水上機関係書籍の解説






リロード中です。少々お待ち下さい。




うまく画面が飛ばない時はこちらを押して下さい。






水上機戦記1


最後の二式大艇
海軍飛行艇の記録

碇義朗
光人社
\650
1994.5初版発行

二式大艇は第二次世界大戦時に日本が投入した各種航空機の中でも、傑作の名を連合軍からも 得ている数少ない機体です。同時期の連合軍のあらゆる飛行艇を凌駕する性能は、まさに最高の 飛行艇の名に相応しいものでした。

本書は水上機の黎明期から、川西飛行機の誕生と、二式の誕生するまでの各種水上機の歴史、 難産だった二式飛行艇の誕生と、開戦からの栄光の日々、特にハワイ空襲作戦は二式の最高のステージ でした。
本書は二式の歴史を辿るとともに、この飛行艇を製作した川西飛行機の歴史を追っています。 「水上機を作らせれば川西」という言葉があったように、94式水偵から始まって、最強の水戦(必ずしもそうではない ですが)の「強風」、さらにはそこから発展した「紫電」「紫電改」局戦姉妹と歴史は続き、今も新明和と 名前を変えて飛行艇を作っています。

碇氏の本はいろいろな視点から、話を展開して、最終的にテーマにまとめていくという手法が多いのですが、 本書も二式そのものの視点と、それを作製した川西飛行機の歴史という二つの点からストーリーを進めて、 より二式飛行艇に深く理解が出来るような構成になっています。

碇氏は、航空戦記を随分書いており、「紫電改」や「隼」といった著名な機体から「飛竜」なんかの空母戦記 まで幅の広い作家です。中心は資料に基づいたカタログ系の話を元に、開発チームの逸話を織り交ぜていく、 技術系の話が中心となります。
単に写真集なんか二式大艇を知ったあとに最初に読むには、色々と知識が補完されてわかりやすいと思います。 本書も単に二式の話にとどまらず、いろいろな話が散りばめてあるので、航空戦記の知識が一気に広がるかな? と思いますし。

水上機戦記入り口に戻ります
戦記館入り口に戻ります