11月24日の小委員会と感染経路究明チームの合同検討会の発表ほど期待外れのものはなかった。これまでの最大の疑問は茨城だけ検査抗原を替えてまで、アジア型H5N1とは関係なく、抗原的にも特異で無毒のグアテマラ株を追い続ける防疫上の意味がどこにあるのかということだったが、ウインドウレス鶏舎の差別化問題などを含め重複を避ける意味で、ここでは《茨城32例目以降に限定された問題》について国や委員会がどう判断しているかの疑問を列記して見たい。 (1)検査履歴がはっきりしたことで感染が人為的なものでないことを認めるのか否か? (2)これでもまだ水平感染ではないのか。野鳥の調査結果はどうだったのか。問題が茨城に限定しているのは検査抗原の違いだけではないのか。 (3)ウインドウレス、解放鶏舎を問わず、殺処分を免れる条件とされるネズミの入らぬ鶏舎が実在すると本当に考えて居るのか、単なるマヤカシではないのか? (4)33例目の森屋ファームの場合、喜田委員長が26日以前に感染していた可能性があるとしたのは11月26日の家保による検査の精度の問題という意味か? (5)全国調査との検査抗原の違いも大問題だが、検査精度の問題とすれば、とりあえず本当に確実な全国的サーベイランスは技術的に可能と考えているのか? (6)34例目のイセファームでは3回目まで陰性、4回目でウイルスが検出されないまま、ゲル沈陰性、HI低率陽性という結果と報じられた。31例目までと違って卑近の検査で陰性ということは、新しい感染であり、それでもウイルスが出ないで、いきなり陽転というのはどう説明するのか。またゲル沈には引っ掛からず、HIも陽性率が低いのは感染初期でウイルスが空気中に拡散して付着量が少なく未だ進行中だからと考えられるが、それでも付近からウイルスが見つからないのはどうしてなのか、この鶏群の向後の見通しは? (7)現在発症もせずウイルスも検出されない陽性鶏群をウインドウレスに三カ月も閉じ込めておくのは検査精度に問題有りとするからなのか。もしウイルスが潜んで居ると考えるなら、返って危険だと思わないのか?(確実に強毒化《した》とする河岡委員の発言に矛盾する) (実際に鶏を経済寿命の1/4もの期間、鶏舎内に閉じ込めることは、他の疾病に対してもワクチン切れ等、危険な行為である。また経済寿命を過ぎて飼養することがあれば経済的負担も大きい。むしろ殺処分を望む切実な声すらある。) 質問はまだまだ切りがない。しかしその多くはその都度書き送ってきた。その返事も無論聞かれないが、まだ肝心のH5N1の襲来がこれからだというのに、抗体もない鶏群を抱えてどう対処するのか。やられてから互助基金目当てに経営を再開すると云っても、また同じ抗体のないヒナをいれるのなら何度入れても同じ結果を覚悟しなくてはならない。今でも育成業者は困り果てて居る。我々も来年の予定が全く立てられないで居る。 H 17 11 26. I,SHINOHARA. No.16922 |