7月3日土曜日
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| Knovizまでの道 |
今日は、事前情報が一番集められなかったKnovizという田舎町へ。何があるのかというと、91年にヤンとプロデューサーのヤロミール・カリスタが設立したアタノル・フィルムスタジオがあるのだ。
(日本で)イギリスのサイトに書いてあった「knoviz 35,Slany 27401」という住所から、てっきりプラハ近郊の町Slanyのknoviz通り35番地だと思い込む。が。チェコアトラスのサイトでSlanyの地図を見るとknovizという通りはなく、どうやらSlanyからはかなり離れた所に、村の名前として「Knoviz」の文字が・・。Slanyの2駅手前の駅、Podlesinで降りた方が近いようなのでそこまでの列車を調べてきていた。プラハからPodlesinまで26kc/100円。
08:52...Praha Holesovize プラハ・ホレショビッツェ
09:14...Kralupy n. Vltavou
のりかえ。
09:43...Kralupy n. Vltavou
10:09...Podlesin
プラコフスケ・スカリーの時と同じような2両編成のローカル列車。しかもまた、けっこう混んでいる。実はプラハからバスがあったんだけど、調べるのを怠った為列車で2時間もかけてしまった。
Podlesinに到着すると、家が30軒くらいかと思われる小さい村。人が全然いないので道が聞けず、チェコアトラスの大ざっぱな地図を頼りにKnoviz方面に向かうと、すぐに写真のような畑が広がって殆ど影がない。気温35度くらい(予想)。道が合っているのかどうかも判らないまま30分歩くとKnoviz到着!
Knovizは、家が100軒くらいかと思われる小さい村。いつスタジオが現われるかと緊張しながらメインの通りへ出ると、レストランが一件と小さな商店が一件。商店で水(炭酸オンリー‥)を買うと、レジにKnovizの葉書があり、こんな小さな村に何か観光になる所でもあるのだろうか?と思いつつ、ろくに見ずにそれも購入。4kc/15円。
その後「35番地」を探すが、すぐ見つかるだろうと甘く見ていたら、22番地の隣が169番地だったりして全く場所の予想がつかず、無駄にうろつくだけ。土砂を運んでいたオヤヂに道を聞くと、「あ〜。フィルムスタジオね。」という雰囲気なんだけど、場所の説明は聞き取れない。ただオヤヂは「ボン!ボン!」とジェスチャー。「門に目印が乗ってるよ」と言いたいらしいのだ。少し行くと人が何人か集まっていたので、誰か英語が話せるかもしれないと再び道を聞くと、全員スタジオの事を知っている様子。「今から車を出すから連れて行ってあげるわ」と言われ、「ギャーラッキー」とばかりにカップルの車に乗り込むと、20秒程度で降ろされたその場所は、さっきの商店の真向かい!
遂にたどり着いたスタジオの前で、私は2分位笑いころげてしまった。陶器で出来たその像は、「対話の可能性」の3話目の人と同じ顔だったり、皿食ってるわ、ナイフフォーク持ってるわ、口からフォークでてるわ。それが計6体、門の上に「ボン!ボン!」と乗っかってて。「スタジオ」の表記も「35」という番地表示もないけど、それが何よりもヤンのスタジオだという証拠になっていたのだ。村のメインストリートにあるんだからそりゃ皆知っているよな。そしてその時改めて葉書を見ると、1軒あった小さいレストランと、小さい教会と、「filmove ateliery ATHANOR」の写真が‥。
中は殆ど見えないけど、材木が沢山あってスタジオっぽい。白髪のおばあさんが入口にいたので「ヤン・シュヴァンクマイエル氏はいますか?」と聞いてみると、どうやら「今Slanyの近く(?)にあるアトリエ(?)で撮影中(?)」とか何とか。「オテサネーク?」と聞くと「オテサネーク!」だって。(唯一通じた会話。)そうかあ、今まさに撮影しているんだ〜と感動。でもその場所(?)というのが、おばあさん、とても一生懸命説明してくれているんだけど、完全にチェコ語で(全く英語が混ざらない)、地図もないし、本当に判らなかった。あの時翻訳コンニャクさえあったら、ヤンに会えていたかもなあ。
まあ、とりあえずSlanyへ行こうとバス停に行ってみるが、時間を10分位過ぎても来ない。「もしかして土曜日は運休なのかな‥」と思い、Slanyまで徒歩で行く。するとどうやら方向を間違ってしまったようで、物凄く遠回りして2時間位かかってしまう。それは灼熱の歩け歩け地獄。高速道路みたいな、影がない、車がびゅんびゅん通る道で、誰も歩いている人なんていない。
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| Slanyの中心広場 |
ちょっと意識が朦朧としてきた所でやっとSlany到着。割と大きな町なんだけど、土曜日で殆どの商店が閉まっており、人通りも少なく閑散としていた。もちろんヤンが何処にいるかなんて判るはずもなく、(本当にSlanyに居るのかどうかも不明)墓地があったので少し写真撮ったりしてからバスでプラハへ戻ることに。そう、プラハから直通のバスがあったのだ。Knovizを経由している便まであった‥。Slany→Prahaバス26kc/100円
15:45...Slany aut.nadr(バス停)
16:30...Praha Dejvicka
45分で到着してしまった。まだ元気だったので、GAMBRAギャラリーのあるNovy svet地区へ行く。ギャラリーのあるCerninska通りには行かず、Novy svet通りへ。
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| Novy svet通り |
多少観光客も居るけど、とても静かで美しい。近くにヤンの家があるというのもNovy svet周辺が好きな理由。ロレッタの方に上がると、結婚式を終えた白人のカップルが表で写真を撮っていた。もしかするとチェコ人ではなかったかもしれないけど、なんて素敵な場所の選択〜。
もう大聖堂などには入れないけど、プラハ城内を通り(「黄金小路」は観光客でいっぱい)階段を下ってマロストランスカー駅へ。地下鉄が工事中で乗れないのでトラムを乗り継いで21時頃ホステルに帰る。次の日へ
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