今日発売の週間新潮2月9日号の記事《鳥インフルエンザはバラまかれた陰謀ウイルスが原因だった!》にはさすがに呆れた。言い出しはイセ養鶏のように書かれて居る。 このことは以前同社のホームページに同じ趣旨のことが書かれ、茨城県の畜産課が抗議して若干表現を変えた経緯がある。今回はそのことの具体的な蒸し返しである。 鳥インフルエンザは鶏界の存続を危うくする大問題である。打って一丸となるべきこの時、いかな不審事があったにせよ、バイオテロを想定するかのごとき会長の発言(同誌45ページ)が若し事実とすれば何をか云わんやである。目下、すくなくとも日本一の養鶏会社の代表者のお言葉とも思えぬ。業界の末席を汚す立場から業者の悪口は云わぬことに決めて居るが、流石に腹に据え兼ねる。沐猴にして冠すとしか云いようがない。 後はまた何時もの大槻教授の調子の良さである。何故こうも業界の品位を傷つける言動を繰り返すのか。バイオテロは論外としても闇ワクも彼らが吹聴している段階に過ぎない。これらの言動は正論を妨げる意味しかない。しかしだからと云ってワクチン云々が唯一必要な論議だという積もりもない。今必要なのは茨城株を含めたLPAIを、今後どう扱うかということと、あくまで強毒型侵入への備えをどうするかである。 今後ますます多岐に亙る抗原の差異に対して、どれをターゲットにすべきか、たまたま見つかった茨城株を今後も追い続けるとすれば、明らかに二兎を追うことになり、相手にしなければ茨城は何だったということにもなるだろう。 何れにしても原則は強毒発症は即淘汰であるが、直接被害のないLPAI陽性に対しては、摘発ならば補償、予算がなければワクチンという以外ないのである。それを曖昧にしかねない互助制度に見えたからあえて反対したのである。況んや自分で処理させて涙金のお授けなど以てのほかと云う以外にない。 鶏飼いは武士ではないから、食わねど高楊枝というつもりは無い。しかしせめて一寸の虫にも五分の魂くらいの気概は持ちたいものである。 H 16 2 2. I,SHINOHARA. |