鳥インフルエンザ問題の今後(147)



T 様からのメールによるとイギリスのエジンバラで四年に一度のインタナショナルAIコンファレンスが開かれているとのこと、我が国からも大勢参加して世界最新のAI情報を直接仕入れてきて欲しいものであるが、、。

業界も降って湧いた騒ぎとなった茨城問題は早く忘れたいのだろう。さりとて実際人的被害にあった淘汰鶏600万羽とその養鶏場にとってはこのままでは済まされない心境だと思われる。まあそれらはともかく、3歩あるいたら忘れると云われる鶏を飼って生計を立てて居るわれわれ自身も、実際に安全が確保出来て、生産物がうまく捌けて呉れさえすればあまり文句も言えない立場なのかも知れない。

それにしても茨城県の知事さんのコメントと茨城県の方針はおかし過ぎないか。
茨城株で起きた風評の最悪なものは<人に対する危険性>だった。全く学術的興味に過ぎない無毒の雑菌ならぬ雑ウイルスである茨城株が、人に陽性反応を示したというだけで茨城県下の養鶏場従業員にあれだけの悪質な風評が起きてしまった。茨城県はこれを反省するどころか、この事に対する厚生労働省の態度をなじり、独自に感染研ならぬ動研からウイルスの分与を受けて独自の対人調査をするのだと云う。

まだまだ鳥インフルエンザウイルスは謎だらけで誰も本当の事など分かって居ない。茨城株のような雑ウイルスがどのくらい日本の環境中に存在しているのかも分からない。変異し易い鳥インフルエンザウイルスは確実に発症するもの以外、通常のスクリーニング検査で摘発することは不可能とされている。いわゆる偽陰性、false negative問題である。これは鶏にとって毒性の強いH5N1の場合でさえ鶏数億羽の発症に対しそれに接した人間の余りに少ない発症例に、その偽陰性の問題もあるのではと云われて居る位である。

それほどまだ全く分からない問題なのに、小委員会の学者達は茨城株の強毒変異を主張して止まなかった。これでは茨城県知事を説得することは出来まい。全く分からぬことをさも分かったようにして風評の元をつくる学者ほどたちの悪いものはないから私自身は彼等を国賊だと云って来た。全く彼等は云うことが当たらなくても想定外、万一当たれば大手柄になる結構なご身分だ。

茨城県下の被害農場でも雛の搬入が始まったらしい。鶏に対しても人に対しても事AIウイルスに関しては、発症のないスクリーニング調査など無意味に近いことを茨城県知事に知らしめる必要があるだろうに。


H 18 4 6. I,SHINOHARA.