1999年9月〜12月


その19:師走だった         ('99/12/ 31)

 すっかり更新をさぼっていたが実に色々な事があって慌ただしかったのだ。一番の事件はロードレーサーでの事故。12日のツインリング・もてぎでの99kmレースの最終調整に、会長らとの集合場所に向かっている時に左から出て来た車の側面に衝突、身体はボンネットを越え左肩から着地、愛車モゼールはフレームがまっぷたつ。幸い怪我は全治4週間の強度打撲で、レースはスペア・バイクで出場したがさすがに中盤以降は、ホントはヒビでも入ってるんじゃないかという痛みだった。

 その数日後には Moto Guzzi の車検だった。ここ7、8年は自分で車検場に持ち込んでいるのだが、これが毎回苦労する。82年型で今の日本の基準からすると行灯のように暗いヘッドライトのせいだ。前々回はバッテリーとライトを直結する配線を用意して乗り切った。電流が色んな所を通らず直接ライトに行けばそれだけ明るくなるからだ。しかし直結状態ではライトのハイ・ロウの切り替えが出来ない。まずノーマル状態でこれらやウインカーの検査を受け、ブレーキ・テスト後、数メートル先の光軸・光量測定器のところまで押して歩きながら隠してあったコードをつなげるという荒技で勿論自分一人では出来ない。いつもピアニストで DUCATI 乗りの須藤氏という人物に全面的に頼っている。一昨年の前回はシビエのリレー・キットというのを組み込んで光量はOK だったものの焦点が二つ現れてきて(おそらくライトボディ内の反射盤のメッキの劣化)仕方なく一方を選んで調整、一回目は落ち二回目で何とか合格。今回はライトを新調することにした。ところが探し始めたら特殊なサイズであることが分かり一般では入手不能。高値覚悟で輸入元に問い合わせると「ずっと注文を出しているのだが94年から入荷していない」という絶望的な答だったがびっくりする値段だったのであとからすれば在庫がなくてよかった。諦めて当日須藤氏と車検場近くの民間の予備車検場(同じ機械で検査をして問題点をチェック、ちょっとした調整ならしてくれる)に行くが、これじゃあ無理だから一度落ちてそのとき向こうの機械でどうズレていると出ているのか係官に聞いてきてそれに合わせて調整しようということになる。半ば開き直って検査を受けるが、なんと合格してしまったのだ。みんなビックリ。

 で、宮崎に片山と行ってひどい二日酔い三日酔いで帰ってきて今度は久々の<麗蘭>のリハーサルが始まり、その間にモゼールに替わる PINARELLO のフレームが入荷してコツコツと組み立てを始め、怒濤の麗蘭ライブ、、、、という具合で全然更新する精神的余裕なし。昨夜 PINARELLO を一応完成させ少し試運転したが、いいぞ〜。というわけでこれから年賀状が作れるだろうか。夜はアケタとPIT-INN だしなあ。みなさんよいお年をお迎え下さい。


その18:COIL うなぎツアー         (12/ 2)

 Coil(鬼怒無月g.、芳垣安洋 d.)で四ケ所ばかり行ってきた。初日の岡谷のライブ翌日に諏訪湖畔の「水門」という鰻屋で鰻重上を食す。カリっとした焼き加減で食感は良かったが私にはタレが甘過ぎて二尾分の特上だったら食べきれなかっただろう。焼きが良かっただけに惜しい。松本に移動、ライブ後は会場のダルースで馬刺を頂く。いつも旨い。しかしママさんの手料理の煮物がありがたかった。バンド内が風邪っぽいようなので移されないようレンコンを集中的に食べる。翌日は名古屋。演奏後はいつもの「ピカ一」で台湾料理だったが翌日の昼食は懸案の「いば昇」の<櫃まぶし>。20年以上前からちょくちょく食べに来るが、正午を過ぎてしまうと行列になるので近頃はご無沙汰していた。刻んだ鰻がお櫃の御飯に入って出てくるこの櫃まぶしはさすが老舗の味。最後の一膳を小口切りのネギとワサビでお茶漬けにするのが流儀でこれがまた旨い。かつては鰻重を済ませてからこれを食べていたものだがさすがにそうは食べられない。その日は豊橋で最後のライブ。最終日に相応しく演奏は盛り上がり、従って翌朝は二日酔いの中の出発。新幹線で急いで帰京する芳垣と別れ、鬼怒の運転でのんびりと浜松に立ち寄りまたまた鰻屋を探す。鬼怒の心当たりの店が見つからず、私の方の店も記憶が曖昧。結局「曵馬野」という店で鰻重特上。テレビがついていて食堂風ではあったが値段も安くなかなかよろしかった。本当は高速のサービスエリアの貧相な鰻で締めくくりたい気持ちもあったのだが。

1. 2.

3.
1: 岡谷 2: 名古屋 3: 浜松


その17:サンシャインはなんじゃ!!         (11/21)

 昨日、池袋サンシャインの文化会館で2日間開かれた<スポーツバイシクル・ショー>にAmanda で走って行って来た。片道30kmを1時間15分、実質の乗車時間は1時間3分。会場は人出が多く大混雑であまりゆっくりは見られなかった。アトラクション・スペースで見なれない型のトレーニング・マシンのデモをやっていて丹念にチェックしていると試乗を勧められ、跨がって説明を受けていたらヘッドセット・マイクを付けたインストラクターが登場して、私を含めて4人を体験者にして実演が始まってしまった。これがきつい。ゆるい下り坂、平たん、上り、きつい上り等と負荷を変えていく。「それではスプリントです。はい、思いっきり20秒!」なんて言われ、インストラクターは勿論、私の右隣のヤツも随分速く回している。見物人もふくれ上がり、レーサーウエアを着ている手前、くそ〜っ、とこぎまくり床に汗がボタボタである。15分足らずだったが、いやあキツかった。なんでこんな目に。
 別会場でサドルやステムを買い込んで自転車のところに戻ると、メッセンジャー募集のチラシと「駐輪禁止」の貼紙。「サンシャインシティ内には駐輪スペースはございません。ご協力をお願いします。」と書いてあり、車の駐禁みたいに確認時間や車種まで記入してある。あんな見てくれ立派な巨大なものを造っておいて、駐車に関しては車のことしか考慮していない。シティイコミューターとして(俺はイナカモンだけどさ)の自転車にもっと注目していかなければならない時勢に、なにをアホなこと言っとんじゃ。排ガス出さずに所沢から走ってきたんだぞ、バーロー。
 帰りはタマさんのところに立ち寄った。玉川サイクルで遅い昼食を採ろうと近くのコンビニに弁当を買いに入ったら、先客の若い夫婦が小声で「ほら、メッセンジャーだよ」などど言っている。違うっつんだよなあ。


その16:HAYAKAWA at ClubQUE         (11/16)

 11月8日、下北沢 ClubQUE にて<HAYAKAWA>ライブ。<DE-GA SHOW>と対バン。植村がヨーロッパからの帰国便の関係で出来ないことはスケジュールを決定する時から分かってはいたのだが敢えて強行。以前からやってみたかったパーカッションの岡部洋一君に加勢を依頼。一週間前のリハーサルでは、大して説明もせずにラフな譜面を渡しただけで全く進行を間違えなかったので驚いた。本番も期待通りに暴れてくれた。北沢とのコンビもバッチリ。実は一週間以上たった今日、ようやく当日の録音MDを聞いたのだが我ながらバンドとしていい演奏でした。どうも自分のバンドの演奏というのはすぐ聞く気にはなれなくて一ヶ月位放って置くこともある。恐いのだろうか。しかし自分のMC には赤面だ。他人のシャベリで気になる嫌いな言い回しがなぜか自分の口からでてしまったりする。もっとアタマ良さそうにするぞ。

<曲目>

  1. <DROMAEOS (ドロメオス)>:ドロメオザウルスという小型肉食恐竜の意。脚が速く集団で草食恐竜を襲っていたらしい。そのドドドドッと走る様子を表した。
  2. <山王>:名栗渓谷付近の峠の名。今年の二月にタマさんと二人で小沢峠に走りに行ったら数日前に降った雪が大分残っていたので陽当たりのいい山王峠にトレーニング場所を変更、何度も上ったり下りたりしていたら珍しくタマさんのほうが先に音を上げたので記念にネーミング。
  3. <294>:5月の「高尾〜糸魚川ファストラン」の294kmから付けたが、8分の15拍子のこの曲、後で気がついたら2+9+4=15ではありませんか。あの辛かった激走を表現。
  4. <PUG BUG>:HAYAKAWA で一番明るい曲調です。何年か前の個人的第一次Mac混乱期の時だったので自分の無理解さをバグのせいにしようと命名。
  5. <NO SHOES>:最新曲。秩父でのヒルクライム・レースの試走をしに本番一週間前に自転車を車に積んで出かけて行ったのだが、いざ走ろうとしたらレーサーシューズを忘れていたのだ。しょうがないからフツーの靴で走った。本来小型ペダルとシューズ裏の金具がはまるようになっていて微妙なポジション合わせもしてある。非常に走り辛かった(特に引き脚が使えない点)がそのおかげか本番では9位と、まあまあ。
  6. <TRIPLE SPIRALS>:かつての私のバンド<SALT>のファースト・アルバムに入っているがリズムをだいぶ変えている。つまり13、4年前の曲ではある。おまけにアルバム<HAYAKAWA>の中の「六重螺旋」でも変型させて使っている。

 


その15:HAYAKAWA & J.H.E.Session         (11/ 4)

 10月31日、新宿Pit-Inn にて<HAYAKAWA>ライブ。ドラムの北沢篤が参加出来ず、植村昌弘の1ドラム。2ドラムスの絡みを期待していた方には申し訳なかったけれど、バンドのレベルとしては徐々にアップしている(はず)。植村が「リハーサルやりましょうよお」とうるさく言って来るおかげもあるな。初めて石井が手作りパーカッションを持って来て、ギターに専念して欲しい気持ちもあるのだが、それはそれで面白かったし評判も良かった。今後に期待。
 翌々日の11月2日、高円寺 ShowBoat で橋本ジュンを責任者としてドラムの満園エイジと3人でセッション。ジュン、エイジとベースの満園ショウタロウのトリオ
<EXCITE 3>の曲やジュンが当日書いて来た新曲2、そしてHAYAKAWA の曲を1曲。エイジの爆裂ドラムは笑っちゃうほど楽しい。ジュンは俺のバンドの時よりマジメ。リハでもHAYAKAWA の時にはしないのに、しっかりテープに録音していた。コラッ!!5月にHAYAKAWA と共演してくれた<BabyKrishnaLoversBand>と<バンド>という若手バンドが対バン。B.K.L.B. は相当変化していて怪し気なインストバンドになっていて興味深い。<バンド>ってのがまたこれがはたちのドラマーと18歳のG&Vo、Bass から成る超若手で、なるほど The BAND も知らないから付けられる名前。Creem、LedZeppelin 系プラスへんちくりんな曲もアリで良かった。何せ上手かったので驚いた。我々はトリを務めたのだが、ひょっとしたら彼等のオヤジさんの方が俺より若いかもなあ、等と思いつつ、ここで立派な手本を見せてやらにゃあと爆発しまくったのでした。


その14:サンプル盤三題                 (10/27)

 8月に1曲だけ参加したシオンのアルバムのサンプル盤が昨日届いた。いいアルバムだ。ホントは自分のやったやつしか良く聴いてないけど。その曲はThe Groovers の藤井一彦のシキリでレコーディングしたんだが、やっぱりグルーヴァーズっぽいストレート・ロックでワカワカしいサウンドがシオンの一見(聴)ルーズだが実は鋭い唄声に合っている。
 1曲だけ、と言えばやはり8月に Begin のシングル盤に参加してこれも先週サンプルを受け取った。なんとTBS の毎日やってる昼のドラマ「温泉に行こう」の主題歌。CD にはカラオケ・ヴァージョンも入っているから貴方も私のウッド・ベースにのって歌えますよ。初対面だったBegin のみんなは気持ちいい音楽に真摯な好青年たちでした。
 次いでまたサンプル盤の話だが、暫く前にギターの鬼怒から彼のバンド<Bondage Fruit>の最新盤をもらった。なぜか僕の車のCDプレイヤーがこれを受け付けず、何度入れても吐き出されてしまうのでそのまま数週間聴くのを忘れていた(ごめん)。先日思い出して家のステレオで聴いたらこれが素ん晴らしい。いままでのボンフルの作品で最高のものだと思った。というより今まであまり僕とは近くない音楽だと感じていたのが一挙に距離が縮まった。続けて2度かけたね。これは彼がヴァイオリンの勝井君とやっている自主レーベル「まぼろしの世界」からのリリースなのでどこの店頭でも手に入るとはいかないが面倒がらずに取り寄せなり通販なりで購入していただきたい。「ボンデージ・フルーツ 4」(MABO-010)。


その13:フリージャズ闘士の労働日              (10/15)

 昨日はCO2 のライブ・レコーディングだった。しかし朝、今度の24日の秩父・吉田町
のヒルクライム・レースにパインヒルズの選手達が大挙して出るらしいという情報メールが
カオス・斉藤嬢から入り、グソ〜、と楽器を置いて(ホントは始めから持ってない)走りに
出てしまう。24日はJCRCのレースが嬬恋村でだぶっていて、公道レースでは一番好きな
コースなのだが悩んだ末、昨年10位だった吉田町を選んだのだ。もちろん強い連中は嬬恋
のほうに行くだろうという予想もしてだが。まあいくら<グソ〜>と走っても強いやつには
かなわんが。一応レコーディングということを考慮して早稲田周辺コース5周でやめておい
たが、今朝よくサイクルコンピュータのデータを見たら5周のタイムとしては新記録だった。
昨日は1分間違えていて、平凡なタイムだと思っていたのにベストを30秒更新だ。想えば
CO2 のファースト・アルバム録音の朝も多摩湖で記録更新して上機嫌でスタジオ入りした記
憶がある。これからは大事なレースの直前には
CO2 のレコーディングをすることにしよう。
カンジンの演奏の方はと言うと、良かったらしい。


その12:ロックスターの休日              (10/01)     

 今、某アーティストのレコーディング期間中なのだがスケジュール変更で今日がポッカリ
休みになった。で、午後久々に多摩湖のコースを走った。ロードレースに目覚めてからずっ
と多摩湖をホームグラウンドにしていたのだが、2月末に強豪チーム<パインヒルズ '90>
のトレーニングに参加して早稲田・所沢キャンパス付近のキツいコースを知って以来、殆ど
そちらを練習ベースにしている。3月以降ではここを走るのは5回目。とは言えそこそこ起
伏のある、本気で走ればキツいところ。11kmを折り返して22kmをワンパックにしてい
るのだが、最高タイムが出てしまった。昨年8月と今年4月に共にアベレージ32.0km/h(
往路32.4km/h)を出したのが今までのベストだったが今日は一気に33.0km/h(往路33.3
km)。思えばやり始めのころは26,7km/hであったなあ。アベレージで1km上げるってのは
相当大変なんだぜ。もう1回走ったが2度目は30km/hをクリアするに留めた。少しは帰って
オンガクのことも考えなきゃならんからな。
 帰宅してシャワーを浴びウェア類を洗濯してたら豆腐屋さんがラッパを鳴らして自転車でや
って来たから絹と木綿を一個づつと油揚げを三枚買う。この人、ロードに乗ったら相当速いか
も。あの荷台の木箱は水も一杯入っているからえらく重い。すごいよな、毎日のトレーニング
量。そういやあ競輪の初期にはこういう実用車でのレースも行われていたのだ。人気が出ずす
ぐ無くなったそうだが。以前彼が自転車を新調した時に俺がたまたま外に愛車を出していて値
段の話になり、遠慮して可成り低めに言ったのだが自分のより高い自転車があるなんて(13
万位だったそうだ。ガッシリしているからね。)、と感服された。
 さて、結局ビールを飲みつつ洗濯物をハンガーにつるしたり野菜を洗ったりで、これが明日
からレコーディング・スタジオにこもるロックスターの姿なのだろうかと思う。まあ俺がロッ
クスターなんじゃなくて、ロックスターと録音するってだけだね。


その11:相撲と野球              ('99/9/24) 

 もともとスポーツ観戦にはさほど興味が無かった。モータースポーツはバイク・マニア
だったので世界グランプリや市販車ベースのスーパーバイク選手権などはテレビ放映があ
れば見ていたしF-1 もそこそこ好きだったがだんだん関心がなくなった。どえらいムダ使
いだしアナウンサーはうるさいし。そういえばかつてはウチの猫も興味を示して、テレビ
を見上げて動き回る車をパシッと叩いていた。バイクのほうが気が乗ってたな。まあいつ
の間にか猫もヒトも飽きてしまったというわけだ。
 しかし相撲は好きだ。が、ファン歴は長くない。八王子に住んでいた頃、あんまり仕事場
まで遠いので車にテレビを付けてしまったのがきっかけだ。小錦が初優勝した場所で、あの
時は笹塚あたりの渋滞の中でもらい泣きをしてしまった。一応停車中しか見ないようにして
いるんだがつい横目で見て思わず「んん、そこだっ」と力んでハンドルが動いてしまうこと
がある。危ないのでこういうことはしてはいかんぞ、諸君。でもこの間、琴稲妻が引退して
しまったのでがっかりです。
 野球なんか全然キョーミなかったが、やっぱり偉大な王貞治監督に優勝して欲しいのと四
柱推命によれば不調だったジャイアンツの松井と俺が同じデータだというので応援する心情
になり今季は良く見る。しかしゲーム差とかマジックとか良く分からん。梅津や片山(共に
西武ファン)に聞くのもシャクだ。チャボ(巨人)に聞いたらステージのMCネタにされそう
だしな。まあテニスよりはややこしくないだろうからそのうち分かるだろう。もうすぐ優勝
が決まるな。


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