鳥インフルエンザ問題の今後(160)



そろそろ今日の小委員会が終わるが、まったく関心は持たれていないようだ。記者さん達も「農水の取材は電話で充分ですよ、どうせ秘密会議だし、それよりも一時からのジーコ・ジャパンの方が」と素っ気ない。だが我々にとっては英語を直訳すれば<鶏の虐殺者>の集まりだ、無関心で居られる筈もない。

繰り返すように、まだ国内的には一般に明らかにされて居ない情報と照らし合わせても、茨城での陽性鶏の摘発淘汰は、彼らによる人災である疑いが強い。怪しい情報と中米株を結び付けての闇ワク接種説など、もはや噴飯物である。やれ台湾のと違う、中国大陸のと違うと説明しても、そんなものPCRのプライマーを変えただけで全く違うものが出たりするとの説明もある。その意味からは各国同じ参照試薬、検査方法に依らねばその段階での比較は出来ない筈だ。特に隣国ではそれらが入り乱れて居るという。当初から云われて居た偏西風に乗っての野鳥の飛来は当然で、ある種のクモでさえ糸を伸ばしてたどり着く距離に過ぎない。環境によっては黄砂に紛れ込むだけで充分かも知れないのだから。

それらを最初から意図的に排除するかたちでの消去法とやらで(当時の喜田委員長談)残ったとして世界に向けて発信された闇ワク接種説など、それまでの大量の殺処分を正当化し、且つ問題を茨城に限定しようとした陰謀くさい。もともと自然界のウイルスがウインドウレス鶏舎内に止まって居たり、県境を認識することなど有り得ない。これが実は闇ワクなど人為的なものでなければとする最大の理由だが、その説を取るなら陽性鶏が出た業者の全てが違法ワクチンを使ったことになり、流石にそれは有り得ぬし、実際ウイルスも出たことで<欠陥ワクチン>としたのだが、ウイルスの残る欠陥ワクチンなら、とうに県境は越えて居る。

もともとH5を含めLPAI自体は環境中に幾らでも潜んで居る可能性が有るというのは、諸外国の野外調査の結果でも、我が国の曾ての大槻教授の調査と警告からも想像はして居たことである。ただ日本は何でもぶちまける形のドイツ辺りとは国民性も違い、実際の害や危険性がなければ大人の見通し判断が出来る自民党的?な国であるとの油断が指導者にもあったと思われ、その意味での官業協力があったことは否めない。それが今回、少なく共茨城県では引っくり返った。そこに江口さんらの陥穽があった。

事の発端の去年6月の時点で、症状もない鶏群をH5であるとして殺し始めれば全国で鶏は居なくなると指摘した。それが茨城半国で収まったのは普通に考えればウイルスのせいではない。従ってこれも繰り返すように大本の法の条文を是正せぬ限りは国と小委員会の権力者の意向によっては何時でも全国の鶏が居なくなる危機は去ってはいないのである。

人間の場合も細かく調査をすれば南中国のようにあらゆるインフルエンザの抗体が見つかるか、そうなるであろう事は想像に難くない。そんな時に茨城県は茨城型だけをターゲットにして人での抗体調査を進めるそうだ。恐らく検査法と抗原が合えば一般からまた大勢の陽性反応が出るだろうがそんなのはインフルエンザ全体からしたら九牛の一毛であるくらいは人間の医学医療研究者だったら誰でも想像出来る事だ。だがこれも感染経路究明チームの手に掛かったら、すべて鶏肉や鶏卵との係わりとして追求されるかも知れない。真の専門家が見れば、そんな馬鹿なことをということが実際茨城では実行された。先回りして首を洗って置くにしくはない。

H18 5 15. I,SHINOHARA.
No.20112