「明るい小矢部」のひろばのコーナー
2005年1月号
イラク最前線を報道したNHK
イラク最前線で何が起きていたかと題する「NHKスペシャル」を録画して見た。「NHKに言いたい」での海老沢会長の謝罪がきっかけではないだろうが、「これがNHK!」と驚いた
1部。「イラク駐留アメリカ州兵部隊」アーカンソー州から動員された州兵には39歳の牧師も。19歳の青年は2年間州兵をつとめれば大学への奨学金がもらえると、応募した。
クェートからバクダッドへ砂漠地帯を横切って進む部隊の車が1950年代製。装甲がなくて古鉄を探してボディーに溶接していた。それすら足りなくて防弾服をドアに縛り付けていた。
キャンプクックに迫撃砲が撃ち込まれて逃げ回った州兵たち。「無駄死にしたくない」の言葉が心に残った。アーカンソー州から動員された4000人のうち200人が負傷!23人が死亡。
2部。「支局はこうして閉鎖された」。中東のテレビ局アルジャジーラのバクダッド支局で、イラク人の記者たちは当初米軍に「自由と民主主義をもたらす」と期待していた。
結婚式が米軍に「誤爆」されたニュースを覚えている方もいるだろう。米軍広報官は攻撃されたからだと言い張った。アルジャジーラは被害現場で発見された結婚式を収録したビデオを放送した。ラムズフェルドは「偏向報道だ」とテレビ局を非難。米軍はバクダッド支局を狙い撃ちした。
記者は語った、「これが表現の自由、報道の自由を掲げるアメリカのやることか。目で見、耳で聞いたことだから圧力には屈しない」と。
番組はイラク人記者とラムズフェルドらの証言を対比して流していたが、マイケルムーアの映画「華氏911」を上回る説得力があった。
なぜこれが、イラクへの自衛隊派兵延長前に放映されなかったのだろうか。