「地方分権速報」(1999年2月分)

朝日新聞に掲載された地方分権に関する記事を、月単位でまとめて掲載してあります。

目次

○2/26地方自治法改正案に国の役割限定化規定 自治省
〇2/24教育委員を教育長兼任 都道府県と指定市 文部省方針
〇2/23見えぬ可否、苦渋の決断 橋本高知知事の非核神戸方式提案
〇2/21主な質問と回答 選挙や地方行政に関する朝日新聞社世論調査
〇2/21地方行政「不満あり」55% 朝日新聞社世論調査
〇2/20介護保険広域連合、揺れる市町村(NEWS三面鏡) 【西部】
〇2/20地方事務官(窓・論説委員室から)
○2/16参院4会派、地方分権の会発足(永田町霞が関)
○2/10地方議員数の法定制廃止 109市区町村超過 自治省、上限数新設
○2/9地方交付税の算出法、自治体に意見提出権 
○2/8地方債の許可制、2006年度から廃止
○2/8進む分権、脱皮に拍車 自治体議員、政策立案に動く
○2/8行政の方針変えに不満の声 介護保険巡りシンポ 飯塚と直方/福岡
○2/5周辺振興に力点 市町村合併特例法改正案
○2/2地方分権改革、一括法案の問題点 新藤宗幸
○2/1住民投票で是非を問え 吉野川堰(社説)

地方自治法改正案に国の役割限定化規定 自治省
年月日   1999年 2月26日

 自治省は、近く国会に提出する地方自治法改正案に、国の役割を限定的にする規定を新しく設けることにし、25日、地方分権推進委員会に説明した。国と地方との新たな役割分担は改正案の第一条に盛られ、国の役割については(1)国際社会における国家の存立(2)全国的に統一が必要な国民の諸活動や地方自治の基本的な準則づくり(3)全国的な規模・視点で行わなければならない施策・事業などを重点的に担う。住民に身近な行政はできる限り自治体にゆだねる、と定めている。

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教育委員を教育長兼任 都道府県と指定市 文部省方針
年月日   1999年 2月24日

 文部省は23日、都道府県・政令指定都市の教育長は、教育委員会の委員でなければならないとの条件をつける方針を固めた。文部省は教育の地方分権の一環として、都道府県などの教育委員会が教育長を任命するときに文相の承認を必要とする「任命承認制度」を廃止する代わりに、議会の同意を得て任命される教育委員との兼任とすることで、教育長職の重みを保つ狙いだ。政府が今国会に提出する地方分権一括法案の中の地方教育行政法改正案に盛り込む。成立すれば2000年4月から施行される。
 一方、指定市以外の一般市と町村の教育長については、これまでも教育委員を兼ねている。兼任制はそのまま残し、任命の際に必要とされている都道府県教委による承認制度はやめる方針だ。

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見えぬ可否、苦渋の決断 橋本高知知事の非核神戸方式提案【大阪】
年月日   1999年 2月23日

 政府や自民党からの反発が強まる中、高知県の橋本大二郎知事が23日、いわゆる「非核神戸方式」の導入を提案した。橋本知事は記者会見で、「提案を決断した時期を答えるのは難しい」「可決の成否は分からない」と述べるなど、要綱案の提案そのものが苦心の末の決断だったことをうかがわせた。この問題をめぐっては、その実効性について学者の間でも様々な意見がある。政党の間でも意見が分かれており、県議会での審議は予断を許さない。
 ●「国との協力関係望む」
 ――この内容で提案すると、いつ決断したか。
 答えるのは難しい。
 ――「非核神戸方式」は本来、地方自治体が在日公館に直接、非核証明書の提出を求めていた。一方、高知県の案では、外務省に非核証明書を求めている。外務省は「事前協議がない場合、核の持ち込みはない」という見解だが、その外務省の証明で実効力はあると思うか。
 実効性は確保されると思う。今回の案はそもそも、外国艦船の入港を実力で阻止するという内容ではない。そんなことは法的にできない。外務省は非核三原則を所管する官庁だ。外国艦船について核を積んでいないと認識する立場にある。何か躊躇があるなら、非核三原則そのものが危うくなるのではないか。(外務省は)そういう立場を取らないと思う。
 ――橋本知事は「可決をめざさない条例案はない」と話し続けてきた。今回の案は可決されると思っているのか。
 まったくわからない。本会議や予算委員会での審議内容を見て、それぞれの会派も判断されるだろう。今の段階で可決、否決を前提に申し上げられる段階ではない。
 ――外国公館に直接、非核証明書を求めることをめざしていたはずだが、外務省経由に変わった理由は。
 条例化をめぐる議論が始まってから一年あまり。外務省などと意見交換するうち、「外国公館に直接求めるやり方が外交に制約を与える」という外務省の言い分を100パーセントではないが、一定の理解ができると判断した。そこで、外務省に非核証明書を要請することにした。外国艦船の入港を認めるのは核を搭載していないことを認識することが前提になるので、これは外務省を制約することにはならないと判断した。
 ――新しい日米防衛協力のための指針(ガイドライン)と関連して議論されることが多いが。
 (高知県の条例化とガイドラインの関係は)まったくと言うと言い過ぎかもしれないが、ほとんどというか、まったくない。高知県の案は、米軍の艦船だけを考えたものではなく、すべてを含んでいる。日常の商業港についてどういう対応をするか考えたものだ。
 ――条例化を通じて主張したかったことは。
 国と対立するのではなく、国と地方のより良い協力関係をつくりたいということだ。国に外交権があるのは当然だが、地方自治体には港湾法や地方自治法があり、一定の自治権がある。たとえ国が外交権の優先を言うにしても、「すべて地方は黙っていなさい」というのではなく、地方が安全を守るために非核三原則は守られているとお示しください、という考えです。
 ●自民「否決は変わらない」
 高知県が提案した県港湾施設管理条例改正案と要綱案について、県議会の各会派の反応は食い違った。
 結城健輔・自民党県議団会長は「知事の姿勢が変わらない限り、『条例改正案を否決する』というこちらの考えも変わらない」と改めて強調した。
 民主、社民などでつくる県民クラブの江渕征香代表は「要綱案の内容については今後検討するが、国是である非核三原則に沿って自分のところの港を管理することは地方分権の時代には当然のことと考えている」と話した。
 公明などでつくる未来会の中沢潤二県議(公明党県本部代表)は「議会での一般質問の議論を聞いて最終判断したいが、賛成の意向は、ほぼ固まっている。県は当初の案から後退させる必要があったのか。国是である非核三原則について国と県で考え方が違うのか」との見解を示した。
 田頭文吾郎・共産党議員団長は「条例に伴う要綱という形になったのは、県議会の当初の方針からは若干の後退だが、現状ではやむを得ない。今後はガイドラインとの関連で大きな立場から論議したい」と述べた。
 ○条約は条例より上位
 岩沢雄司・東大教授(国際法) 政府は国際法上の約束は守らなければならない。条約は条例よりも上位にあり、条約上で認められた権利が米軍にある場合、自治体が入港を妨げることはできない。高知県は外務省に「非核証明書」の提出を求めるというが、証明書が得られなかったからといって拒否することは、法律的には難しいのではないか。政府には条約を守る義務があるので、対応に困ってしまうだろう。
 ○権限は自治体にある
 市橋克哉・名古屋大教授(行政法) 国が同意したからといって、外国艦船が国内法を守らなくていいというわけではない。港湾管理は法律上、自治体の事務になっており、施設を使わせるかどうかなどは自治体の権限だ。当然、条例でルールをつくることもできる。国は条約などによって国際法上の義務を負うが、自治事務に関して自治体を強制的に従わせることはできない。協力を要請できるだけだ。他の自治体もおくすることなく、自らの責任でこの問題に取り組んでもいいのではないか。

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主な質問と回答 選挙や地方行政に関する朝日新聞社世論調査
年月日   1999年 2月21日

 (数字は%。0とあるのは四捨五入して1にならなかったもの。質問文で選択肢と重複する部分は省略した。一部の質問で「市町村」「市町村長」とあるところは、東京23区在住の対象者にはそれぞれ「市区町村」「区長」と言い換えて聞いた)
 ◆あなたはこの春行われる統一地方選挙に、大いに関心がありますか。少しは関心がありますか。それとも関心はありませんか。
 大いに関心がある    25
 少しは関心がある    50
 関心はない       24
 その他・答えない     1
 ◆あなたが、一番関心を持っているのはどの選挙ですか。(選択肢から一つ選択)
 市町村の選挙      43
 都道府県の選挙     11
 国会議員の選挙     38
 その他・答えない     8
 ◆知事や市長の選挙では、ひとりの候補者を多くの政党が推薦することがあります。あなたはこうした政党の相乗りには、問題があると思いますか。
 問題がある       61
 問題はない       25
 その他・答えない    14
 ◆あなたは、今お住まいのところの市町村長の名前を知っていますか。
 知っている       78
 知らない・忘れた    21
 その他・答えない     1
 ◆では、今の県知事の名前を知っていますか。(対象者の住所に合わせて「都知事」「道知事」「府知事」と聞いた)
 知っている       76
 知らない・忘れた    24
 その他・答えない     0
 ◆では、今お住まいの小選挙区で当選した衆議院議員の名前を知っていますか。
 知っている       43
 知らない・忘れた    56
 その他・答えない     1
 ◆あなたは、家族や地域のことで、市町村の議員に、何か相談や要望をしたことがありますか。
 ある          16
 ない          83
 その他・答えない     1
 ◆あなたは,地元の都道府県や市町村など地方自治体が抱える問題に以前よりも関心が強くなりましたか。
 強くなった       40
 そんなことはない    56
 その他・答えない     4
 ◆あなたは、事情が許せば、市町村長の選挙や地元議会の選挙に立候補したいと思いますか。
 思う           5
 思わない        94
 その他・答えない     1
 ◆あなたは、地域社会のために何か役に立ちたいと思ったことはありますか。
 ある          68
 ない          30
 その他・答えない     2
 ◆あなたは、今お住まいの市町村の地域づくりなど、行政の活動に、どちらかといえば満足していますか。どちらかといえば満足していませんか。
 どちらかといえば満足している   33
 どちらかといえば満足していない  55
 その他・答えない         12
 ◆あなたは、地域を住みよくするには、住民自身が地元の自治体にもっと意見や希望を言った方がよいと思いますか。それとも、選挙で選ばれた議員に任せるべきだと思いますか。
 住民自身がもっと意見や希望を言った方がよい  81
 選挙で選ばれた議員に任せるべきだ       12
 その他・答えない                7
 ◆住民投票制度について、あなたの考えに一番近いのはどれですか。
 住民の声を取り入れるため積極的に行うべきだ  61
 地域の重大な問題に限り行うべきだ       29
 議会があるのだから住民投票は必要ない      5
 その他・答えない                5
 ◆住民投票が行われた場合、自治体や議会は、その投票結果に必ず従うべきだと思いますか。できるだけ尊重すべきだと思いますか。参考にする程度でよいと思いますか。
 必ず従うべきだ     23
 できるだけ尊重すべきだ 58
 参考にする程度でよい  13
 その他・答えない     6
 ◆あなたが今お住まいの市町村に、一番力を入れてほしいことは何ですか。(選択肢から一つ選択)
 交通           8
 教育           8
 福祉          30
 環境          22
 住宅           4
 景気          24
 その他・答えない     4
 ◆多くの自治体で財政が苦しくなっています。あなたは、財政を立て直すにはどうしたらよいと思いますか。(選択肢から一つ選択)
 職員や人件費を減らす    39
 公共工事を減らす      20
 増税や各種料金の値上げ    5
 国のお金をもっと地方に回す 29
 その他・答えない       7
 ◆国の権限や財源を地方自治体に移して、地方分権を進めようという議論が盛んになっています。あなたは、地方分権を積極的に進めるべきだと思いますか。慎重にすべきだと思いますか。
 積極的に進めるべきだ    43
 慎重にすべきだ       46
 その他・答えない      11
 <調査方法> 全国の有権者から選挙人名簿で2千人を選び、電話番号の判明した1567人に、13日から14日にかけて電話で調査し、1224人から回答を得た。対象者の選び方は層化無作為二段抽出法。電話番号判明者に対する有効回答率は78%、最初に抽出した2千人に対する有効回答率は61%。回答者の内訳は男性50%、女性50%。16日付朝刊で既報の、内閣・政党支持率調査と同時に実施した。

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地方行政「不満あり」55% 朝日新聞社世論調査
年月日   1999年 2月21日

 4月の統一地方選を控えて朝日新聞社は13、14日の両日、電話による全国世論調査を実施し、選挙や地方自治に関する意識を探った。地方行政に不満がある人は55%と半数を上回っている。行政について議員任せにせず「住民がもっと意見を言った方がよい」とする人が約八割にのぼり、積極的に関与すべきだという意向をもっていることがうかがえる。また、知事選などで1人の候補に各政党が相乗りすることについて問題があるとしている人は61%だった。4年前の世論調査でも同様の傾向がみられ、相乗り批判が根強いことが改めて浮き彫りになった。(31面に詳報、2面に「質問と回答」、35面に関係記事)
 地元の市町村の行政についての満足度では、「どちらかといえば満足していない」と答えた人が55%で「どちらかといえば満足」と答えた33%を上回った。また、地域を住みやすくするためには「住民自身が自治体にもっと意見や希望を言った方がいい」と答えた人は81%で、「議員に任せるべきだ」という人は12%だった。
 住民投票についても「積極的に行うべきだ」という人が61%で「重大な問題に限り行うべきだ」が29%。投票結果には「必ず従うべきだ」という人が23%、「できるだけ尊重すべきだ」も58%で、住民が地方自治に積極的に参加することを望む姿勢がうかがえる結果となっている。
 統一地方選については、知事や市長選で、1人の候補者を多くの政党が推薦する相乗りを「問題がある」と答えた人が61%。朝日新聞社の1995年3月の世論調査でも、同種の質問に、62%が「問題がある」と答えている。
 政党支持別では民主、共産支持層、「好きな政党はない」とした人の約7割が「問題がある」としているのに対し、自民支持層では56%、公明、社民支持層では5割まで下がる。
 国の権限や財源を地方自治体に移す地方分権については「慎重にすべきだ」という人が46%で、「積極的に進めるべきだ」という人(43%)と賛否が割れた。

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介護保険広域連合、揺れる市町村(NEWS三面鏡) 【西部】
年月日   1999年 2月20日

 来年4月から始まる介護保険の運営主体として福岡県町村会が準備を進めている“大”広域連合について、参加の方向で検討していた直方、飯塚の両市が参加見合わせを決め、計74市町村でスタートする見通しとなった。ただ、この広域連合に加わるには、各市町村の3月議会で議決を得る必要がある。「住民不在で地方分権に逆行する」といった批判の声もあり、各議会で論議を呼びそうだ。
 「きめ細かなサービスができなくなる」「生活圏域での広域連合なら分かるが、大連合は危険だ」。12日に開かれた直方市議会の全員協議会では、当初の「市単独実施」方針から一転、「広域連合参加」とした有吉威市長に対し、発言した10人の議員全員が反対や慎重な対応を求める意見だった。市職労が7日に開いた介護保険の学習会に参加するなど「理論武装」した市議の姿も。
 有吉市長は15日、参加の含みを残しながらも、再び単独実施の可能性を探る、と発表した。議会の議決を得る見通しが立たないからだ。同様に単独から広域連合参加に方針変更した飯塚市も17日、「当面参加見合わせ」と微妙な立場を表明した。
 両市の方針が揺れたのは、「運命共同体」(有吉直方市長)として、広域連合参加を決めた筑豊の他市町村に足並みをそろえたい、という考えがあったからだ。県町村会の会長は、筑豊の山本文男・添田町長であり、他市町村から強い参加要請もあったという。
 だが、県町村会側は「3月議会に提案してもらう規約案にも、74市町村の名前を記した」として、とりあえず2市の参加はあきらめた格好だ。
 新宮町議会は16日、参加予定市町村の中で初めて広域連合参加の議案を可決した。賛成9に対し、「議会や住民に十分な説明がない」などとして5人が反対した。
 「情報公開が不十分」との不満は各地で根強く、ほかの議会でも同様の議論が予想される。例えば、約20人の首長が集まる広域連合設立準備委員会は非公開。また、7日の飯塚でのシンポには同委事務局員の派遣を断った。
 介護保険法では、事業計画策定に被保険者(住民)の意見を反映させるという規定がある。同委事務局は「各市町村で計画をつくり、それを14の支部ごとにとりまとめて調整し、連合の計画とする」と言うが、「調整」の結果、各市町村の住民の意見が消える恐れもある。
 ともあれ、施設や在宅サービスなどの介護基盤の違いに加え、地域性も異なる70以上の市町村で事業計画をつくり、高齢者の保険料と介護サービスを一本化するのはかなり難しい作業となりそうだ。

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地方事務官(窓・論説委員室から)
年月日   1999年 2月20日

 50年間もめ続けて、ようやく決着がついたと思われていた問題が、またくすぶり出している。
 地方事務官と呼ばれる人たちを国に吸収するか、都道府県職員とするかの対立だ。政府が今国会に「厚生事務官」とする法案を出す予定なのに対し、自治労が「いや都道府県職員にすべきだ」と反対し、厚生省前に座り込むなどしている。
 地方事務官は、都道府県庁内の年金、医療保険の担当課と出先の社会保険事務所で働いている。身分は国家公務員だが、知事の指揮監督を受ける。全国に約1万6千人いて、その多くが自治労傘下の組合員だ。
 戦後まもなくの1947年にいまの地方自治制度ができたとき、それまで国家公務員だった多くの職員は、仕事と一緒に都道府県に移った。しかし、いくつかの仕事は仕分けが決まらずに、「当分の間」どっちつかずの立場とされた。
 その後、陸運事務所職員が運輸事務官になる手直しはあったが、年金や医療保険の職員は地方事務官として残ってきた。
 過去に何度か地方制度見直しの課題とされながら、「国の仕事」を譲らない厚生省と、「地方に移せ」という自治省や自治労が対立。役所の縄張り争いとの批判を浴びながら、先送りが繰り返されてきた。
 だが、政府の地方分権推進委員会が97年に出した機関委任事務の廃止を求めた勧告で、地方事務官も廃止し、その仕事は国が直接やるべきだと提言、政府のなかでは決着がついた。しかし自治労は納得せず、反対運動を強めている。
 年金も医療保険も制度改革が進行中だ。「年金は国で、医療保険は住民に身近な自治体で」という方向が強まるだろう。
 そうした改革の将来展望が分権推進委の勧告に欠けていたことは否定できない。〈丘〉

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参院4会派、地方分権の会発足(永田町霞が関)
年月日   1999年 2月16日

 参院の民主党・新緑風会と公明党、社民党・護憲連合、参議院の会の野党4会派の議員が地方分権を進めるため、「参院地方分権推進研究会」を発足させることになり、16日に設立総会を開く。独自の法案提出などは目的とせず、有志議員が地方分権推進関連法案への対応について議論を深めるのが狙い。40、50人の参加を見込むという。

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地方議員数の法定制廃止 109市区町村超過 自治省、上限数新設
年月日   1999年 2月10日

 自治省は9日、地方議会の議員定数について、地方自治法でその数を定めてきた制度を廃止し、人口区分別に上限数を新しく設けて、その範囲内で各自治体が条例で定めるように改めることを決めた。新しい上限数は、都道府県については現行の法定数をそのまま移行させるが、市区町村は今の法定数より14.2%減らす。地方行革の流れが進み、ほとんどの自治体で定数削減が進んでいるが、上限数を超える市区町村が昨年10月現在でなお109残り、減員が必要になる。1888年(明治21年)に市制町村制ができた際に法定制が設けられて以来の改正になる。
 今回の見直しは、地方自治法改正案に盛られ、地方分権一括法案として来月国会に出される。次の統一地方選前の2003年1月から実施の予定だ。
 全国の自治体のほとんどが行政改革などで条例により、法定数より議員の定数を減らしている。自治省の昨年10月現在の調べでは、計3302の都道府県と市区町村のうち、3210の自治体が減員条例を制定し、議員定数を約2万2千人減らした。今回の法改正案はこうした実情を追認し、さらに推進するものだ。
 上限数を定める人口区分については、市区では現行の18区分を11区分に簡素化した。
 上限数は現行の法定数より、市区では12・3%、町村では15%減らした。
 上限数の新設で、現行の定数が上限数を超える自治体は昨年10月現在の自治省の調査によると、新潟、西宮、四日市市、東京都北区など48市区と、61町村ある。
 ○市区町村議会議員の現行の法定数と新しい上限数
 現行の人口区分       法定数 上限数 見直し後の人口区分
 <市区>
 270万以上       100人 96人 250万以上
 250万以上270万未満  96人
 230万以上250万未満  92人 88人 210万以上250万未満
 210万以上230万未満  88人
 190万以上210万未満  84人 80人 170万以上210万未満
 170万以上190万未満  80人
 150万以上170万未満  76人 72人 130万以上170万未満
 130万以上150万未満  72人
 110万以上130万未満  68人 64人  90万以上130万未満
  90万以上110万未満  64人
  70万以上 90万未満  60人 56人  50万以上 90万未満
  50万以上 70万未満  56人
  40万以上 50万未満  52人 46人  30万以上 50万未満
  30万以上 40万未満  48人
  20万以上 30万未満  44人 38人  20万以上 30万未満
  15万以上 20万未満  40人 34人  10万以上 20万未満
  5万以上  15万未満  36人 30人   5万以上 10万未満
         5万未満  30人 26人         5万未満
 <町村>
  2万以上         30人 26人   2万以上
  1万以上   2万未満  26人 22人   1万以上  2万未満
  5千以上   1万未満  22人 18人   5千以上  1万未満
  2千以上   5千未満  16人 14人   2千以上  5千未満
         2千未満  12人 12人         2千未満

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地方交付税の算出法、自治体に意見提出権 自治省が方針
年月日   1999年 2月 9日

 地方分権推進委員会(諸井虔委員長)が8日開かれ、自治省や内閣内政審議室などから地方分権一括法案の進行状況を聴いた。この中で、自治省は、地方の実情を反映しやすくするため、地方自治体が地方交付税の算定方法について意見を自治相にいえるようにすることを地方交付税法改正案に盛り込む方針を示した。
 内政審議室は、地方交付税法改正案など約5百近い地方分権関連法案を分権の全体像が明らかになるように地方分権一括法案として、来月国会に提出する。成立すれば、2000年4月から一斉に原則として施行する、と説明した。

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地方債の許可制、2006年度から廃止
年月日   1999年 2月 8日

 自治省は8日、地方自治体の財政の自主性を高めるため、地方債発行に必要な自治相らの許可を2006年度から廃止することを決めた。廃止時期は当初は財政構造改革期間が終わる2004年度からとなっていたが、財政構造改革法が不況で2年延長され、さらに昨年末には凍結された。地方債は来年度には約11兆円の発行が予定されるほど巨額なため、廃止時期が関心を呼んでいた。地方自治法改正案などに盛り込まれ、地方分権一括法案として、来月に国会に出される。
 自治省が2006年度からとしたのは、財革法で国と地方の財政赤字を減らす財政構造改革の達成目標年度が2005年度で凍結されており、達成目標年次は変わっていない、との判断からだ。
 許可制廃止後は、地方債の発行は都道府県などは自治省との事前協議制に移行する。郵便貯金などの政府資金を使う場合には、自治省の同意が必要になるが、民間資金を借りる場合には、議会に報告すれば、自らの責任で自由に発行できるようになる。市町村は都道府県と事前協議し、都道府県が法定受託事務として処理に当たる。
 地方債の発行は、地方自治法で「当分の間、都道府県と政令市は自治相、他の市町村は都道府県知事の許可を受けなければならない」と定められ、「当分の間」が50年以上も続いていた。

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進む分権、脱皮に拍車 自治体議員、政策立案に動く
年月日   1999年 2月 8日

 21世紀は自治体議会の議員も政策立案能力が欠かせなくなる時代になるだろう。大学院で地方自治や街づくり研究に励んだり、政策研究会を定期的に開いたりする現職や、そうした中から議員をめざす人が目立っている。地方分権の推進や市民運動が政策型議員への脱皮を迫っているともいえる。地方議員の政策研究会から発展した「虹(にじ)と緑の500人リスト」が大阪と東京でシンポジウムや講演会を開くなど、活動も活発だ。4月の統一地方選は、地方議会を変える一歩となるかどうか、有権者の選択とともに注目される。 (企画報道室・古森勲)
 大阪府泉南市議2期目の北出寧啓さん(48)は、大阪市立大の大学院博士課程で地方自治を専攻。兵庫県宝塚市議1期目の芝拓哉さん(36)は昨年から関西大総合情報学部の大学院修士課程で「公共領域におけるデータベース」を学んでいる。
 それぞれの理由を、こう話す。
 「成熟した循環型経済社会では、政策が問われるようになる。議員も高度成長時代の利益代表型から政策型に移行する」 「地方分権が進むと、自治体の権限が強くなる。地方議員も高い政策立案能力を求められるようになる」
 ■複雑化する問題
 岐阜県大垣市議3期目の富田清治さん(52)は、立命館大政策科学部の大学院に合格し、4月から地方分権の研究を始める。「自治体が扱う問題も複雑・高度化してきて、これまでのような議会活動ではやがて対応し切れなくなる」という。
 京都府福知山市の人形会社社長の野田勝康さん(49)は、立命館大政策科学部の大学院に社会人入学した。都市政策を専攻し、滋賀県長浜市をフィールドに選んで日本の行財政システムなどを学んだ。この3月、修士課程を修了する。
 野田さんが住む新興住宅地で4月の福知山市議選に候補者擁立の話が持ち上がり、彼は要請を受けた。
 立命館大でまちづくり政策を指導する高田昇教授は「責任ある地方政治をしようとすればするほど理論に裏づけられた政策が必要になる。この傾向は、いっそう強まるだろう」と話す。
 「虹と緑の500人リスト」は、市民運動を背景に活動している地方議員のネットワークだ。統一地方選に全国で計5百人の擁立をめざす。昨年10月に発足し、260人が名を連ねる。環境、公共事業、福祉、男女平等、教育、安全保障、経済・雇用の7つの政策を掲げている。
 メンバーには、既成政党に属さない「市民派」と呼ばれる人が多い。政策も、多くが市民運動から議会へ進出しているために特定のテーマには強いが、それ以外は弱い。将来は、リスト議員を支える地方議員政策情報センターをつくり、政策研究会の開催、政策の作成、政策情報の発信などの活動をする。
 リスト運動を提唱した畑山敏夫・佐賀大教授(政治学)は「市民に対して政治活動と政策を見えるようにすることで、地域の政治的しがらみを改善し、地方から政治のイメージを変えていく運動である」と話す。
 ■直接行動活発に
 今回の統一地方選で、政策で勝負する候補者が増えそうなのは、ここ数年の地方分権推進に関する論議や住民投票条例制定運動などにみられる活発な住民側の直接行動が背景にある。
 住民投票条例案は昨年、全国12自治体で議会に提出されたが、可決されたのは産業廃棄物問題を抱える岡山県吉永町だけ。運動を担った人たちからは「代議制を補うはずの直接民主主義の住民投票も、結局は間接民主主義の議会がしっかりしていないと有効に機能しないことを思い知った」との声を聞く。
 全国の住民投票運動に詳しいジャーナリストの今井一さんは「市民は運動を本気でやればやるほど議会の壁にぶつかり、議会を変えるしかないことに気づく。で、だれがやるか。代議制の議会を有効に機能させるために選挙に出ようということになった。政策を掲げた候補者に、有権者がどうこたえるか、注目したい」と話している。

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行政の方針変えに不満の声 介護保険巡りシンポ 飯塚と直方/福岡
年月日   1999年 2月 8日

 来年4月に導入される介護保険制度で、「単独実施」の方針を変え、県町村会が準備を進めている「広域連合」への参加を検討している飯塚、直方両市で7日、それぞれ広域連合の是非を問うシンポジウムが開かれた。参加者からは「なぜ方針を変えるのか説明がない」などと、行政の姿勢に対する不満や不信の声が出た。
 飯塚市のシンポジウムは、市民団体「いいづか未来工房」(座長、賀戸一郎・広島国際大助教授)が飯塚総合会館で開いた。同市担当者が方針変更の経過を説明し、飯塚市議が「平等な福祉サービス実施のため、広域連合参加に賛成」と議会側の見解を述べた。
 これに対し、参加者からは「広域連合だと福祉サービスが低下し、老人ホームから追い出される年寄りが出てくるのではないか」といった意見が出た。
 直方市では、市職労(鈴木宝一執行委員長)が中央公民館で市民学習会を開き、約3百人が集まった。長崎短期大学の高橋信幸教授が講演し、広域的取り組みについては「地方分権に逆行するうえ、保険料と介護サービスの均衡が崩れる。『保険あって介護なし』になりかねない」などと語った。

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周辺振興に力点 市町村合併特例法改正案
年月日   1999年 2月 5日

 自治省は4日、市町村の自主合併を促進するため、合併すると、さびれがちな周辺部を中心に合併前の市町村単位に有識者らによる地域審議会を新設し、合併市町村側に意見が提出できるようにしたり、その地域振興対策地方債の発行を認めるなど周辺部対策に力点を置いた市町村合併特例法改正案をまとめた。地方分権一括法案として、3月上旬に国会に出す。
 これは、地方制度調査会が一昨年、全市町村の首長と議長にアンケートをしたところ、合併への障害に「合併した市町村内に、中心部と周辺部で地域格差が生じるおそれがある」がトップを占めたからだ。
 また、合併すれば規模拡大によるコスト低下で減少する地方交付税を減らさないようにする特例措置期間を、今の5年から10年に延長する。都道府県知事の役割を強め、関係市町村に合併協議会の設置の勧告や合併パターンを示せるようにする。

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地方分権改革、一括法案の問題点 新藤宗幸
年月日   1999年 2月 2日

 現在開催中の通常国会には、昨年5月29日に閣議決定された地方分権推進計画(以下、計画)にもとづく改正法案が上程される。この計画は、地方分権推進委員会の4次にわたる勧告を踏まえて策定された。そこには、中央の自治体に対する関与の緩和から自治体の行政体制の整備までが盛り込まれている。だがその核心は、機関委任事務制度の廃止にある。
 直接公選の首長や自治体の行政委員会を、個別の事務ごとに法令で主務大臣の地方機関としてきた機関委任事務は、戦後地方自治制度の最も大きな矛盾点である。計画は、561件におよぶ機関委任事務を廃止し、自治事務、法定受託事務(国の事務の執行を自治体に委託するもの)、そして少数の直接執行事務に改めるとした。
 ●権限の移譲は不十分
 そして、これとの関連において、必置規制(法令によって自治体に特定の機関・組織・職の設置を義務づけること)の緩和、自治体と中央の係争を審理する国地方係争処理委員会の設置などを謳(うた)っている。
 確かに計画は、中央の自治体に対する集権的関与を緩和する点では画期的である。だが、自治体への権限移譲を推し進め、中央省庁の機能を純化する点では不十分である。橋本前政権はそれを知っていたがゆえに、昨年1月、地方分権推進委員会に1級・2級河川や一般国道の管理権限などを都道府県に移管する方策を検討するよう指示した。
 それにもとづく勧告は、昨年11月に第5次勧告としてなされたものの、公共事業関係の族議員と事業官庁のすさまじい抵抗の前に、具体的な内容を持ちえず、計画も修正されなかった。
 ところで、計画によると、機関委任事務を自治事務・法定受託事務などに改めるために改正を必要とする現行機関委任事務の根拠法は、実に546本におよぶ。加えて、地方自治法ならびに国家行政組織法などの改正が必要となる。
 ●国会空洞化に通じる
 内閣は、改正作業の効率化のために地方自治法から個別機関委任事務の根拠法の改正までを、一括法案として国会に提出するとしている。一括法案とは、改正を必要とする既存法律の対象個所を拾い上げ、それらの改正事項を一本の法案にまとめたものである。これが成立すれば既存法律の該当個所は自動的に改まる。
 かつて1980年代には、行政改革の推進を掲げて一括法なる立法形式が多用された。最も際立った形で使われたのは、中曽根政権下の85年通常国会に提出された「国の補助金等の整理及び合理化並びに臨時特例等に関する法律」(補助金整理特例法)である。ここには、生活保護法、義務教育諸学校施設費国庫負担法、沖縄振興開発特別措置法など59本の法律、66事項が盛り込まれた。
 なるほど、補助金等の整理という一点では共通項があるが、補助・負担率はあくまで政策目標の実現の手段なのであって、その精査をなしえない一括法は「ごった煮」法に外ならなかった。しかも一括法は、立法形式上一本の法律であり、関連常任委員会の連合審査にかける必要もない。実際、この時には与野党委員差の最も大きかった衆院大蔵委員会で審議されたのである。このように一括法は国会審議の空洞化に通じる。
 立法作業にあたっている官僚は、地方分権改革に関連する一括法案のボリュームを『広辞苑』3冊分ともいう。これほどのものが、ひとつの常任委員会ないし特別委員会で審議されるならば、いかなる事態が生じるかは想像するに難くない。審議時間の短縮に貢献しても、個別根拠法の中身にわたる審議は不可能に近い。法案に記載された自治事務・法定受託事務への分類は妥当であるのか。あるいは第5次勧告は「失敗」したが、改めて権限移譲をなす余地はないのか。こうした点に関する審査の目は粗くならざるをえない。
 ●問われる野党の姿勢
 おそらく、一括法案への疑問に関して政府は、その提出は「立法の準備作業であって、どのように審議するかは専ら国会において決定されるべき事柄であり、国会の審議権を制約するものではない」との鈴木政権時代の政府統一見解(81年9月17日)を繰り返すであろう。
 とすれば、賽(さい)は国会側、とりわけ野党に投げられている。地方分権改革の内実を最終決定するのは国会の権限である。地方分権改革が日本の民主主義政治体制に不可欠、と野党が真に認識するならば、個別精査を欠く立法手続きを許してはならない。自治体の権限拡充にむけた審査と修正を果たしていくために、行政分野別の密度の高い審議を必要とする。この意味では、政治の優位をいう野党の真贋(しんがん)が問われているのである。
  * しんどう・むねゆき 立教大教授・行政学 1946年神奈川県生まれ。89年から現職。著書に『地方分権』『日本の予算を読む』など。

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住民投票で是非を問え 吉野川堰(社説)
年月日   1999年 2月 1日

 四国三郎と呼ばれる吉野川の河口部に巨大な堰(せき)をつくる建設省の計画に対し、住民が直接意見を表明できるかどうか。その問題に近く結論が出る。
 住民投票条例の制定を求めて署名運動がおこなわれた2市町のうち、徳島市で2日から臨時市議会が開かれ、条例制定問題を審議する。もう一つの藍住町でも議会が態度を決めることになる。
 徳島市では、101,535人の署名が集まった。有権者の約49%に当たる。藍住町では9,663人、有権者の約44%が署名した。ともに、直接請求に必要な数をはるかに超えている。
 自分たちの時代だけでなく、将来、この川の流域に住む人たちの生活や環境にも大きな影響を及ぼす計画である。着工の是非について意思を示したいと思うのは、いかにも自然な気持ちではないか。
 両議会は、住民の願いにこたえ、ぜひ条例を制定してもらいたい。
 ところが、徳島市長は条例案を市議会に提案するにあたり、「すでに議会や建設省の審議委員会で推進の結論が出ている」として、住民投票は必ずしも必要ない、との意見をつける意向といわれる。
 徳島市議会は1997年9月に可動堰建設促進の意見書を可決している。そのことを理由に、住民投票条例の制定に反対する議員が少なくない。
 徳島県知事も県議会で「署名集めの結果にかかわらず、可動堰計画を推進する」と答弁した。知事は建設省の審議委員会の構成を決め、自身も委員を務めた。
 知事にせよ市長にせよ、また条例制定反対の議員にしても、地方自治の担い手の態度としては問題がありはしないか。
 なぜなら、署名運動の背景には、堰をめぐる数々の疑問に納得のいく説明をしないまま、計画を進める国や県、市の姿勢に対する不信がうかがえるからだ。住民の不安や疑問を軽視してはなるまい。
 建設省が進めているのは、吉野川の河口近くにある第10堰を撤去し、その下流に長良川の河口堰より大きい可動堰をつくる計画である。建設費は約千億円、維持費が年間約7億円と見込まれている。
 これに対し、住民らは「目的がくるくる変わるなど無駄な公共事業の典型ではないか。洪水に備えるなら、いまの堰や堤防を補強すればよい」などと主張してきた。
 社会の高齢化が進む一方で、使える財源には限りがある。公共事業も、本当に必要かどうかが厳しく問われる時代だ。名古屋市は、10数年前に計画に着手した藤前干潟へのゴミ処分場建設を断念した。
 「すでに決まったことだから」とか、「手続きに不備はない」といった理由だけでは、計画推進は正当化されない。住民の支持があってこそ、公共事業は成り立つと知るべきだ。河川の姿を変えてしまうような巨大事業では、なおのことである。
 住民投票は反対運動の手段で、代議制の否定につながるといった見方がある。これも、硬直した発想というほかない。
 徳島市内で先日開かれた「可動堰の早期着工を促進する決起大会」には約5千人が集まった。賛否の声は分かれている。
 であればこそ、住民が意思表示をする機会が必要だ。
 議会と対立する動きととらえるのではなく、自治を真に実り豊かなものにしていくための援軍とみるべきだ。地方分権の核心は、そこにこそあると思う。

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