不動産の相続税や贈与税を算定する相続税路線価とは
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はじめに
不動産を譲り受ける、または相続することになった場合、贈与税や相続税を支払うことになります。
そのような場合、受け取った不動産をそのまま持っていた方がよいのか、売却して現金化した方がお得になるのかを知っておくことは重要です。
なぜなら、その対応によって支払う税金額が異なるからです。
ここでは、贈与税や相続税の評価額を算出する相続税路線価についてご紹介します。
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相続税路価は、公示地価の8割くらいが目安
路線価という名称から電車に関係のある土地を意味していると解釈する人も多いですが、実際は電車の路線とは全く関係のないものです。
相続税路線価とは、国土交通省の土地鑑定委員会が毎年1回公示する標準地の価格である公示地価の8割程度を目安とした価格を指します。これらは国税局が相続税法に基づいて調査し、価格を決定します。
では、なぜ公示地価の8割が目安になるのでしょうか。
公示地価の意味とあわせて解説しましょう。
公示地価は、原則として都市計画区内を対象に決定されます。 ただし区域以外であっても、土地取引が相当程度見込まれると判断された区域があればその土地も対象となります。
公示価格は毎年1月1日時点で決まり、3月中旬頃には新聞などで大きく発表されます。 相続税路線価が国土交通省によって定められた公示地価の8割である理由は、納税者の不利益を避ける目的があるとされています。 贈与税や相続税は、土地そのものの値段ではなく、土地に隣接した道路の値段で決まります。そのような理由から、実際の価値と価格が100%合うとは限らないため余裕を持たせて8割で計算しています。
現金より土地で所有した方が税金は安く済む?
土地を受け取った場合、贈与税または相続税を支払うことになります。
一般的に、
相続税は土地を現金化するよりそのまま所有していた方が節税できると言われています。
前述したように、相続税路線価は公示地価の約8割という計算になり、不動産の売買取引時価よりも安く鑑定されます。 つまり、
所有する財産の価値が現金と土地とでは土地の方が少ないため、税金の負担も軽くなるのです。
ただし、ここには注意点があります。公示地価は1年に1度しか価格変動がありませんが、土地の売買取引時価は常時変動するため、時には1年の間に土地の価格が暴騰暴落することがあるのです。
公示地価が見直される前に、売買取引時価より相続路線価の方が高くなった場合、土地を所有している方が税金を多く納めることになります。
頻発するケースではありませんが、土地をそのまま所有することで稀に損をするケースもあるため、注意が必要です。
国税庁にアクセスすれば、路線価図などが見られる。
ここまで相続税路線価についての説明をしてきましたが、具体的に受け取った土地の価格を知りたい場合、どうすればよいのでしょうか。
手軽な方法としてのおすすめは、
国税庁の路線価を取り扱うサイトにアクセスするというものです。
国税庁のサイトで知りたい土地の都道府県を選択し、路線価図をクリックします。
画面上に出てくる表には、エリアごとの路線価が記載されています。 表には、宅地をはじめとして田畑や山林、原野や牧場、池沼などが記載されています。
受け取った土地の種類によって価格がどうなっているのかを、細かくチェックすることができます。 このサイトはパソコンやスマートフォンなどの携帯電話からもアクセス可能です。インターネット環境が整っている方は、随時チェックしてみるとよいでしょう。
おわりに
不動産の相続人が複数人いる場合、土地などの不動産は簡単に分割できません。協議をし、トラブルなく手続きを済ませられるよう工夫が必要です。そのような場合にも相続税路線価の知識があれば土地をそのまま受け取るか現金化すべきか、判断できるはずです。外にも考慮すべき点はいくつもあります。不動産の相続でお悩みの場合は、ぜひご相談ください。
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