鳥インフルエンザ問題の今後(206)



大槻教授の危険な言動の意味するところ

もともと、日本国内で採取されたH5N3ウイルスの性状が1983年のペンシルバニアH5N2に近いとして早くから警告していたのは大槻教授自身である。我々の業界にとって彼は鳥インフルエンザに関しての先駆者であり業界の尊敬を集めて居た。彼は無論茨城での野鳥2000羽に対する動研の調査結果も承知して居る。過去のご自分の調査結果も含めて、野外に弱毒株が数多く存在し、またそれが強毒化する恐れのあることもご自分の実験でよくご承知である。だからこそ警告していたのである。

それが、鳥インフルエンザが国内でも現実のものとなり、國の研究予算もつき、研究者としての立場も180度転換すると、彼は養鶏業者の多くが呆れるくらい態度主張を豹変させた。いま彼は一転して野外におけるそれらの株を、すべて偽ワクチンのせいにしようとしている。それが全国に蔓延することを韓国の例から当然予測し、その責任をすべて欲に目のくらんだ養鶏業者のせいにしている。単純にして恐るべき陰謀である。かれは正に清浄国論の走狗となりはてた。ネットの笹山政策道場で指摘されたように、茨城の鳥インフルエンザ問題は、何一つ結論の出ないまま、裁判での被告人の有罪を幕引に使って終わらせようとしている。

その実態は<裸の王様>を見つめる多くの人達は既に気が付いて居る。笹山先生曰く「被告人の人達はお気の毒な感じ」である。それをこともあろうに諸般の情勢をよく知る指導的立場の人間が、証拠一つない偽ワク論を越えた<偽ワク>そのものを、結審に合わせて既成事実化しようと目論んで居る。その目的はただ一つ、繰り返すように、これからより精密になろうとしている検出技術により、当然発見されて来るであろう野外の弱毒株を、清浄国論に合わせて、すべて偽ワク、それも悪質養鶏業者の人為的行為によるものだと人々の脳裏に焼き付けさせたいがための策謀なのだ。

福井の例を見るまでも無く、研究機関がその気にさえなれば、実態は韓国、あるいはサーベイランスの進んだドイツ辺りと変わるところは無い。検出技術自体は彼らは自信をもっている。ただ清浄国論との兼ね合いで素直にできないだけだ。だから國がその気になれば茨城株ごときはいくらでも見つかると多くの現場人は考えて居る。茨城事件の被告人もその立場だから無益な殺処分に反対したのだと見る人は見て居る。それらの実態を明らかにせねばならぬ日はそのうちやってくる。そうなれば今の不自然さは一挙に解消するが、あらためて國は堅持した《清浄国論》のやり場に困る。そこで浮上するのが業者による人為的な闇ワク接種にその責任をかぶせることである。この手は既に茨城で使って逆転のホームランとなり、この度の結審で人柱(笹山先生)をたてて無知な人々を納得させた。

ただ闇ワクはあくまででっちあげであり、あらゆる手段でそう信じ込ませようとしているに過ぎない。今後の事態を想定する時、ほとんど闇ワクだとする決定打が欲しい。それがこの度の週間現代誌における大槻コメントである。その深淵を考えるとき、これはどうも傀儡くさい。裏に國の意向が潜んで居ると見るのは僻目か。しかしこれを放って置くと、野外の弱毒株が見つかる度に<闇ワク>として業者は悪質のレッテルを張られて葬られることになりかねないのだ。

H 19 2 23. I,SHINOHARA.