鶏飼い時事(じじい)…『鳥フル韓国警告を読む』



"But animal inoculation is not an answer and would do more harm than good, said Kim Joon-kul, an official at the Ministry of Agriculture and Forestry's Animal Health Division."(By Yoo Soh-jung 2005.10.05より抜粋)

上記のレポートによると、我が国でもなじみの金教授の言葉としてワクチン接種を害悪とする論調を伝えて居る。その中身は度々ワクチン反対論の中で伝えられて居る範囲のもので、あくまでunknown side effects(未知の副作用)に対する懸念が中心である。
唯、伝えられて居る通りとすると、韓国の方針は我が国の参考にはなりそうにない。大槻教授の発表にもあるように彼国では既にH9N2が蔓延状態にあるとされる。このことは既に民間でもED症候の広まりとして伝えられて居る。

1996年、我が国でのH3N2の発症と期を同じくして韓国では同年3月にH9N2,HPAIの大きな発生があった。H9N2は当初HPAIとして中国、香港、韓国を席巻し、後3系統に別れて、現在はLPAIとして広く分布しているとされるが、この株は最初に人感染を起こしたとして知られて居る。

その後アジアは後発のH5N1に取って代わられ、H9N2は主役の座を譲ったが、度々取り上げたように南中国ではH9N2LPAIの存在が一時的にH5N1の発症を押さえ、そのためにH5NIの初期の摘発が困難になったとされた。

そのH9N2が韓国内で定着している話は既に外国の研究チームによっても明らかにされているもので、当時の南中国と同じ状況といえる。韓国では日本と違って、それ自体がHPAIに変異することは考えて居ないらしい。それならむしろ当面のH5N1に対するワクチン代わりの防波堤とする気が有るのかもしれない。しかしその効果は南中国の実験例ではおよそ3カ月である。押さえ切ろうとするには3カ月以内の補強が必要となる。その為にはH9N2の抗体を補強するワクチネーションが必要とされる。だから一説に韓国では12月をメドにワクチン接種に踏み切るという話もあった程である。

とにかく一片の情報だけを鵜呑みにせず、より一層の情報収集に務めて自衛を心掛けなければならない。はっきり今回のこの韓国情報は、我が国との協力態勢を云う割に、肝心のH9N2の存在に触れて折らずそのまま鵜呑みにすることは、むしろ危険であると言える。


H 17 10 5. I,SHINOHARA.