『鳥インフルエンザ問題の今後(79-2)』



本日午前9時30分からの小委員会の開催を意識してホームページのアップを急いだ。
(79)の記述に対して、現在無症状の摘発鶏群を放置してHPAI化したらどうするのかという業者仲間からの抗議があった。

今回の100%近い陽性鶏群の何処に危険な変異に必要なウイルスが潜んで居るというのか。ウイルス検査の結果もほとんどの群で見つからなかったではないか。それは信用できないから、とするなら最初から検査は無意味である。抜け殻からウイルスが出て来て強毒化することまで心配するのなら、その何万倍の可能性と危険性のある、実際のアウトブレークを警戒すべきである。

コソ泥が入って、取るものが無くて退散した家を燃やして、二度と泥君が入らぬようにするような行為は《ドロ縄》と同じくらい馬鹿げた行為である。

それよりも真の危険を見定めて本当の《ドロ縄》にならないようにしなければならない。小問題と大問題を取り違えないようにしたい。尤も、この理由無き鶏の虐殺は、防疫そのものにはほとんど意味のない行為であっても、それを受ける鶏業界に取っては、前門の虎、後門の狼の窮地に立たされた形である。

前門は強力な権限を持たせられた鬼のごとき小委員会の面々が塞ぎ、後門は強毒を初めて抱えたシベリアからの渡り鳥がうかがう。これで一旦発症を見たら、自衛の武器を総て取り上げられた場内は大混乱の地獄絵になることは間違いない。その地獄は前門の虎共によって、もう始められて居る。

始末が悪いのはそのような絶大な権力を手にした彼らに、その自覚が全く無く、善良な研究者然としていることである。また多少意味は違っても、やはりこれは鳥飼いにとって耐えられない苛政である。
まことに以て、苛政は虎よりも猛なり だ。

昨日の茨城県の開放鶏舎で抗体反応が出てもすぐに鶏の殺処分をしないよう防疫指針の改定要請に対して、農水省は「危険度が上がらないように従来の方針を守りたい」(消費安全局)としている。重複するが改めてその根拠を伺いたい。

H 17 9 2. I,SHINOHARA