今日発売の週間現代に「農水省は鳥インフルエンザのワクチン開発を潰していた」と小さくはあるが例の過激な見出しでNBIの活動、館沢部長の談話を乗せていた。 さすがに時宜を得た、一点非の打ち所が無い真面目な話で説得力がある。やっとマスコミがまともな取り上げ方をしたと息子たちや農場のスタッフは喜んだが、反面、館沢部長は困られたろうなと話す。なにしろ何とか理解して許可をしてくれとお願いしている相手に「牙をむいた」と書かれた訳だから。 しかし何時ものことながら正論が正論として通らない世界だから皆苦しむことになる。頑張ってくださいという以外ない。そんな正論でなくても、おしなべて物云えば唇寒しで、まあ黙っているほうが得なことが多い。 聖書の「たたけよさらば開かれん 求めよさらば与えられん」という言葉はどうも日本人社会にはなじみにくい。私自身の苦い経験で息子たちにも良く話したことで,昔ロイコという病気が流行った頃、血液塗抹を作ったりギムザ染色をやったり色々面倒を見てくれた地元家保の先輩に、その人の立場も考えず「結局、月給の方を向いてしまうのか」と云ったことだ。後悔さきにたたずとはこのことで、爾来鶏は静かに飼うべかりけりと門外不出を決め込んでいるのは前述の通りだが、たまに出て行くとまたやらかす。とうとう養鶏試験場長に「あいつの云うことは聞くな」ときらわれてしまった。 NBIさんにこれまでの同社のシンポジウムの資料を戴いて、その世界的な活動で得られる貴重な知識を役立てない法はないと、ホームページのなかでドナって来たが(実際は同社の大規模なシンポジウムでは農水省のお歴々は云わずもがな斯界の権威者、研究者がキラ星の如く並んで出席していたのだが)それで農水省がオカンムリでワクチン許可が遅れては一大事、まあ実際には歯牙にもかけはしまいと、息子たちは農水省などにも送り付けて居るようだ。 マスコミもこんな時、養鶏場に取材を申し込んでも受ける所はない。いつもここでは夏になると暑さ対策で数台の動噴を使って派手に水を掛ける。去年もその図が中央紙の一面に乗ったが、こんどは派手に消毒薬を掛けているところが欲しいらしい。希望をかなえてあげたいが、それをするとお客様が逃げてしまうので丁重にお断りしている。それにどうも日本の学者は我田引水ばかりでちっとも前に進まない。あれじゃ駄目だなんてケナすと明日から「ときの先生」への取材に差し障る。 それにどうせこっちは「面白番組」ばかりでストレスが溜まる一方だが、へんに本音を云えば向こうが消化不良を起こし兼ねない。でどうやらホームページがはけ口になっているらしい。おかげで裏情報の山だが、それにしても鶏飼いの肩身は狭くなるばかり、早くなんとかならぬか。 H 16 2 2 I S |