『鳥インフルエンザ問題の今後(62)』



I農場での処理の報道を受けてデパートなどからの問い合わせや情報が殺到し、こんな小さな現場でさえ、別に電話窓口を設置する位だから、いくら平静を装っても少なからぬ影響が出て居るものと観念している。いやさ出ない訳がない。

平素、鶏を健康に飼うことが食の安全にも繋がるなどと体裁の良いことを云って居ても、現実に事が起こればECの動物愛護も何処へやら鶏共を舎内に無期限に閉じ込めて息をひそめて居ることになる。あり余る食料を目の前にしての議論など、何か有れば一瞬にして消し飛んでしまうだろう。

野鳥や農家の庭先養鶏の罹患では平然としていたプラウダもモスクワの東2000キロのシベリア オムスク州の14万羽の大養鶏場がやられる事態になるとロシア経済への大きな影響を懸念せざるを得なくなるが、その点さすが経済大国の日本では、もうこの2カ月で元気な鶏40万羽を殺しても、可哀想のかの字も、いわんや経済のけの字も食料のしの字も出て来ないで安全が第一という。。必要以上の安全性へのこだわりだけで、立派に食べられるものまで捨てて仕舞う日本人の食の将来は推して知るべきだろうが生産者の我々とすれば、消費者に媚びてでも、ひたすら安全性を追求していかねば取り敢えず生きて行けない。

ところでI農場の検査の続報に今朝から業界の皆が注目している。搬入先が陰性なら発生時期の関係でルートがぷっつり切れて説明がつかなくなってしまうし、陽性なら飼育規模の関係で、由々しき問題となる。さあどうするんだろうか。

いずれにしてもこのやり方はこの辺でご破算にして小委員会は責任をとって総辞任すべきだ。そして肝心なほうに精力を注ぐべきである。

それともう ごまかしはやめるべきで、I農場は全体の85%がウインドウレス鶏舎で、たまたま当該農場だけが解放鶏舎だったから、そこがやられたとするような無責任な報道があったとしたら控えるべきだと思う。そこでのその飼養形態は解放鶏舎とは言い難い。その辺の定義もあいまいで本当のことが分からぬ以上は情報が一人歩きして鶏舎形態で類別することがあってはいけないと思う。

尤も、私自身が自分で云う場合は自分の経営を庭先養鶏と称し、メキシコなら事前に淘汰対象になったろうとはいうが、それはいつでもつぶす覚悟の程を云うのであって、それでもあえて社会的責任を云々すれば14人の従業員と6000人の登録顧客に頼った小規模養鶏ということにもなる。

私自身はドイツ、オランダが動物愛護に逆行して鶏舎の運動場を閉鎖しても、そんなことくらいで防げっこないと内心は思っている。これまでの世界の感染例を見ても閉鎖型、開放型のどちらが有利か判然としない。実際どちらも危険と云うべきだろう。第一鶏舎の形態如何で防げるような相手だったら最初から苦労はしない。

午後2時を過ぎたがまだ連絡はない。どうしたのかな。

H 17 8 22 2時 10分 。 I ,SHINOHARA