笹山政策道場ウイルス論争 (日本人のメンタリティ)…御礼



アメリカの一地方でH5N1が発生した。以前のブッシュ大統領の異例の演説もあったくらいだから、いよいよアメリカに飛んだか、それでどうするのかと思って居たら、いともあっさり「あれは弱毒だった」でおしまい、あとはそれっきりだ。日本だったらどうなっていたろう。

牛肉問題も日本人にとっては、宮沢賢治の「一日に玄米4合と味噌と少しの野菜を食べ」が、つい先頃までの日本人の食生活だったんだからアメリカと比べたらどうということはあるまいと一部業者の悲鳴にも似た訴えにも無関心を装う向きもあったが、安全性を疑問視する国民とアメリカとの間で板挟みの政府も20ケ月未満という妥協点を見つけて決着をつけた。アメリカの業者だって日本と同様に、消費者の意向が何より怖いのだろうが、一部の学者が不安を訴えても大衆が動かぬところをみると、これはメンタリティの差だろう。そのくせ鳥インフルエンザ問題でも日本のように官側の慰撫は効かぬらしい。その分業界自身の責任が重いという。

日本人も南の島のエルトール小川型コレラならまだしも、アメリカ人が食って、まあ統計的には何でもない肉くらいは食えるように精神的免疫を高めて置かないと、じきに食うものがなくなるといわれると我々のように進駐軍の残飯を闇市で雑炊にして食い、ドッジラインに救われたとされる世代はどうしても卑屈になってしまう。

現に昭和26年のND宮寺株は駐留軍の残飯が原因とされた。確かにそれはアメリカ型弱毒株で昭和40年代の強毒アジア株ではなかった。79年振りといわれた一昨年のHPAI発生も、その間に数度NDに書き換えられたものを含めて、実態は怪しいとする意見も多い。現に、一昨年のその時期、普通では常識外の真冬でも各地で移動中の鶏の熱射病死が続発した。

A.マクリーン教授のいわれるように理由は分からないがインフルエンザの第一波は規模が大きく2〜3カ月の短期で終わるというのは、すべての臨床医の認めるところだから、ここ10年くらいの経験、それもみんな殺してしまってデータ一つ持たない家禽側は、それを参考にするしかあるまい。むしろ素直にそう考えた方が余程説明がつき易い。これらの事柄をどう捉えるかは、やはり国民性によると思う。

大前研一氏に云わせると、日本人の場合は農耕民族にありがちな集団自殺のメンタリティだという。昔、文春でみてえらく感心した記憶がある。そしてますますそう確信するようになった。
《とき》様が触れられた老人の自覚の問題も関連無しとはいえない。私自身、老人と云われるようになって、子供たちには「片手でも動くうちはお前達の世話にはならん」といばって居るが、楢山節考ではないが、奥日光地方で残って居たという、やはり裏山の木の枝に荒縄を用意して置くくらいの覚悟は必要な気がする。

地方の統合で空き家になった公共施設が、みんな老人施設やゲートボール場になるのを見ると、やっぱり亡国の兆と見えて来る。

ホームページで八つ当たりしているのも、案外自分のボケ対策だったりして「自分のことしか考えない」と云われると、その通りかなと変に素直になりそうだ。

笹山政策道場様《とき》様。無明様。ご指導をどうもありがとうございました。末筆ながら皆様のご健康を心から祈り上げます。 敬具。

H 18 9 2. 東松山市 東平1709 篠原 一郎