茨城鳥インフルエンザ問題の総括(今後に繋げる)



この問題は公式発表をなぞって表層的に捉えれば、今継続中の刑事裁判も含めて至極単純に説明することが出来る。

「鳥フルに関しては全く清浄な茨城に突如として高病原性H5N2が発生し、一部の不心得な獣医の存在と直売農家のせいで初期の遮断に失敗し(人為的に)拡げてしまった。なおこの株は渡り鳥の関係しない中米グヮテマラ株で、消去法でいけば不完全な闇ワクチンの疑いが強いとされ、茨城県はその証拠捜しに県警まで動員した。結果的に殺処分は600万羽近くに及んだが、自衛隊まで動員した努力の甲斐もあってウイルスは一定地域から飛び出すことはなく確実視された強毒変異も未然に防ぎ、処理は無事終了した。今後の反省点としては、初期の遮断の失敗の原因である不心得な獣医を排除し直売農家の規制を強め、家保の態勢を充実させて、二度と初期遮断に失敗することのないよう茨城を見習って國と各地方の協力態勢を作るべきだ」ということだろう。なお不心得な獣医師、無知な直売農家に類する表現は某大会での地元家保の説明によるところだ。その後もこれで文句も出て居ないところをみると業界を含めこの線で大方は納得済みなのだろう。

ただ一鶏飼いとして、引っ掛かるのが、マジョリティによるマジョ狩りにあった継続中の裁判の被告人獣医師達の立場であり、國や各地方の今後の方針である。(私自身はあまりワクチン、ワクチンと騒いだ覚えはないし、おもちゃのような自分の鶏なんかいつでも差し出すよと云って居るのだが、ワクチンほしさと自分がよければの八つ当たりとみる人が居れば、そのほうがマジョリティで仕方あるまい。もともと鶏飼いが何か云うときは補助金かワクチンかが通り相場だ(笑)。因にわたしは有精卵という俗語が嫌いである。受精卵をそんな呼び方をすれば本来の無精卵(配雄なのに受精して居ない卵)の居場所がなくなる。でも今ではトキセンターの獣医さんまでがそう呼ぶ。マジョリティだ。《とき》様が云われるように皆が自分で考えなくなって居て観念的皮相的な受け売り全盛ですね。)

少なくとも《とき》様達が関心を示してくださるおかげで小委員会の議事録の塗り残された部分も話題にされてきた。よく見ればその内容と、結論としての公式発表との乖離に驚かされるだろう。分かってはいても業界の責任ある立場の人達は文句がいえないのだ。しかしメンバーのそれぞれの本音は驚くほど《とき》様の普段の考えに似て居ることが多いのに気づかされると思う。大本のところは同じなのだ。

さて今後である。業界の支援が受けられないなら被告人にされた人達はせめて良い棋譜を残すために努力すべきだし、一方、國が清浄国論の立場にあるうちはあるものをないとされているのだから見つかれば酷い目に遭う。すべからく見つけないことだという風潮は押さえることは出来ないだろうし、警告がまた規制を呼んでますますのっぴきならなくなるから知ってても黙って居るに越したことはなくなる。

例えば喜田さんがH5N1も新しいウイルスとは云えず、検出技術があがっただけかも知れないし、H7など他の亜型も問題でH9N2も豚まで来て居ると発言すれば、それが実態かも知れぬとは捉えずに、國は、それは大変だ、H5、H7だけでなくH9も摘発の対象にしようと言い出すに違いない。喜田さん自身強毒、弱毒は鶏に対する問題と口を酸っぱくしても大衆は一緒くたにしてしまう。《とき》様がいつも云われる問題であるが宿主とウイルスの本来的関係からすれば、あれは鳥インフルエンザではないとアジアのトリ→ヒトの事実を否定すれば、そんな馬鹿なと片目の猿が笑う構図だ。

H 18 8 27. I,SHINOHARA.