ウイルスの環境汚染に対する総合的対策の必要性(現場から)



国は未だに清浄国の旗を推し進めているのに、国民のほうは養鶏場に近付かないはおろか、カラスの飛んでる下は避けて通るとかツバメの巣を叩き落とす所まで来て居るし、一部の学者同志の話し合いのなかでも、このまま自然終息は有り得ない。パンデミックはいつ頃起きるかなんてクイズが流行っていると聞かされた。流石に、もう誰も国の云うことなんて信じていない。

養鶏現場から見ても、まるで実効性がないとか殊更出口を塞いであるとかで、使えるものは何もない。業者などが要求しているワクチンにしても、世界各国で効果を挙げている交差免疫を一切認めない喜田教授のグループが、鶏の生き埋めよりワクチンをという国民の声に押されて、実際は全く使う気がないのに実質わずか65万羽分を、世論をかわす目的でオランダ・インターベット社から、税金の無駄使いの3倍ちかい値段で購入したと非難されているもの。しかもその使い方は万一の緊急時に発生現場をリング状に囲んで、一回のみ接種し、その後その肉は廃棄させるという、実効性も出口もないもので、予めこの方向を示されているのだから学者のみならず、養鶏家でもワクチン賛成と云う訳に行かないのだ。そのうえその筋道に沿って議論させるという狡さだから、ワクチン賛成論が出る訳は無い。農水省も全く狡猾である。インフルエンザワクチンはFAOなどの勧告通り、環境中のウイルス量を減らして人間の生存を計ることが目的でなければならぬから、その趣旨に沿った使い方をしなければ意味がない。

実際の備蓄など無いに等しいのに有るが如く仮装して国民を欺き、とんでもない使い方を予め指示したうえで、ワクチンそのものの賛否を問うという、学者一味と農水省のやりかたは国賊以外のなにものでもない。養鶏現場としても、育成中のワクチネーションプログラムに組み入れて毎年恒常的に使うのでなければワクチンを使う意味も実効性も無く、ごまかしだらけの恣意的な対策委員会では全く意味が無い。

更に、カラスのウイルス汚染が分かったからトリの侵入しないウインドレス鶏舎の新設に半額の補助をすると云う新聞記事には呆れ返るよりない。一旦汚染したら野鳥と比較にならないほど危ないネズミに対して、とっくに国立動物衛生研究所の実験結果が発表されて、もう雑誌等によって最も危険なキャリアと国民も知らされているのに、トリ学者も補助金のつかぬことには知らん顔、しかもそのネズミは発症現場から飛び散ったあとだ。カラスでもいい、至る所で死ぬようになるとネズミがそれを食い荒らし、保毒者となって付近の民家や養鶏場に駆け込む。その際、ウインドレス鶏舎にどれほどの意味があるというのだ。もっと重大なことは1996年以来、すでに我が国はH1,H3によって汚染されている事実(家畜衛生試験場調査)や、大槻教授の調べでも1983年以来H5N3が渡り鳥の糞から採取されており我が国の実態はすでに立派な汚染国であるにも拘わらず、HPAIのH5N1の続発を見てさえも、まだ清浄国の看板にこだわって、養鶏業界の限りない損失を、平然と自分達には痛くもかゆくもない国民の血税で補い、あげくのはては国民の生命まで危険に晒す、この方向だけはあらゆる公的資料をもとに、広くマスコミの協力も得て、その実態を国民に知ってもらわねばならないのである。

マスコミ諸氏よ、既に消えたり、消されてしまった古い公的機関の発表記事もファイルしてある。そこからそれぞれをたどって取材して貰いたい。次第に真実が分かって来る筈だ。それを国民に知らしめて呉れ給え。国民の安全の為に。

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