07027月2日金曜日
ジドフ墓地/ユダヤ人地区
到着3日目にしてやっとプラハ観光日。観光と言いながらまず墓地へ行く。
と言うのも、クンデラの「存在の耐えられない軽さ」でも書かれているように、プラハの墓地は墓前が花壇になっていたり蔦が絡まったりしていて、本当に美しいのだ。地下鉄Zelivskeho駅周辺に墓地群がある。
オルシャニィ墓地Olsanske Hrbitovy...1679年にペストの死者が葬られたのが最初。西側の地区が凄い。古すぎ。2004年12月情報
ジドフ墓地Zidovske Hrbitovy...ユダヤ人地区にはカフカの墓がある。ユダヤ人の墓は簡素だけど、高い木が多くて森みたい。
ヴィノフラド墓地Vinohradsky Hrbitov...高い木は少ないけど、小さい墓がぎっしり。
97年にも来たんだけど、冬と違って太陽が射し、葉が繁って森のようになった夏の墓はまた格別。常に花の香りがして、青い実がぽろぽろと結実し、涼しくて、ここに住みたいと本気で思ってしまった。冬より多い墓参者の視線が痛かったけど。

karlovo namesti駅(撮影は7/4)
地下鉄karlovo namesti駅(カレル公園駅)へ。「ファウスト」冒頭で主人公が出てくる駅だ。(その後のチラシを配っているシーンはまた違う場所。)周りには野菜や果物のストールが立ち並び、あまりの安さにチェリーを買い込む。2004年12月情報
近くには「ファウストの家」と呼ばれる建物があり、悪魔がファウスト博士を探しにきたのがこの家で、弟子が連れ去られた時にあいた穴がある、とか。その外観を見ながら、私の頭にはあの従者が「あーーっ」(むろんダミ声)と叫んで連れ去られる姿が思い浮かんでしようがなかった。実際には、数人の錬金術師が住んでいたらしい。残念ながら一般公開はなし。
モーツァルトが「ドン・ジョバンニ」の序曲を作曲したというベルトラムカ荘を見たあと、ヤンファンにとっては究極の聖地とも言えるGAMBRAギャラリーへ。


ヤンの家[GAMBRA Surrealisticka galerie]
Cerninska 5, Praha 1, Hradcany 11800
3〜10月=水〜日12:00〜18:00
11〜2月=土・日12:00〜18:00


「ドブリーデン‥(こんにちは)」と言って入ると、97年にもいた店のおばさんと、眼鏡をかけた丸いおじさんと、エヴァ夫人が居たのだ。しばらく店内を見ているうちに2人が客ではない事がわかり、「もしかして、あの金髪のおばさんは、エヴァ?エヴァ?」とどきどきしてくる。
そしたらわたしがヤン物を沢山買おうとしているのを見て、店のおばさんが「この人がエヴァよ」と教えてくれた。やっぱり!!写真を撮らせてと言うと、「こんな格好で‥」みたいな感じで照れられてしまった。写真で見て、ちょっと神経質そうなイメージを持っていたんだけど、エヴァ夫人は優しかった。
「Anima Animus Animation」で、エヴァは自分のおいたちを日記のように書いているんだけど、ヤンとの出会いの場面が、失礼な言い方かもしれないけどとっっても可愛い!!ヤンがめちゃめちゃ格好いいのだ。「兄はその演出家を指さした。彼は美しく、細い顔、細い手、長い足、青い目‥私は恋におちた。」てな具合。

エヴァ夫人
[今回買ったものリスト]
「ファウスト」「アリス」ビデオ
「Anima Animus Animation」.....ヤン・エヴァの集大成的な本。おいたち、フィルモグラフィーはもちろん、エヴァの絵やヤンのオブジェのカラー写真も多数。「ファウスト」撮影日誌は主人公ペトル・ツェペック氏の病気が進行していく様がリアルで、涙なしでは読めない。英語/184ページ/1400kc/5320円
フランスの「悦楽」パンフレット.....単におしゃれなので買ってしまう。74ページ/250kc/950円
ハンガリーのパンフレット.....単に表紙がヤンの写真だったので買ってしまう。31ページ/50kc/190円
ポルトガルかスペインのパンフレット.....単にエヴァの写真が載っていたので買ってしまう。56ページ/50kc/190円
97年プラハで開催された「ルドルフ二世」フェスの際に作られたと思われるポストカード/8枚入で50kc/190円


97年買いそびれたビデオ「kratke filmy.4」がないので聞くと、なんと「廃版」らしき返事。「この1.2.3も今あるだけなのよ」とのことらしく、「4」に収録されている「コストニッツェ」と「エトセトラ」を見たことがない私は大ショック。(後日注:廃版じゃないみたい。単にその時在庫がなかっただけか。)

3人にお礼を言って(眼鏡のおやぢが誰なのか聞けなかった‥)ギャラリーを出る。本とビデオの重さでふらつきつつ坂を登り、Loretaを通り過ぎてUvoz通りへ。ここにはチェコの写真家、ヨゼフ・スデクの元自宅を改装した、小さなギャラリーがある。
ヨゼフ・スデクギャラリー[JOSEF SUDEK GALLERY] Uvoz 24, Praha
10:00〜12:00,13:00〜18:00
月曜休、入場大人10kc/40円・A3サイズのギャラリーパンフ145kc/550円

ギャラリーの展示作品は20点程度で、今回はスデクの作品に頻出する白い椅子や彫刻も展示してあった。ヤンとは関係ないかと思いきや、このギャラリーは、97年プラハで開催された「ルドルフ二世」フェスの際ヤン&エヴァの作品展が行われた所らしい。家から近いしね。

50年台のプラハの街並をパノラマカメラ(数年前流行ったエセパノラマでなくて本当のパノラマカメラだよ)で撮影したスデクの代表作「パノラミック・プラハ」はもう文句なしに素晴しい。この階調たるや!!ちなみに97年の旅行の時、92年に再版されたその写真集を398kc/1510円で買ったんだけど、今回同じ本屋にいったらなかった。スデクの本自体は様々な種類が出版されていて、プラハの普通の本屋でも置いている所が多い。

「ジャバウォッキー!!」なマラー・ストラナの丘へ。エッフェル塔を真似て1891年(100年以上経っているけど大丈夫か?)に建てられた展望台には、荷物の重さにより今年は登らず。うらうらしたセミナール公園を下りながら、私の頭には箪笥が木々の間をごーーーっと走ってくる映像しか思い浮かばなかった。けっこう恐怖だ、ジャバウォッキー。

もう7時だったんだけど、「kratke filmy.4」がもしかしたら残っているかもしれないと、発売元であるクラートキー・フィルム社に行ってみた。2004年12月情報
[kratky film Praha a.s.]
Jindrisska 34, Praha 1,11207/中央郵便局の北東、プラハ中央駅の北西

かつてトルンカが所属した国立短編映画社が、民営化されてクラートキー・フィルム社になったとのこと。(多分そこのプラハ事務所みたいなものでしょうか?)アニメーション(人形劇含む)のビデオを多く発売していて、チェコの普通のビデオ屋でも、この会社のビデオはけっこう見た。案の定開いていなかったんだけど、警備員のおじさんが、ビデオ販売は平日8:00〜14:00だと教えてくれた。でももうプラハでの平日は無い私‥。(来週の月、火は祝日)

ロンドンで「コストニッツェ」か「エトセトラ」が収録されたヤンビデオを買わねばならないと思いつつ、本日はこれでおしまい。次の日へ

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