トリインフルエンザに関して専門家の発言は皆変だ



養鶏関係者の間では、96年のH3N2の国内発生以来、大槻教授の講演などから、もう我が国も疫学的に清浄国ではありえないとの認識があり、他方、PPQCの加藤先生の講演での怪しい事例の報告と周囲の状況を照らし合わせて、東日本は韓国に遠いから安心などと考えることはなかった。

それでもさすがに伝え聞くH5N1の猛威には、かつてのニューカッスルの恐怖が思い出されて、強毒型が日本に発生したら即廃める覚悟をしていた。本当はこれでも甘いはずだ。疫学的には韓国から中国大陸での強毒型蔓延で充分との見方も出来るからである。

ウインドウレス鶏舎の安全性については、早くから、マウス、ラットの感受性について聞かされて居たので、もはや否定的に考えていた。ただ今、日本にあるH5N1には具体的にICPI値は示されていないものの感受性は低いと発表されていた。

そんな中で政府がどう云おうと、清浄国は有り得ないと教えられて居たのに、当の大槻教授までが清浄国の旗振りをされたので、まず唖然とし、もう文献で見る限り、世界各国がHA,NAそれぞれの免疫原性やら交差免疫の研究をして、DIVAなどの実用化もおこなわれているのに、BSテレビ、キーパーソンでの喜田教授のようにH,Nそれぞれの交差免疫を全く否定されたり、WHOの押谷教授のように予め学校の鳥が心配されていたのに日本では養鶏場以外は鶏はいないから安心と云ったり、ヒョウが死んだ記事が出ているのに、肉をたべても大丈夫といったり、今朝のテレビでの動物衛研のコメントのように、ニュースで、小学校でインコ10羽が死に、児童ら健康診断という大分県の発表が出ているのに、学校などの小鳥は、野鳥に接触しないから大丈夫と云ったり、メキシコなどは予め小規模の鳥はすべて殺処分して防圧したというのに獣医師会では具体的に学校で飼っている鳥をワクチンで守るとかするのではなく、生徒にウガイや手洗いをさせて衛生に気を付ければ鳥も安全だとするような、獣医の立場からは見当違いともいえる指示をしたり、家畜保健所に届けろと云いながら、当の保健所は、ろくに調べないで直ぐ埋けてしまったり 、これで中国のことをどうこういえるのか。

国民はもうテレビや新聞で知っているのに、ことさら安心させるような、わざとらしいコメントを専門家や責任ある人達がくりかえすのは、かえって国民の不信を買うばかりではないかと心配する。

トラが感染した、ネコがトリインフルエンザで死んだなど、隠したことで不信を買った国のほうが、アメリカや日本よりいまでは信用できそうだとの見方さえある。本当のことをいわないと国民は信用しなくなってしまう。風評はいずれは消えるが不信はなかなか消えない。そのほうが怖い。

H 16 2 21 I,S