鶏飼い時事(じじい)…『やっぱりねの話』



今朝、鶏卵肉情報誌を手にした。大槻教授の手記が出ていた。
われわれがじれったいのは個人的な情報を持っていても、その当事者が正式にコメントするまでは口外出来ないことである。雑誌の記事についても同様である。従って何カ月も匂わすだけになる。
動衛研がNIAHのホームページで、ワクチン使用の考え方について国際機関と農水省の考え方を比較対照して書いてくれたし、Sasayama´s Weblogでは92/40/ECの見直しについて紹介されているので基本的なところは追追一般にも理解されてくるかも、と淡い期待を持っている。

ただ現場で癪にさわるのは、現場の技術的なことを通り一遍の常識的な知識で否定してかかってくる生兵法の手合いである。特に馴致、競合排除、干渉作用などについては、現場の体験が総てであり、すべて実戦経験である。それなくして決まり切った規模で何十年も同じ客に対して間違いなく生産物を届け続けることは出来ない。教科書通りの治療では治せぬ患者を救うのは臨床での名医である。それはお客を抱える限り、鶏飼いでも同じである。我々にとって斯界の権威者はあくまで《一事の師》に過ぎない。彼らは決してオールマイティではなく、むしろ現場では素人だ、とそのくらいの気概がなくては現場で責任のある仕事は出来ないと叱咤激励している。

カギとカギ穴の話があれば、そのカギ穴に蓋が出来ないものか、専門家に聞き専門書を漁り、そこでCE法や干渉にぶつかる。これはまた免疫問題とは違う。そこで過去の修羅場での体験と照合させるのである。また普段大事なのが研究者の楽屋話である。「やってみろよ 責任は持たないよ」と云う話は講演では聞けない。講演だと「いやあ、信藤課長がいたもんで」という話になる。

NDとAIハイパソは違う。しかし対応はさして変わらない、ワクチンがなければ競合排除を試みるか。発生させたら終わりである、NDLV漬はどうだ。とそんなふうに考えるのが現場である。何でもやってみろである。

最初の話に戻る。
大槻さんの口から、茨城だけはHIの抗原に茨城株を使ったという話がでた。しびれを切らして待っていた話だ。これで一件落着である。従来株とあまりに抗原的差異が激しいもんだから、中米ワクチン説が出ただけである。なあんだの話である。
香港も中米株。中国とその周辺も中米株。椋鳥だってスズメだって持って来るよ。
喜田さんも大槻さんも《北方の城壁ヒンデンブルグ内閣》だ。云い得て妙だと思わないか。
その北方からの敵も新装備だ。日露戦争のつもりでノモンハンにならないように、敵は日進月歩なのだから。

H 17 9 29. I,SHINOHARA.