それにしても大きな犠牲をともなった茨城問題は一旦終止符を打たなければ次へ踏み出すことが出来ない。行政側もそのことは重々承知だろうと思われる。そんな時に困ったものなのが相変わらずの学者の三百代言である。陽性鶏をどう見るかという差し当たっての問題でも、一応は公的事実に則った経験則で強毒への変異は2〜3カ月とされ、現に河岡教授もテレビでそう発言していたものが、大槻教授は本当は分かりもせぬことを今度は2〜3年と言い出し前言をいとも簡単に覆す。これを詭弁と云わずに何と云おうか。忘れて貰っては困るが、繰り返すように鶏の経済寿命は一年しかないのだ。 また闇ワク問題にしても窮余の一策的に官側が打った大バクチをとうとうランニングホーマーにしてしまった責任は、どうも業界側にありそうだ。その業者間の疑心暗鬼はなくなるどころか寧ろひどくなっている。これでは相手にしてやられる訳である。最近大槻教授に、抗原的な差異を強調される余り、業界のワクチン要求は消し飛んだ形だが、それならば当面の危険な株とそんなにも差異のある無毒株をなぜ500万羽もの鶏を実際は分かりもしない強毒変異への懸念だけで殺し続けねばならなかったのだ。また実際はどれが将来危険なものになるか分からないから見つかったものは殺して掛かるのだとしたら確実に将来的に鶏は居なくなる。否、鶏など飼えたものではない。 今回の事例で分かったことは、症状の出ないLPAIの摘発は余程の偶然で無ければ困難だということだ。費用対効果から見ても決して得策とは云えない。それに調べられないだけで環境中の野鳥などの汚染の広がりを想像すれば清浄国論の維持は困難でワクチンもやむを得まいとするのが筋である。繰り返すように残りの陽性鶏を処分しても、ウイルス対策としては実際は何も得るところは無い。今度はワクチンを打った雛を導入するというなら兎も角、水海道の協定にみられるようなウイルスフリーを強調しそれを義務付けられる形ではとてもではない。まあせめて向後は陽性だけでは摘発されないくらいの 約束が無ければ雛の導入など本当は不可能だ。 ま、それもこれも誰かが闇ワクを使ったせいだ。としているのが業界の大勢だとすればとても救いようがない。不用意な一撃を捕らえることなく股間を抜かれて逆転のランニングホームランにしたのはわれわれである。実際、確たる証拠もなしに偽ワクをでっちあげた所業は小委員会の命取りに等しいと、その折りも書いた記憶がある。現実に鶏がバタバタ行くようなHPAIの場合は嫌も応もないが、将来の懸念だけのLPAIに対しては費用対効果の原則は行政側でわきまえて置くのが原則である。それを担保も無しに小委員会に殺させておいて、あとは予算がないから自分で処理しろはないだろう。 茨城株のウイルスはウインドレスに入り込んだのはいいが出られないで居る。許されるものなら私が陽性鶏が二年で強毒化するものか飼って見たい。その結果が無毒のままでも学者は想定外で済まして居るだろう。鶏舎内のことだけなら鶏は一年でオールアウトして更新される。変異するものならせめてその鶏がいる一年以内にして貰いたいものだ。笑い話である。 H 18 1 20. I,SHINOHARA. No.17851 |