想定外とすることが多すぎる



今回の京都一件たった20万羽の発生で大混乱を来している。政府、研究者は想定外とし地方の行政も大混乱している。一体彼らの想定範囲とはどの程度なのか。

『病気の鶏は卵を産まないから出荷されない、病鶏は色が変わるから直ぐ分かる』

これはテレビでの喜田委員長の説明だったが、今回のようなことは不可能とするコメントではないのか。あまりにも安易なウソデ固めて置いて想定外もないではないか。

昨夜のNHK特集ではオランダの例が紹介された。すでに文献など多くが届いている事例だが、初期の獣医師の死亡例ヒトからヒトへの感染例(最近の報告では前述の通りノイラミニダーゼ阻害剤の予防的投与などで重症例はない)なども改めて紹介された。しかしどう見てもこれは失敗例だ。

これに学んで隣国ではワクチンによって制圧したと伝えられる。そのことも併せて伝えなければ報道としては偏向とまで行かないにしても片手落ちだ。

ここで喜田委員長は良い事を云われた。ウイルスの絶滅を期するのではなく共存を図るべきだと云うこと、鯉の業者も云われていたことだ。ただそれと今、日本でトリインフルエンザの鶏に、あくまでノーワクで国内ウイルスの絶滅を期す方向とは矛盾しすぎないか。

交差免疫の全否定と、H5N2ワクチンの購入(それも一本8610円と妥当値とされる4000円程度の倍以上のメキシコ、インターベット製不活化ワクチン)の矛盾。それでも一歩をゆずって、最近のDIVAの研究からそれをせめて認めたものとすれば同時にH7の備蓄も必要 など、何れにしても矛盾だらけだ。

すでにFAOは以前は否定的だったものが,ことここに至ってはワクチン接種以外ないと云っていることは、度々紹介している通りである。ウイルスの根絶より、いかに環境中のウイルス量を抑制するかが実現すべき今日的目標で、まさに今回の喜田教授の云われる通りのことで、それにはトリワクチンの使用以外ないことを教授自身が改めて認めるべきである。

オランダの失敗例だけをあげて、隣国のそれに学んだ成功例は一言も紹介せず、あくまでワクチンを回避したと疑われる報道は決して頂けないが、それでも我が国の発生事例と比べればはるかに分かりやすい。感染の仕方もあれなら納得がいく。本当はあれくらい恐ろしいものだと認識しておくことが大切だ。日本でもこれから段々分かってくるような気がする。

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