海外の鳥インフルエンザワクチン使用例は『混乱を招いた』だけ?


3日夜に農水省で行われた第5回家きん疾病小委員会の喜田宏委員長の話によると、『ワクチン使用は発症は抑えられても感染は防ぐことができず、かえって混乱を招く可能性がある』『ワクチンを使っても完全に封じ込めることは出来ない』『海外のケースでもかえって長引いてしまったり、混乱を招いた例しかない』『ワクチンを使えば病気が治るかのような考えは誤り』と述べている。

どうやら、喜田教授は海外の失敗例しか知らないらしい。それとも成功例をあえて見ないようにしているのだろうか?

鳥インフルエンザの不活化ワクチンはアメリカやイタリアそしてメキシコに於いて、発生時の対策として有効に使用された実績が既にある。特にメキシコでは、1995年に高病原性鳥インフルエンザが発生して以来、今までに25億ドース以上のワクチン投与を実施し、それ以来一度も高病原性鳥インフルエンザの発生がない。

これらの実績を無視する喜田教授らの学者は、少なくともワクチンでは鳥インフルエンザをコントロールできないという、科学的な根拠を明確に国民に示さなければならない。

先日のNHKで放送されたオランダの例ように、感染確認後の積極的な淘汰にもかかわらず、蔓延は広がり、人間への感染を促し、最後には死者まで出してしまった方策をまた日本も繰り返すのだろうか?アメリカ、イタリア、香港、オーストラリア、韓国などの鳥インフルエンザ発生は、厳格なバイオセキュリティ実施と鶏の淘汰だけでは防ぐことができないことを物語っている。

学者は必ず「ワクチン使用は発症は抑えられても感染は防ぐことができない」と言う。ワクチン開発に携わっている喜田教授でさえもそうだ。

ワクチンに反対する専門家の意見は大きな欠陥がある。では、今現在使用され、実績をあげているワクチンは多数あるがそれらはどうなのだろうか?そのワクチンの有効性と安全性も否定するのだろうか?実際、鳥インフルエンザのワクチンを投与した場合としなかった場合を比較してみると、ワクチン投与群は、非投与群と比較し、99%以上の鳥インフルエンザウイルス排泄の軽減が証明されている。つまり、人間への感染の危険性を大幅に減らすことが出来るのだ。

鳥インフルエンザワクチンを解禁する効果は直接的な発症を抑え、人間への感染を軽減させるだけでなく、経済的な効果も大きい。山口や京都の発生における処分や補償に係る経費は膨大なものだ。しかも、それらは全て国の負担であり国民の税金で賄われている。ワクチンが解禁になれば、国民負担はゼロになる。人間の安全とともに費用の負担もなくなり、今現在見られるような処分作業に携わる人達の危険も回避できるではないか。何故、あえて自国民を鳥インフルエンザの恐怖にさらして処分させたりするのだろうか?何故、国民全体の食生活への不安を解消できないのだろうか?国や学者は社会的責任をもっと痛感すべきだ。

喜田教授の『ワクチンを使えば病気が治るかのような考えは誤り』という言葉…。ワクチンの効用も知らないと思っているのだろうか?この発言は国民をバカにしているとしか思えない。

最後にもう一度言う。ワクチンの使用は高病原性鳥インフルエンザに有効であり、かつ経済的な問題も克服し、人間の命も守る。即刻、国は鳥インフルエンザワクチンの早期解禁・接種を推進すべきであり、残された道はそれしかないはずだ。