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どうにも茨城県のやろうとしていることの狙いがわからない。目的が不明だ。 国の研究機関の調査で、それまで全く鶏に接触がない防疫従事者が陽性になるなどの学術的興味に、行政機関としての県が、あんな中途半端なウイルス株をわざわざ申請してまでして分けて貰って、改めて追加調査することに一体どんな意味があるのか。今、茨城の養鶏業界というより茨城県にとって、一番先にしなければならないことは、茨城株が人間に感染して危険だとする誤った風聞を公式に否定して人々の不安を解消することではないのか。 A養鶏の獣医師が昨年６月、動衛研の研究者に個人的に検査を依頼して、この株の存在を予め知って居たにも拘わらず、それを伏せて居たとの報道は、その間、困惑の中にもプロ同士様々な議論がなされ、その株の当面の臨床的危険性がないとの総合的判断のもとに、それが一番正しいと信じてそうした行動を取ったのだろうと窺わせる。なぜなら、それが飼育鶏で発見されたことと、大槻教授の場合のように飛来した渡り鳥から発見したこととの間で自然界のウイルスとしての本質的な違いはないと考えられるからである。Ｈ５Ｎ３とＨ５Ｎ２，どちらもＨ５には違いない。それが自然界に於けるウイルスではないのだろうか。中国大陸を度外視してグアテマラから自然に来るはずなどないとこじつけたが、実際は鶏小屋から出たのだから人為的だと云って居るに等しい。もう風刺マンガの世界である。 茨城株のＨ５Ｎ２など７カ月の観測結果からみても、良寛が鼻から取り出したハナクソみたいなものだ。何処に差し出しても嫌な顔をされるので仕方なくもとの鼻の穴にもどした。はな（最初）から出さなければ良かったものを思わずほじくり出してしまって始末が悪い。これは法律があるからには揶揄がひどすぎるが本当はその辺りがA養鶏での実態とみる話もある。少なくともここまでは大人の話であるが、残念なことにハナクソは既に拡がってしまっていたので悪い大人の話は魔女狩りへと進展し＜狼が来た少年＞の叫びに人々の不安は深まるばかりでハナクソ人為説から遂にはハナクソ人体有害説まで飛び出し、代官はハナクソ捜しに躍起となるが、一方でハナクソは疫病除けに効果があるという話もある。そう云えば「ハナクソ丸めてＯＯ丹」という戯れ歌もあった。不謹慎が過ぎたが、逆にこの位やるせない話でもある。 繰り返すが全く無害の茨城株陽性が７０人出たとの報道で鶏関係従業員の職場放棄が問題になる、こんな深刻な風評被害があるだろうか。現実ではそれよりはるかに恐ろしい既存のインフルエンザにはほとんどの人が陽性なのに何故そんな現象が起きるのか。人々の無知を寧ろ奇貨として放って置く、そのほうが都合の良い連中のせいである。それにも増してひどいのは学術以外に意味のない学者の研究の後追いで、本当は風評に過ぎない、人々の深刻な不安を助長する茨城県の訳の分からぬ方針である。実際、茨城は酷い目に遭った。茨城株を手にした茨城県のリベンジが始まる、そんなあらぬ風聞さえ飛んで来る。 譬えは悪いが、現実の話で茨城株などハナクソだった。ハナクソなど取り除いても実際は直ぐ溜まる。気にして取り出せば問題だが、鼻の穴に入れたまま苦にさえしなければ少なくとも７カ月以上強毒変異しなかった。ハナクソが人間に罹ったなど云うだけ野暮で、そんなものはもともと誰でも型は違うが持っている。これから先そのハナクソが鼻にあるおかげで強毒化どころか後から来るウイルスを遮断する存在かも分からない。そんなハナクソの為に茨城県は６００万羽の鶏を殺した。もっと悪いことにそれが人間に罹ったとして全く意味のない、しかも風聞上取り返しのつかない方向にまたもや踏み出そうとしている。 そしてハナクソが強毒化しないと殺させた手前都合の悪い狼少年団は、見つかった陽性鶏はこれで全部片がつき、尚且つ人々の恐怖を募ることで、やはり鶏を殺したのは正解だったとの世論は永久に残り、批判をかわし我が意を得たりと声を潜めて笑っている気がしてならないのだ。風刺マンガそのままであるがマンガを描いたら問題になるだろうか 。 Ｈ １８ ２ １７． Ｉ，ＳＨＩＮＯＨＡＲＡ． |
