鳥インフルエンザ問題の今後(184)



A先生 膝下
篠原 一郎      

メールを頂き有り難うございました。日頃のご指導を感謝申し上げております。
宮崎の事情もお教え頂き御礼申し上げます。

確かに農水も少しずるすぎます。指導どおりのマニュアルを履行してそれでも感染を防げなかったのなら、先ずその欠陥を是正すべきですが、その場合は相手を誉め上げてごまかします。大分事例の表彰状などふざけています。反対に相手に少しでも瑕疵があれば全部そのせいにして仕舞います。自分の方は責任を負わないように出来て居るのですから進歩はありません。

茨城事例での小委員会にしても中身は緊急の事態に産地の被害をどうやって最小に止めるかではなく、喜田委員長の3点セット発言にみられるように本音のところは如何にして貿易相手国に対して《清浄国》の立場を守るか、相手にどう要求するかに重点が置かれて居る訳です。これが本当に産地の検査の為の3点セットならばあんな持って回った云い方をする必要は無い訳ですから。主体が現地対策より清浄国論だったことに今更腹が立ちます。

今の防疫指針では、全国に散らばる小規模の直売養鶏などはやりようが有りません。それなのに喜田教授はそれらで講演して「自然養鶏大いに結構」などと奨励するようなことを云います 。今回のもサーベイランスから除外した肉用鶏の種場から発生したとは大いに皮肉な結果です。サーベイランスをやるなら野鳥から種鶏、ブロイラー、ウズラ、アヒルなどすべてを対象にすべきです。

それはそれとしまして今回の宮崎での発症で、これまで現場で指導されて来た感染発症の仕組みをもう一度振り返って見たいのですが、
(1)野鳥のガンカモなどが運んで来るウイルスは高病原性のものも含めて概ね弱毒である。
(2)鶏に感染させる為には10の6乗程度のウイルス量が必要である。
(3)鶏に取り付いたウイルスは感染を繰り返し急速に強毒化する(カプア博士)ことがある
(4)ウイルスは2週間位でその個体に抗体を残して移動する。(喜田教授の可愛いウイルス)
(5)従って、いきなりの強毒発症ならば抗体も残らないで100%の斃死も有り得る。

この点、こんどの宮崎例はどう考えられますか。因に1924年のA/Japanの場合はどうだったのでしょうか。記録では3県でほとんど同時に発生して100%の斃死ゆえ感染も拡がらなかったとか。これはいきなりの強毒発症だったのでしょうかね。

またいろいろお忙しいと存じます。先生方皆様によろしくお伝えくださいませ。
ご健康を祈り上げます。 敬具。

H 19 1 19. I,SHINOHARA.