鳥インフルエンザ問題の今後(153)



日本農業新聞が4/27日のコラム<四季>で水俣病の原因究明での当局の対応について次のように述べて居る『原因は有機水銀と熊本大が突き止めた。が、すでに、工場排水を混ぜた餌で、猫が水俣病同様の症状を見せたことをつかんでいた企業と通産省(当時)は、次々に異説を唱えた。まず、大戦後、旧日本軍が投棄した爆薬が漏出したとする説を流す。これはあっさり否定された▼次いで、魚介類のアミンが有毒な物質に変化したとする説を食品衛生調査会の前日に発表する。さらに、関係の他省庁も原因究明をするよう提案して、厚生省を揺さぶった。為政者は今決議を胸に国民の立場でことを進めてもらいたい』

そう為政者はいつの場合もこんな見え透いたごまかしをして責任逃れをしがちだということを国民は肝に銘じて置くべきなのだ。結果を知ればこんな立派な口をきくマスコミがなぜその時々では疑おうとしないのだろうか。一応<下衆の勘ぐり>だと卑下はしても疑うということは自分で考えようとすることなのである。

毎日新聞の《養鶏王国の明日、上、中、下》の力作記事も、その結論は「原因究明こそが養鶏王国復活への近道といえる」ということで堂々巡りだ。どこが近道なのか分からないまま結論付けて居る印象が拭えない。要するに
(1)発生が県内に限定されたのは未承認ワクチンが原因だからだ。
(2)なぜ茨城県で発生したのか疑問だ。
という、さながら水俣病に対する当時の厚生省と同じように、ウイルスにとっては正に噴飯物の当局の説明を疑いもせず、そのまま受け入れて記事にしているに過ぎないからである。

困ったことにその矛先は唯一我々が信用する動衛研に向けられて居る。ここだけは良心の場であると現場は信じて居る。にも拘らず素人談義で彼等をどんどん窮地に追い込む。この手合いは江口事件だけで沢山である。

感染問題がたまたま表面化した茨城で、養鶏の専門家であり指導者である、云わばキーパーソンに等しい立場の江口氏を、「茨城株は殺すべきでない」との専門家としての情報力とそれに基づく判断を悉く不正行為に結び付けて、それを世論として逮捕させてしまい、数少ない両目の猿を捕らえて為政者側の云うことしか見えない片目の猿の世界にしてしまったのは剣よりも強いペンを持つとされる同じ片目の猿によるところが大きい。

前号で、言論の自由を感じさせるのは《とき》様達だけだと云った。だが実際に知り得た確実な情報さえ、その業界内では自由に発表など出来ないのだ。それは動衛研でも同じだろう、貴重なレポートは海外を通して見るなんてことがありそうである。同じように小委員会の喜田さん達の不自由そうなこと、気の毒に思うことだって有る。

まあ国には国の立場があり地方には地方のそれがある。長いものには巻かれろということもある。ただそれによって貶められる人、危機に瀕する地方が有る場合は人間として義憤も感じる。何とかしたいと思うだけだ。

H 18 4 28. I,SHINOHARA.
No.19925