『織田大戦記 1』
竹中亮著/学習研究社 2002.11.6発行
春先に『真田大戦記』を完結させた竹中亮氏の新シリーズです。圧倒的なゴイスーな展開に振り回され続けた前作が終わり幾月、ようやく待ちわびていた復活を遂げました。
前作、『真田大戦記』については、ご存知の方も多いかとは思いますが、九度山に流された信州の小豪族の息子さんが、大阪の陣を機会に、天下をひっくり返す大策戦を展開するというもの。東西逆転というそのシナリオの根幹部分に当たる発想にも、なかなか赴きあるものがあるのですが、この作品の凄いところは、登場してくる忍者さん達です。
モモンガのように空を飛ぶのは誰でも思いつきますが、ハングライダーに載った忍者さんや、潜水艦に乗った忍者さんは、氏以外,
思いつきすらしないでしょう。井沢元彦の海上要塞や、某所で出てきた巨神兵なんか、及びもつかないくらい真っ青な展開です。
さらにこの忍者さん達が凄い。この本の世界に転生したら、雑兵として生まれてきたことをきっと後悔するに違いありません。一瞬で数十の足軽を抹殺する忍者さん達と、彼等が100人集まっても、瞬きする間に抹殺してしまうレギュラー級の忍さん達・・・。戦国史において、草の者とは裏方業務かと思っていたんですが、彼等は紛れもなく、主戦兵力です(笑)
興味ある方は立ち読みしてください。かなりイケてる作品でした。
という前作に引き続きの作品ですが、今回の主人公は織田信長のお孫さんです。こいつのお父上は、歴史モノ読んでるとたま〜に出てくるので知っていましたが、彼は全くの無名です。というか、歴史から抹殺されてるよね・・・。
キャラがないので、完全無欠の超人武将に仕立てても大丈夫な訳で、天から恐ろしいほどの才能を貰った主人公、織田信衡が、織田家の復興をかけて、関ヶ原に復活するというもの。ストーリーは、まあよく聞く話かも知れません。信忠とかでやった人もいますし。
が、この作品の見所はそんな主人公ではなく、やはり健在だった忍者さんたちでした(笑)
山岡道阿弥とか、筧十蔵なんか前作キャラも再登場しますが、今回は時代が15年ほど遡っているため、前作では出せなかった忍者さんたちが集まってきました。尼子の裏方だった蜂屋衆の残党や、飛び加藤とかが、今回主人公のお手伝いをしてくださる忍者さんたちです。
相手役は、前作は柳生の皆さんでしたが、今回は前作で割食った伊賀の皆さんのよう。甲賀衆も美味しいシーンをいただいております。
前作で漢の生き様を思う存分見せ付けた小早川秀包さんも再登場し、今回は小早川家を相続することが出来ましたし、前作の主人公だった真田一族の方々は、織田(昌幸)、東軍(信幸)、西軍(幸村)と分かれて戦うことになりました。
もう1巻から広げるだけ広がっております(笑)
この本見た瞬間にカウンターに向かったので、超超ド級戦艦「土佐」が買えなかったよ・・・とほほほ(^^;