鶏飼い時事(じじい) …『断固争うべき』



鳥インフルエンザ茨城問題で家畜伝染病予防法違反の疑いにより獣医師二人が立件されるという。

最初に云う。断固として争うべきである。但、業界を含めて国中が、闇ワク偽ワクの洗脳状態にある。味方は少ないが<時に范蠡(ハンレイ)無きにしも非ず>信念を貫いて貰いたいものだ。法治国家である。最近は何事においてもコンプライアンスが叫ばれる。そんな中で明らかにおかしな法令でも、ねじ曲げられた解釈でも唯々諾々と無条件に従うだけでは何も生まれては来ない。何より論議が必要である。その機会ととらえて貰いたい。

その経緯からして明らかなガセネタである闇ワク問題か何故かくもまことしやかに語られ信じられてしまったのか。この問題を取り上げたNHKクローズアップ現代(11、8、2005)での証言者の風体はまさにガセネタそのものと映った。否、番組全体がガセネタで構成された観のある異常なものだったことは皆の記憶に新しい。総ては殺処分の拡大に歯止めが効かなくなった小委員会が起死回生の手段として打ち出したグヮテマラ株の人為的感染理由が元である。この時の消去法くらいいい加減なものはなかった。既に香港、それに中国大陸全般に中米株のワクチンが使われ、周辺で闇ワク偽ワク情報は溢れていたにも拘わらず、一番疑わしいものを勘定に入れないインチキ消去だったのである。

更に唖然とさせられたのは、市場でも絶対的な信用のある経営、業者が軒並み疑いの目で見られたことである。我々現場にとって、いつの時代でも話題にこそなれ、絶対に手出しはしないのが闇ワクの類いである。こんな恐ろしいものはないとの感覚が誰にもある。そのことが逆にそれに手を出したとする仲間内の根も葉も無い噂にも怒りの感情を剥き出しにする結果につながった。落とし穴である。はっきり云えることは一応きちんとした業者ならそんなものに手を出すものは居ないということである。私のHPでも小委員会の発表のその日の内にはっきり否定している。

これも有り得ない納得の仕方だがワクチンだからウイルスが特定圏内を飛び出さないとする見方で、幼稚そのものであるが、単純なだけ引っ掛かり易いのだろう。「動衛研のカラス」と揶揄したことがある。浅田事件の後、近くの数羽のカラス以外、全国的調査でも陽性のカラスは居なかった。しかし同じ時期、動衛研の数羽は陽性で立派に感染もした。先般、茨城県でも野鳥の調査をしたが総て陰性だった。しかし、まだ茨城株のウイルスは申請中である。茨城県はそのウイルスを感染研、動衛研に申請したらしい。申請したって危険なものなら国は渡さない。安全だからこそ、そのうち動衛研は渡すことになったのだろう。

有毒、無毒を含め無数に存在するインフルエンザウイルスは定められた坑血清一つで検出されるほど簡単なものではない。喜田教授に云わせれば2週間で居なくなる可愛いウイルス、我々現場にとっては変幻自在の忍者ウイルスだ。ゲル沈がどうの、HIのしきい値がどうのといった単純なものではないことははっきりしている。定められた範囲から飛び出さないウイルスをワクチンだからととらえて納得されたらたまらない。
(続く)
H 18 2 27. I,SHINOHARA.
No.18862