水上機戦記1 |
二式大艇は第二次世界大戦時に日本が投入した各種航空機の中でも、傑作の名を連合軍からも 得ている数少ない機体です。同時期の連合軍のあらゆる飛行艇を凌駕する性能は、まさに最高の 飛行艇の名に相応しいものでした。
本書は水上機の黎明期から、川西飛行機の誕生と、二式の誕生するまでの各種水上機の歴史、
難産だった二式飛行艇の誕生と、開戦からの栄光の日々、特にハワイ空襲作戦は二式の最高のステージ
でした。 碇氏の本はいろいろな視点から、話を展開して、最終的にテーマにまとめていくという手法が多いのですが、 本書も二式そのものの視点と、それを作製した川西飛行機の歴史という二つの点からストーリーを進めて、 より二式飛行艇に深く理解が出来るような構成になっています。
碇氏は、航空戦記を随分書いており、「紫電改」や「隼」といった著名な機体から「飛竜」なんかの空母戦記
まで幅の広い作家です。中心は資料に基づいたカタログ系の話を元に、開発チームの逸話を織り交ぜていく、
技術系の話が中心となります。 |