『鳥インフルエンザ問題の今後(95)』



昨夜はまた数人のメンバーが集まって、取り敢えずの農水省の第一報を読んだが、2日の小委員会後の不用意な喜田発言で、業界は思考停止状態に陥り、その情報はさながらサイバーテロの如くに世界をかけめぐる悪夢のような1週間であっただけに、我々はまた貴重な体験をしながら、これで兎にも角にも正常な思考状態に戻れそうだと、皆一様にほっとした面持ちであった。
しかし今朝までの各報道ではまた逆戻りで、なんとした頭の悪さかとあきれてしまう。
あれだけメキシコを後進国扱いしてコケにしたあげく、当のメキシコに違法ワクチンの情報提供を求めるなど正気の沙汰ではない。誰がそんな云うことを聞くか。真面目で日本に好意的だったDr.ガルシアの怒りが目に浮かぶ。相手を馬鹿にするだけしくさって日本政府は恥を知れ、どこまで上塗りをすれば気が済むというのだ。
そしてこれが全く成算のあてもないことを知りながらマスコミ向けに体裁を繕ったものだとすれば、この上ない悪質な報道である。
しかし、流石にここまで来るとこの話が陰謀であるとはっきりして来た。自爆テロは現実味を帯びた。

最初のAK農場でのウイルスのあまりの抗体応答の良さ、症状を見せない親和性の高さ、ウインドレスに見る強い感染力などからいろいろな疑いも生じたらしいが、皆の思考が正常に戻れば、必要で有益な情報もどんどん出て来るのであり解明の速度は何百倍にもなると思って居た。学者だけが遊離して現場が思考停止になり、そっぽを向けば現実問題は何一つ解決しない。研究者 行政は心すべきであり、昔はこんなことはなかった。現場軽視は研究者、行政の思い上がりである。今度はそれを外国にぶつけると云う。人間の気持ちを分からぬにも程がある。この結果は歴然としていて、更に深い墓穴を掘った。

茨城では、陽性鶏摘発が続いて居る。たとえウインドレス鶏舎を除外してもそろそろ殺し切れなくなるだろう。まだ90万羽位の未処分鶏が残って居る勘定である。これからも増え続けるのか、誰か止められないのか。

それにしてもEDの鑑定出しから5カ月、加賀の千代女ではないが《ウイルスめ今日は何処まで行ったやら》である。茨城県内に止まっているとするのは理屈に合わない。ただ抗体だけなら危険な変異もヘッタクレもない。官の手にさえかからなければ取り敢えず安心である。その代わり、かかれば御名御璽(ぎょめいぎょじ)で一巻の終わりだ。

大槻教授の紹介の韓国のH9N2はEDの症状がひどいそうである。同じならこれが出てくれればよかった。危険性はともかく理不尽な殺処分だけは免れる、ま、これは冗談。

問題は南下して来る本命のH5N1を抱えて居るとされるガンカモや長靴族だ。どっちみちワクチンはたとえ認可されたって間に合いっこないから、やられるに任すより手はない。
思考停止が解けて皆がまともに動き出すようになれば問題の解決も早まり、村八分の出番はなくなる、そろそろこのシリーズも終了だと思いきや、また逆戻りとは本当に情けない。 

H 17 9 10. I, SHINOHARA.