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2004年11月21日号

行政視察報告     
市営浄化槽事業
早く市内全域の水洗化ができ、市も、個人も財政負担が軽くなります

 市が設置し維持管理する合併処理浄化槽事業(以下、市営浄化槽事業という)を視察するために、市議会産業建設常任委員会は11月11日に京都府綾部市、12日に福井県武生市を訪問しました。私も参加しましたので、以下報告します。

市全体の水洗化目標年次が早まる

 二市ではいずれも2003年度から市営浄化槽事業に取り組みました。両市に共通していたのは、市内全域を水洗化する目標年次を明確にし、完了年度も早めていたことです。
 水洗化普及率が24%(2000年度)と遅れていた綾部市では、農業集落排水事業で予定していた区域を市営浄化槽事業に切り替え、完成年度を2081年度(平成93年度)から2018年度(平成30年度)に早めました。公共下水道についても、住宅密集地で事業展開できることから完成年度を2034年度から2028年度(平成40年度)に、6年間早めています。
 武生市でも完了目標を2023年度(平成35年度)においています。
 一方小矢部市はいつまでに完成させるという目標年次を明確にしていません。二市に比べて散居村の割合がはるかに多い小矢部市では、このままでは完了が22世紀にずれこむことも懸念されます。(表・小矢部市の下水道普及状況)

2004/3/31現在
下水道整備率(b/a) 64.8%
認可区域面積(a)ha 833.7
整備済み面積(b)ha 540.3
下水道普及率(d/c) 46.5%
外国人含む市全体人口(c) 34,897
整備済み地域人口(d) 16,215
水洗化率(e/d) 66.6%
下水道に接続した人口(e) 10,800
汚水処理人口普及率(g/f)       61.4%
市の住民基本台帳人口(f) 34,440
合併浄化槽を含む水洗化した人口(g) 21,150

農業集落排水事業の水洗化率

田川地区 96.7%
薮波北部地区 82.2%
北蟹谷地区 70.3%



市営浄化槽にすれば、市の財政負担は軽減

 綾部市では市営浄化槽事業を取り入れることで、公共下水道をふくむ水洗化総合計画の総事業費が745億円から586億円に縮小できるとしています。これは農業集落排水事業では建設費が一戸平均600万円かかるものが100万円ですむからです。
 視察に参加した小矢部市の議員から「公共下水道事業が遅れているうえに、新たに市営浄化槽事業に取り組むと、財政面からいっそう公共下水道が遅れるのではないか」との心配が出されましたが、「綾部市では公共下水道の事業ペースは変えずに実施している」、「財政当局には全体事業費が安くなるのだからと説得した」との答えがありました。

市民の分担金も安くできる

 市営浄化槽事業では市が設置するのは合併浄化槽の部分だけで、家の中の配管や放流管は個人負担です(図参照・綾部市の資料より)。これは公共下水道事業とまったく同じやり方です。
 市営浄化槽の設置費は国、市、個人で負担しますが、個人の分担金は、綾部市では1戸40万円で、農業集落排水事業などの分担金(平均60万円/戸)よりは少し安くするようにしました。
 一方、武生市ではそれぞれの家庭で実際に設置にかかった費用の10%を分担金としており、1戸10万円から18万円ぐらいとのことです。他の手法とのバランスは考えなかったそうです。
 参考までに小矢部市の下水道分担金は1平方メートルあたり652円で、500平方メートルの宅地では32万6千円、1千平方メートル以上は48万9千円が上限となっています。

浄化槽の使用料は下水道料金並み

 浄化槽の使用料は二市とも世帯人員に応じて徴収する仕組みで、
 綾部市では浄化槽の使用料は4人家族の場合1ヵ月3853円(税込み)から電気料個人負担分500円を差し引いたものです(年間4万円)。武生市では同じ4人家族で1ヵ月にすると4300円です(年間5万1千円)。いずれも下水道料金とのバランスを考慮していました。
 ちなみに小矢部市の下水道使用料は、月25立方メートルの水を使用する平均的な家庭では1ヵ月3750円、年間4万5千円です。
 これらの料金は個人が合併処理浄化槽を維持管理する経費、年間8.1万円(国のマニュアルによる標準経費)に比べ、安くなります。
 すでに個人で合併処理浄化槽を設置した人からは、市に寄付をしてもらい、維持管理を市で行うこともできるそうです。


 小矢部市としても、早く水洗化完了年度をはっきりさせ、それに向けて経済性、効率性を検討した上で下水道計画全体の見直しを急ぐべきです。


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