祝着を終着にしなければ



一応の終息宣言で祝着の限りだ。
実際の被害地域がそのままの状態でおかれたのではひどすぎるし消費者も一安心するだろう。

今回のAIの異常発生では、もともとこのように限定して考えること自体が無意味で、初発の地域だけに風評を含め被害が集中することは避けなければならないこととして、最初から我が国全体の問題、アジアの一部の問題でとらえるべき事であると思って来た。

豚コレラを制圧したのとは訳が違う。豚コレラだったら今では発生してからでも政府備蓄の生ワクで間に合うし効きもすこぶるいい。鶏の場合、制圧してワクチン不要となった例がない。事実NDの時も封鎖はなんの役にも立たなかった。実際の発生源は囲みの外の場合がほとんどだった。それだけに山口をスケープゴートにした感じで後味が悪いのは私だけか。

しかし終息宣言したからには以後絶対病気を出さない覚悟が必要だし合意も必要だ、やはりワクチン以外ない。若しまた発生騒ぎになったら学者の人の面子どころではなく、消費者の反応は恐ろしい限りである。

去年は春から、呼吸器病のうわさが異常に多く懸念していたが、基礎免疫をきちんと付けているところとそうでないところの差が、こんなに出た年もなかった。その辺は技術的に重要な情報であるととらえていた。

既にLPAIの発生は国内でも確認されていたことで、イタリアの例でもウイルス交替のかたちで最初H5N2がHPAIとして発生、今回の日本のように迅速に淘汰されて一旦終結。のちH7N1LPAIとして潜行したものが秋にHPAI化し、手がつけられなくなったとする経緯から、むしろますますそれを裏付けていくような心配もある。

たしかに確認されたH5N1HPAIは山口が最初でも、事実上LPAIの摘発は困難で、その意味からだけでも山口を実際の初発とするのは諸般の情勢からむしろ不自然とさえ思っている。「今のところ、どれとも似ていない。なぜ山口県で発生したのかミステリー」では困る。我が国で変異する時間はたっぷりあったと考えるし、社会心理の面からも次の大発生までかなり長いスパンで捕らえる必要があり、ウイルスが存在するところ必ずいつかは爆発するのは必然で、その専門用語があるくらいだから、今回喜田教授の面目が立ったところで、世界の情勢に鑑みて、我が国の養鶏産業と国民を守るため迅速に配慮して貰いたいものだと思っている。

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