(2) 二日目(七合目 東洋館〜下山)

6:22 東洋館発

御来迎後の1時間弱の睡眠で寝不足気味をかなり解消した
二人がまず考えたのがトイレ。
東洋館でしていけばいいのだが,娘による「汚くなっているので
できれば避けたい」の一言で,次の太子館まで我慢することを
決意する。(実は,父親も同じことを考えていたのだが)

3000mをクリアし、

約20分の岩場登りの後,

6:45 太子館着 (3100m)(20.6℃ 705hPa)

ここで長いトイレ休憩をとる。昨年見た通りのきれいなトイレで
腹の中のものをすっきり処理することができた。
このくらいキレイで,自然にもやさしいということなら,100円
なんか安いものなんだが...。

6:57 太子館発

7:04 蓬莱館着 (3150m)(21.5℃ 702hPa)

今度はここに泊まってみてもいいかな,と思わせる,なんとなく
気分のよい山小屋なのだが,残念ながらトイレは汚なそうだった。
息子と来る時にはここでもいかな? などと思いながら,さすがに
恒例のカップラーメンは時間の関係でパスし,先へ進む。

ここから先は岩場も切れて,ザクザクの坂道に戻るので,
まずは昨年の最高到達地点である,元祖室を目指して,ゆっくり
登っていく。

実は,このあたりで父親の腰の辺りがなんとなく痛くなってきて
本当に登り切れるかがちょっと心配になったが,だましだまし登れる
速度で行くかと,娘の山頂到達サポートに専念する。

先ほど七合目からスタートしたばかりとは思えないほどしんどい
登坂だったが,目前に見える元祖室を目指して歩き続ける。


 
 7:32 白雲荘 着 (3200m) 692hPa     ↑ 山肌の傾斜のきつさに注目

 ←(昨年の最終到達高度)
 7:47 元祖室 着 (3250m) 689hPa

予想外の疲れ具合に驚いたが,無事に最初の目標に到達する。
ここで,実験2(ホカロン)をセット。
水を補給(500円)した後,出発する。

 ↑ 今年は下山道ではなく登山道を行くと決意も新たに,
   (向かって左方向が,昨年向かった下山道へのエスケープルート)

 ←焼印押しを依頼中の娘
8:26 富士山ホテル 着 (3400m) 679hPa

8:50 本八合トモエ館 着 (3400m) 679hPa

 この二つは並んでいるが,焼印押すのに時間がかかり
こんな到着時刻になってしまった。(炭火が熾らなかったみたいだ)


9:12 御来迎館 着 (3450m) 672hPa

ここから先は山頂まで小屋もなく,もう後戻りできないという
覚悟を強いられるところだ。
娘に,この先の道の説明をしたところ,弱音でも吐くかと思いきや
「よ〜し,絶対に登るぞ〜!!」とすごい決意を見せてくれた。
ちょっと驚きの誤算だったが,うれしい限りであり,意地でも
山頂まで連れて行ってやると父も決意を新たにしたものである。

9:25 御来迎館 発



だんだん狭く,殺風景になってくる雰囲気を打破しようと,
途中の白鳥居(別名,偽山頂)あたりで,金剛杖に付いている
鈴の奉納場所があるんだと話をしていたが,着いてみると,
そこには鈴の姿がひとつもないではないか。
後で,ネットで「鈴の置き去りも立派なゴミ捨て行為だ」と
いうのを読み,当たり前のように見ていた風景の不自然さに
猛反省したものである。

実は,自分の鈴だけでも置いてこようかと思ったのだが,
ひとつもないから誰も置いていなかったわけで,一人でも
置いたが最後,みんな後に続いて元の木阿弥になってしまった
のだろう。思いとどまってよかった。
(この鈴,杖に付けていると結構うるさいので,ポケットにしまって
いたのだが,実はできれば早く処分したい気もあったのだ)


9:57 白鳥居に到着。 661hPa  山頂が見えてくる。

 これから先は頂上の神社の境内ということで,気を引き締めて
最後の休憩を行う。
ここで,兄の登山での経験で効果的とわかった,酢飲料を二人で補給する。


ようやく見え始めた本物の山頂の鳥居を見た娘は,

俄然張り切って,前に行く人を追い越さんばかりの勢いで,ガシガシ登っていく。
ちょっ,ちょっと早すぎ!!
(娘の体力/高山病も心配ながら,我が体力が一番心配だった父...)

その後も娘の勢いは止まらず,外人さえも追い抜き,一気に
山頂の鳥居へ到達。

お見事である。
  
10:30 河口湖口山頂着 648hPa

まずは山頂の神社で登頂のお礼参りと,お札/お守りの買い物をする。
この時点で,結構疲れた様子を見せていた娘だったが,
この後,山頂小屋で,山頂でしか買えない登頂記念ピンバッジを
(日付入り)と,弟向けにこれまた山頂限定のマグカップを買った
頃には元気が戻ったようで,相変わらずうららかな天候を見て,
「こんないい天気はめったにないから,お鉢めぐりに挑戦する?」
と聞いて見ると,「やってみよっか!!」との元気な返事が。

気が変わらないうちに,神社裏側の道から反時計周りにスタート。



実は,父親も初めてのお鉢めぐりだったので,道を知らなかった
のだが,多分一本道だろうととにかく行ってみる。

もうちょっと狭い道かと思っていたが,予想以上にだだっ広い
中を歩いて,ちょっと不思議な感じ。
広場状の場所には,石で描いたメッセージが一杯。いたずらの
程度を越して,ちょっと関心してしまったくらい。  ↓わかるかな?



広場状の部分を抜けると登り坂に差し掛かる。
ここで,右手に結構でかい穴が開いているのに気づく。
山頂に噴火口?が2つあるとは知らなかった。

更に,道は一路最高峰を目指して険しくなる。

時折通り過ぎるガスに巻かれながらも,火口の周りを順調に進む二人。
  

そして,ついに,

 ↑ 11:30 最高峰到着 (3776m) 644hPa

さすがに,結構寒さを感じたが,それでも10度以上はあり,
父は久しぶりの,娘は初めての日本最高峰を堪能した。

ついでに,測候所裏の展望台にも行ってみる。
ここは,最高峰三角点よりも更に2mほど高い場所にあり,
素人が行ける正真正銘の日本最高度地点なのだが,他の人は
誰もいなかった。(もしかして,知らない?)


無事に記念撮影を終え,実験1(ペットボトル)の空気詰めを終えると,
二人の意見は一致していた。
「 腹減った!! 」

急いで,先ほどブルドーザが降りて行った馬の背を注意深く降り,
今だに工事現場然としている「このしろ池」あたりを横切り
富士宮口山頂山小屋に着く。

2週間程前に息子と夜間登山した際には全く気づかなかったが,
富士宮口山頂名物の超汚いトイレの姿が消えていた。
うず高く積もった大便がヒンシュクをかっていたものすごい
トイレだったのだが,ついにキレイなトイレに生まれ変わるような
感じである。来年が楽しみである。

山頂小屋に入ると,二人ともカレーを頼む。
明らかにレトルトカレーなのだが,これが結構美味いのだ。
いつもは小食の娘も,この時ばかりはペロリと平らげてしまって
いつもなら残りものを処理する父親も出番がなかった。


元気を取り戻した二人は,二週間前に息子とつらい一晩を過ごした
神社建物の入り口で記念写真を撮り,
  
一路,河口湖口山頂に向けて残りの周回コースを進む。

息子とは,足を踏み出すのもつらい状況で歩いていた道も,
今回は,好天に恵まれ、何の苦もなく歩ける。
やはり,山頂歩きはこうでなければ。

程なく,河口湖口下山道前に着いた二人は,山小屋前のベンチで
最後の休憩をとる。
元気に土産物を見る娘をボーっと見ていると,なんだか
腹のあたりがチクチクする。その点が移動する感じがしたので
服をめくってみると,服の中から,なんと,蜂が...

お腹には,小さいながら4つの赤い点が...
何で富士山頂に蜂がいるんだぁ〜〜〜

そういえば,今回の登山中,色々な虫を見かけた。
山頂で蝶を見かけたのも初めてである。なんか,変だ...

蜂に刺されてがっくりきたせいもあり,バイオトイレで
用を足して,下山に取り掛かる。
ちなみに,今回は初めて父親もこのバイオトイレを使ってみたが
そのキレイさに驚いた。
水洗+手洗い水もあり である。富士山頂なのに。
水はどうしているのだろう?


13:00過ぎ 下山開始。

離れ離れで歩くのは,息子の時で懲りたので,極力一緒に下る。
娘も一生懸命ついてくる。

やっぱり最初の下りはきついとぼやきながら,無事に河口湖口/
須走口分岐点に到着する。

小屋前のベンチで休憩していると,娘がどうしてもこの小屋の焼印
も欲しいと言い出し,歩いたルート上の最後の焼印として,この
江戸屋 でも焼印を押す。

思えば,金剛杖も焼印だらけで立派になったものである。
計17個で3500円かかった計算だ。
(一個200円だが,山頂の神社だけは特別に300円かかる。
ただし,山頂の岩を砕いて作ったインク?を打ち込んでくれる
赤い焼印(彫り印?)なので,高いのは納得する)

ここからは,ほぼ,昨年降りた下山道になるので,娘も
懐かしくもつらい顔で7合目のトイレを目指して歩き続ける。
 ← 一回だけ,ちょっと休憩
しかし,何度歩いても長い下りである。

そろそろ,恐れていたひざ痛が出てきた頃,ようやく7合目
トイレに到着。
娘だけ用を足して,更に6合目を目指す。

例年,ここからが結構つらいのだが,今年も例外なくつらかった。

ここでも,娘は元気一杯で,下り坂を走って降りる荒業を見せて
くれ,「ちょっと待て」という情けない指示を出す父は,なんだか
世代交代に近い寂しい気分を,ちょっと味わったものである。

六合目を過ぎると,またまたこれから登るツアー客とすれ違うが,
今年は正真正銘,山頂まで行った金剛杖を誇らしげに娘に持たせた
ので,ツアー客よりガイドさんに「一杯押して。よう頑張ったねぇ」
などと言われながら歩き続けた。
少し雲が出てきた中で,遠くで雷のような音もするので,これから
登る人の安否を心配しながらも,自分達も雨に当たらないように
急ぎ歩き,16:30頃,無事五合目に帰還した。

今までで一番のんびりした富士登山だった。。

この後,帰りの中央高速道で,20kmの渋滞につかまって
ヘロヘロになりながらも,横でぐっすりと眠る娘の寝顔を見る
につけ,「一緒に山頂まで行けてよかった」と嬉しさを噛み締める
父親の姿がそこにあった。

21:00 自宅着...

2004年の夏は終わった...

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おまけ

登山途中でこなした実験結果を記載して,登山レポートを
終わりたい。

実験1:
富士山頂の空気を詰めたペットボトルを地上に降ろすとどうなるか?
(気圧差の実験)

富士山最高峰(3776m)の空気を密閉したペットボトルは,
五合目(2305m)まで下山するも,特に変化は見られなかった。
ところがである。
五合目から一路下界を目指す車の中で,4合目を過ぎたあたりから
リュックの中でベコベコいう音がし出し,その後も3合目,2合目と
その音は続いた。
途中休憩したサービスエリアで確認してみたところ...

みごとにペットボトルはぺったんこ状態。
 ← 左が普通の状態,右が今回つぶれたもの
こんな気圧差に耐えている人間って,すごい!!

実験2:
山頂付近で「手もみカイロ」はどこまで暖まるか?
(酸素濃度の低さの検証)

3000m以上では,どうしても25℃以上には上がらなかった
使い捨てカイロの温度が,五合目まで降りてくるといきなり35℃
以上に上昇。やっと,普通のカイロに戻った感じ。
そういえば,3400mを超える小屋では,焼印を押すのに結構時間が
かかったが,どうも炭火の火力が弱かったせいだったようだ。
明らかに酸素濃度が低くなっていたようだ。
道理で,息も苦しいはずである。

結局,富士山頂での暖をとるためには,使い捨てカイロは向いていない
ということがわかった。


実験3:
高度が100m上がると気温は0.6℃下がると言われているが,本当か?

これに関しては,ちょっと温度測定に失敗した感があり,リュックにくくり
つけていた温度計に,折からの晴天による直射日光が当たり,常に20℃以上を
示してしまっていたのだ。

しかたないので,最高峰(3776m)と五合目(2305m)の2点間の
気温差だけで計算してみたところ,

結果:3776m地点 644hpa/14.9℃
    (2004年8月6日 11:30 富士山・剣ヶ峰頂上 測候所入り口付近で測定)
   2305m地点 772hpa/23.7℃ 
    (2004年8月6日 16:30 河口湖口五合目駐車場付近で測定)
   高度差は1471mなので,理論値は
   1471÷100×0.6 = 8.826℃の低下となるはず。
   実際には,
   23.7 − 14.9 = 8.8℃ と,ほぼ一致した。

う〜ん,あまりにうそ臭いほどぴったりな値である。
が,事実は事実。認めざるを得ない。
(もう一回,やってみたい実験ではある)


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