鳥インフルエンザ問題の今後(133)



大型コンピューターによって100年後の世界気象まで、ほぼ正確にシミュレーション出来、地球温暖化による大洪水、砂漠化、陸地の侵食、深刻な水不足、食糧難、更に熱帯性感染症の拡がりまで現実のものになっているのに、それぞれのエゴを主張する国々、日本とて例外ではあるまい。

そんな中での日本の鳥インフルエンザ問題は、これほど深刻な地球環境の悪化と人類生存の危機的状況が迫って居るとき、現実の強毒型なら未だしも、ありふれた茨城株などに血道をあげ無駄を重ねて居て良いのか改めて考えさせられる。

テレビに映し出されたアマゾンの異常渇水、肥沃なモンゴル地方の砂漠化、スペインの農地の干上がりと皆無に近い収穫、台湾のデング熱の異常発生、そのどれもが人類生存への赤信号である。

いくら御用学者達が強毒変異への恐怖を煽り続けても、流石に茨城600万羽の症状も無い健康な鶏の虐殺の事実と、これらの深刻な地球事情とを考え合わせる時、改めて何という勝手な奴らだという思いが強くなってくる。

業界には、たとえ要望書は「日頃一方ならぬお世話になります」との書き出しであっても実際には農水を非難する声が多い。しかし前にも挙げた豚のPRRS未承認ワクチンの件でも、大企業に与する傾向こそあれ流石に行政は現実的な処理をする。

そこへ行くと超一流学者(茨城県知事による)の集まりである小委員会の決め事は目茶苦茶に近い。茨城600万羽の犠牲で済んで居るのは、まだ行政のブレーキが辛うじて効いている証拠であり、小委員会だけではとっくに全国問題になっているとの指摘もある。

何れにせよこれだけの大きな犠牲を伴った茨城無毒AI株事件である。すべての処理が終わり4月には安全宣言を出して終わりだなどとノーテンキなことをいう茨城県知事はどうかしている。まず総括をすべきである。それでなくては犠牲になった鶏達も浮かばれまい。実際何が本当だったのか、何が良かったのか、はたまた悪かったのか。小委員会の密室協議ではなく業界当事者を中心に公開の議論をして、この歴史に残るであろう愚挙暴挙の責任の所在を明らかにし、その反省を今後実際の防疫に役立てるべきである。

H 18 2 20. I,SHINOHARA.