限りがあるので,たまには
のんびり気分で富士山に登りたかったという考えもあった...今夏2回目だし...)

この富士登山の数日前に,登山靴を新しく買いなおした娘の足慣らしと,
昨年,自分も富士山に登ると宣言しながら,「小さいからまだだめ」と
おあずけを食らってうらやましそうに娘の準備を見ていた下の息子
をなだめる目的で,筑波山に登ってみたのだが,この時の娘の様子を
見て,以前の登り具合との差にビックリ!!
いつもなら,家族に先行してヒョイヒョイ登っていくのは,上の兄の
役目なのだが,今回は娘がその役目を果たして,軽々と下の息子を
先導していく。
「これは富士山でも確実に登頂を期待できる」とほくそえみながら,
下の息子を後押ししながらのんびり登って行った父親であった。
(この時の下の息子の登りっぷりも大したものだったが,それは置いといて...)



(2)  登山計画

 今年の登山計画は,前述のように山小屋一泊コースであり,以下のようなものとした。

 ・ 空いている平日+スバルライン交通規制前+父親の夏休み期間中=8/3〜8/6 の間。
 ・ 午前中に河口湖口五合目に車で入り,午後登山開始し,夕刻に山小屋入り。
・山小屋(7合目最上部)で御来迎を拝んだあと,のんびり山頂を目指す。
・ あわよくば,最高峰・3776mも経験させたい。

当初,8月3日〜4日の予定でこの登山を計画していたのだが,その数日前から
日本南岸を西進するというひねくれた台風10号のせいで刺激された前線の雲が微妙に
富士山あたりを撫でるという予報から,実際に登山する時刻の天候回復を狙って,
急遽,決行日を8月5日〜6日に変更した。
いつもなら,フリーなので日程変更は自由なのだが,今回は山小屋の予約が絡んで
ちょっと面倒な部分もあったのだが,幸いにも同じ山小屋にて再予約も可能となり
ひと安心というところ。
結果的には,この日程ずらしが大成功し,8/5PM〜8/6夕刻まで,理想的とも
言える登山日和に恵まれたのだった。(山小屋で同宿した人に聞いたところ,
その前2日間は登山道から太陽が見られなかったらしい)

昨年の経験で,『きれいなトイレ』を切望されていたのだが,8合目付近で最もきれいな
トイレがある『太子館』は満員とのこと。(団体御用達みたいなので)
さてそれならばどこの小屋にしようかと考えあぐねたが,結局,4年前の父親初登頂時に
雷雨に打たれて夜中に逃げ込んだことのある『東洋館』に決定した。7合目の最上部にあたる
立地条件と(あんまり下だと翌日がつらいし,あんまり上でも睡眠中の高山病が心配),
一回でも内部をみたことがあるという安心感が選択を大きく左右した。
ただし,問題の『トイレ』があまりきれいではなく,これだけが心残りだったのだが,
ないものは仕方がないので,娘も我慢して使用していたようである。
(翌朝の朝のトイレは,娘の切望により,もう一個先の「太子館」まで我慢して行った)


(3)   娘のこだわり

昨年もあった,娘のこだわりだが,今年はというと,

  1点目: 「絶対山頂まで行きたい」 ・・・ 全然問題なし。(最高峰もひそかに期待)

  2点目:「また,お気に入りの熊ちゃんを連れて行きたい」  ・・・  やはりかと,父は...

3点目: 新しい金剛杖を買って,焼印をもう一度集め直したい ・・・ 昨年の続きでいいのではと思ったが,仕方ない。

  この2点目の「熊ちゃん」であるが,昨年連れて行ったピアノの発表会の「参加賞」の熊が
一頭では可愛そうだという理由で,更に買い足した同型の熊ちゃんで,色は薄むらさき。
  今年も,娘は空身(手ぶら)登山なので,「紫熊ちゃん」はまたも父親のリュックに同乗を
許可されたのであった。


(4)   さらに,実験など

夏休みのレポートとして,富士登山毎に重ねてきた各種実験をまとめたいとの
上の息子の希望により,追加実験を依頼されたので,それを今回の実験とすることにした。

・富士山頂の空気を詰めたペットボトルを地上に降ろすとどうなるか?(気圧差の実験)

・山頂付近で「手もみカイロ」はどこまで暖まるか?(酸素濃度の低さの検証)

・ 一般に,高度が100m上がると気温は0.6℃下がると言われているが,本当か?

これらの実験・検証用データの採取が,結構大きな仕事になったが,結果はなかなか
興味深いものとなった。

<< 持ち物など >>

   戻る      一日目(自宅〜七合目 東洋館)へ