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2000年2月20日号、4月30日号

低所得者へのホームヘルパー無料制度存続へ
2000年度予算で小矢部市の介護保険についての独自事業が次のようになりました。この他、小矢部市も参加する砺波地方介護保険組合では、65歳以上の保険料のうち、一番所得の低い第一段階の階層には保険料を国基準より2割引き下げます。
介護保険で「保険あって介護なし」にさせないため、少なくとも現在の福祉水準を後退させるなと運動してきましたが、かなりの要望が取り入れられました。
ホームヘルパー利用料助成事業 生計中心者が所得税非課税の場合、利用料を無料にする。但しいったん利用料を支払った上で、後で市からその分が振り込まれる。予算額9ユニー前で署名を呼びかける「介護保険と福祉をよくする小矢部市民の会」のメンバー9万3千円。
ホームヘルパー上乗せ事業 介護保険で認められた回数に加えて、希望により週2回まで増やすことができる。但し10%の個人負担がある。予算額84万8千円。
デイサービス上乗せ事業 介護保険で認められた日数に加えて、希望により週1日増やすことができる。予算額67万5千円。
ショートステイ上乗せ事業 介護保険で認められた日数に加えて、希望により1ヶ月に1週間増やすことができる。予算額123万3千円
介護人手当てや紙おむつ支給も現在の水準を維持し、対象者を約1.5倍に増やします。
市議会での論戦、国、県との直接交渉とあいまって、「介護保険と福祉をよくする小矢部市民の会」の活動が、議会の中だけでは乗り越えられなかった障壁を切り開くという決定的な役割を果たしました。
よりよい介護保険に改善していくために、引き続き市民運動が重要です。

全国的に見ても先進的な小矢部市の独自制度

厚生省は4月20日、介護保険で市町村が実施している独自事業についての全国調査をまとめました。それによると、小矢部市の施策が全国的にみて進んだものとなっていることが明らかになりました。
介護サービスを受ける際に利用者が支払う利用料を自治体独自で軽減しているところは全国約3300ある市町村のうち247自治体です。この中に小矢部市のホームヘルパー利用料の無料制度(新規の人も自立の人も対象で、生計中心者が所得税非課税の場合)が入っています。
65歳以上の高齢者の保険料に、国の基準よりも手厚い軽減をするところも141自治体あり、砺波地方介護保険組合もこれに該当します。生活保護世帯・老齢福祉年金受給者の保険料が国基準(基準月額2800円×0.5)より下げて0.4をかけることになります。
介護保険の対象外の独自サービスを提供する自治体は83市町村で、小矢部市はこれにも該当します。小矢部市は配食サービス(毎日夕食を届ける)、介護人手当て(月3000円)、紙オムツ券支給(月2000円分)、移送サービス(病院やデイサービスの送り迎え)などを実施ししています。
介護保険では要介護認定度に応じて介護サービスを受けることができる量に上限がありますが、支給限度額を超えた上乗せサービスを実施している自治体は全国に42市町村しかありません。小矢部市はホームヘルプサービス(ホームヘルパーが家庭を訪問して介護する)を週2回、デイサービス(施設で一日あずかり、食事や風呂などのお世話をする)を週1回、ショートステイ(特別養護老人ホームに数日間あずかってお世話をする)を週7日間、市独自で上乗せします。
昨年来、「介護保険と福祉をよくする小矢部市民の会」がつくられ、学習会や署介護保険をよくする会の市長への申し入れ名運動、市長や議長への申し入れ、議会傍聴などの住民運動が活発に取組まれたことが決定的な力を発揮しました。日本共産党は市民運動の発展に協力するとともに、議会ごとに砂田議員が当局に実現を迫り、国・県との交渉も繰り返してきました。

しかし、4月から実際に始まってみますと、在宅介護の利用料負担これまでに比べて増えたとか、施設不足からデイサービスの利用回数が減らされるなどまだまだいろんな問題点が出てきています。国が介護保険の実施にあたって財政支出を削減したためで、日本共産党は国に対して在宅サービスの利用料負担の軽減などを緊急要求し予算委員会でも取り上げています。


ショートステイの回数増分の
一時全額自己負担の改善を
砺波介護保険組合へ申し入れ


ショートステイについて厚生省は、利用限度日数が少なすぎるとの批判を受砺波地方介護保険組合と交渉する砂田議員らけて見直しましたが、その増加日数分はいったん一日あたり1万円前後を全額自己負担しなければなりません。そのうち9割は後で介護保険から戻ってきますが、約3ヵ月後にならないと払い戻されません。市独自の上乗せ措置も介護保険で足りない分を補うことになっているため、この自己負担ができない人は利用できなくなります。
この問題で「砺波地方介護保険と福祉をよくする市民の会」では27日に砺波地方介護保険組合に対して、「受領委任払い制度」の実施を緊急に申し入れました。砂田喜昭議員もこれに同席しました。これはショートステイ利用者が実際に施設の窓口で支払う自己負担分は1割として、特別養護老人ホームが3ヵ月後に介護保険から払い戻される自己負担分の9割を利用者に代わって受け取ることにするものです。組合側はその方向で検討していると述べました。砂田議員は「事態は急を要する」と、早急な実施を求めました。
厚生省は24日までに、介護保険制度で償還払いとなっているショートステイの振替措置について、このような受領委任払い制度を取り入れている自治体(大阪市や名古屋市)の要綱・資料を事務連絡しました。厚生省は、これらの自治体の事例を参考にすることで、実質的に1割負担でのサービス利用が可能になるとしています。この情報は「介護保険と福祉をよくする小矢部市民の会」の呼びかけ人の一人から寄せられました。
これはその後、5月1日より改善政府交渉の場で発言する砂田議員されました。

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