『鳥インフルエンザ問題の今後(81)』



卵肉情報誌にも寄稿したが、農水の発表した無許可ワクチンの問題は何か広範囲な伝染病が発生したとき、いつの場合も何処の国でも必ず起こる問題ではある。しかし養鶏現場とすれば違法ワクチン使用で摘発を受ければ、、実際の病気にやられる以上に、一罰百戒的処置で鶏は淘汰されてしまう上、違反者としてレッテルを張られることになり、事実上仕事が出来なくなってしまう。こんな割りの悪いことをやる馬鹿はいない。それといくら小規模でも大抵は従業員もいて秘密裏にワクチンを使うことは困難である。

事実茨城県の調査でもその辺の抜かりは無い筈だし、同県養鶏協会の談話「本人が話さない限り真相は無理」(読売新聞9月3日付)はおかしい。そんなことはやれば必ず露見した。やった事実があればこれまでに出て来て居ることは間違いなく、事実がないから出て来ないのだ。

特に今度の小委員会での討議でわれわれが最も期待したのは、ほとんど防疫上は無意味に近い大量の鶏の殺処分に歯止めをかけることであった。国や小委員会に対して、陽性というだけで何でもない鶏を大量処分を続けることへの批判はウインドレス問題を契機に一気に膨らんだ。これをかわす意味の委員会開催にしてはならないとの強い思いから攻撃を集中させたが、敵はワクチン疑惑を正面に押し出す非常手段で窮地を脱する、目くらまし戦法に出て来たというのが真相である。しかしこのこじつけ振りは無理が多すぎ、批判を増幅させるだけで,小委員会と農水の自爆テロとの認識をむしろ定着させてしまった。しかもワクチンに対して、当該県も全養鶏業者も否定してきた。それでも尚疑う姿勢を示すのだから、断固戦って立証責任を果たさせるべきなのは言うまでもない。

繰り返すようにメキシコであろうがグアテマラであろうが、フイリピンに行かずとも、隣国には何でもござれである。外部の正式ルートでは一切伺い知れぬが情報は山ほどある。偏西風に乗って、黄砂が降り注ぐ時期、野鳥もマイルド化され中米ではエンデミック化されたされたワクチンからの野性化かもしれないウイルスを体内に抱えて無数に飛来する。有り得ない国内でのワクチン使用を云々する前の動衛研に頼んで、野鳥を調べて貰えば恐らくバラバラ出て来て環境汚染が証明され清浄国の仮面も剥がされる。それが怖くて野鳥の調査はやらせない。そんなこと小委員会の面々分かり切ってるくせにそこは避けて話をする。する方もされる方も本当だとは思って居ない。こういう茶番劇は学者連中の最も得意とするところだとはほかならぬ委員諸氏が先刻承知の筈である。これに騙されるのなら騙されるほうが悪い。マスコミをなじるより皆に騙されぬよう勉強していただくことが肝要である。

しかしどうも茨城県は国に対して弱腰である。他県の批判は避けたいが、鯉問題にしろ、鶏問題にしろ産業の端くれとして守っていただかなくては困る。県養鶏協会も今朝の弱腰コメントでは困ると思う。本当に「茨城は おとりつぶし 」になりかねないと心配する。

小委員会の諸君、渡り鳥経路を否定したついでに国内でのワクチン使用を唯一の可能性としてでっちあげに近い主張をしたが、あらゆる国のワクチン、ウイルスの宝庫とされる大国からは蜘蛛だって偏西風に乗ってくるんだぜ。なんで専門馬鹿で一つ覚えの北からの渡り鳥でなくてはならんのだ。そのうちお望みの強毒タイプがそっちから来ることは間違いないが、今度のはありきたりのその辺の鳥の仕業さ。動衛研にちょっと調べて貰えばわかる。その場合も一方的に鶏から感染したと言いかねない委員会の連中「全くおぬしたちも わる よのう 」

H17 9 3. I,SHINOHARA