期待されたFAO/OIE/WHOの共同宣言もrecommendationにおわり、それについての報道も、今朝のNHKなど発生周辺国へのワクチン接種呼びかけなど一番大事な部分が抜けて、日本ではその方向に動きそうもないことは、はっきりしている。 私の友人には医者も大勢いるので、皆心配して電話をくれる。先日も2歳の孫が発熱してインフルエンザではないと診断されながら、ちゃんとタミフルのシロップを処方されていたので苦笑した。 とにかく国が事実上ノーワクチンの方向を変えないのなら仕方がない、たった320万羽分、それっきり予算がないらしい。それも効果的に使える可能性などなきに等しい。このあたりは政治的判断だ。 私自身、今度のH5N1の流行では最初から云うように、場員の健康を一番懸念している。そしていろんな見地から、まず鶏での発症を防ぎ、従業員の安全(それとて無論絶対的なものではなく、あくまで比較しての話だが)を心掛けることが、国民の安全につながると考えて居るのだが、一番欲しいデータは、不顕性感染の鶏に接した場合と、発症している鶏に近付いた時との危険性の比較だ。 経験のあるNDの場合は明らかで発症し鶏を処理すると、かなりひどい結膜炎を起こして家中の眼が腫れ上がった経験がある。死亡例さえあったと聞いた。だからワクチン、ワクチンと騒ぐのだ。 大正中頃のスペイン風邪のすさまじさは、親父からよく聞かされていて身近な被害者も出たとか。ツンドラの凍土が解け出して、当時の犠牲者が発見されH1N1については、よく解明されているらしい。HAの構造が変化し、何にでも取っ付き易くなるということは確かに危険な反面、最近のアメリカの研究にみられるように、いろいろなHタンパクの間で交差免疫が期待できるという事かもしれない。もっともこの辺まで来ると生兵法は大ケガの基、との謗りをまぬがれ得ないが。 冒頭の三機関の会議での委員の発言がウェブで紹介されているが、鶏飼いの私たちと同じ意見の人も多く、先ず鳥の発症を防ぐべきだとしてアジアの対応の遅さを非難して、はやくワクチンで備えるべきと推奨しているが、勘ぐるにrecommendに止まったのは、アジアのWHOの一部でも反対したのかな。とにかくガッカリで これではそっちの学者にかこまれた日本政府を動かすのは困難だ。 私に云わせれば、鶏の段階で出来る防御をしないで、いたずらにヒトインフルエンザへの変異ばかりを騒ぎ立てる(それも重要なこととはいえ)、それらの学者こそ風評の元凶だと感じる。 それと改めて農水省に聞きたい。FAOでなくても日本の食料問題をどう考えているのかね。肉の汚染問題もとうとう豚にまで来そうなところまで来てしまった。なにを国民に食わせるのかね。BSEの検査も日本は完璧でアメリカはなってない。彼国は傲慢だと各新聞テレビもけなしつけているが、最低の食料自給率のくせにやたら輸入をとめてしまう日本こそ傲慢すぎるのではないか。ほんとうに備えがあって云うのなら良い。ワクチンも無しに、鳥肉の国産を増やすから良いというようなノーテンキ振りだから心配なのだ。 近ごろのコンビニ弁当は寂しい限り、ほんとに人心が離れてしまうぞ。 H16 2 7 I,S |