「明るい小矢部」のひろばのコーナー
1999年1月号
今年は「国際高齢者年」。国連総会で7年前に議決され、世界各国で取り組みがはじまっています。国連決議は「高齢者は社会の負担ではなく、社会の貢献者」と宣言しています。「その通り」と胸のすく思いで読みました◆遠い昔こどものころ、「大きいおばあちゃん」の昔話が大好きで、ひ孫らが集まってよくせがんだものでした。年こそキンさんギンさんほどではありませんでしたが、格好がよく似ていたと思い出します。こんななかで一生を終えることができれば幸せでしょう◆最近、ある老人福祉施設を見学しました。なんと事務室に各居室からの監視カメラの画面が壁いっぱい並んでいるではありませんか。カメラに気づいた痴呆の住人で覆いをかぶせて見えなくした人がいたそうです。こんなところでは暮らしたくありません。介護職員が足りないから、こんな発想も生まれるのでしょうか◆そうはいっても費用はどうする?大丈夫です。消費税を上げなくても日本の財政にメスを入れ、公共事業に50兆円、社会保障に20兆円という世界各国とは逆立ちした税金の使い方を変えれば可能です◆最近「福祉は投資である」(日本評論社・刊)という本を読みました。福祉サービスを整備することに必要な経費は、従来言われてきた「負担」ではなく、健全な需要と労働力をつくりだし、広い意味での生産性向上への社会「投資」だというのです。失業率が戦後最高ですが、福祉の現場では人が足りないのです◆先の国連決議は続けます。高齢者を大切にすることは「すべての世代のための社会を目指す」ことなんだと。